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- ICUとCCU 2023年4月号(Vol.47 No.4)【特集】微小循環・免疫を制御するリンパを読み解く
商品情報
内容
概論:重症病態と未知なるリンパ/自然免疫と獲得免疫:リンパ球の役割/リンパ節で誘導される免疫応答と免疫細胞のダイナミックな挙動 ほか
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序文
特集にあたって
生体が恒常性を維持するには血液循環が必須である。その微小循環領域の物質交換の過程で漏れ出る組織液は,老廃物やタンパク質成分を含めて末梢リンパ管へと回収される。しかし,過剰な炎症は血管から漏れ出る組織液を増加させ,リンパ管の回収力以上の組織液増加は浮腫を形成する。腸管浮腫は腸管の微小循環障害を発生させ,肺の過剰な透過性亢進はARDS を惹起し,リンパ系の破綻はうっ血性心不全を増悪させる。このように,リンパ管の組織液ドレナージ力は病態の進展に大きく影響する。さらに,過剰な侵襲により腸管関連リンパ組織(GALT)内に産生されたサイトカインをはじめとするメディエータなどが,リンパ管を介して全身に運ばれARDS 発症に関与することも報告されている。一方,獲得免疫は2種のリンパ球,T 細胞とB 細胞によって担われている。T 細胞には多くのサブセットがあるが,いずれも感染免疫などにおいて最前線の兵士として働くと同時に,司令官として自己と非自己を識別し,免疫応答を制御する。このように重症患者管理において鍵となる炎症・浮腫・免疫・微小循環におけるリンパの役割は,われわれの想像をはるかに超え複雑な病態に深く関与している。そこで,リンパ学をもう一度見直し,リンパを考慮した重症患者管理が新たな治療戦略につながることを期待し,ミニ特集「微小循環・免疫を制御するリンパを読み解く」を企画した。
まず「重症病態と未知なるリンパ」というタイトルで,リンパ管に関する概説,肺と腎臓のリンパ管の役割,そして新たなトピックスとして,脳リンパシステム「glymphatic system」を記載した。リンパ球の役割である「自然免疫と獲得免疫」に関しては河本先生に,また,感染症対策やワクチン開発,免疫関連疾患の治療戦略に重要である「リンパ節」に関しては,片貝先生に解説していただいた。腸間膜リンパには心臓様の自発性収縮が存在しているという大変興味ある結果を,大橋先生ご自身のデータを用いて示していただき,福島先生にはバクテリアルトランスロケーションに関して,腸管リンパの役割,腸管をターゲットとした治療戦略の考え方の変遷を,また,心機能低下のない心不全(HFpEF)の病因としてリンパ機能が注目されているため,那須先生に「心不全とリンパ機能」をまとめていただいた。がん治療として臨床応用されている免疫チェックポイント機構は,実は敗血症の治療戦略としても大いに期待されている。その現状と問題点に関して渡邉先生に解説していただいた。
このように重症患者管理において鍵となる炎症・浮腫・免疫・微小循環におけるリンパの役割に関しては,われわれはまだ十分に理解しているとは言い難い。本誌が,リンパ学をもう一度見直し,この分野や周辺領域の新たな視点や着想の一助となり,集中治療で管理する重症患者の救命につながるならば望外の喜びである。お忙しいなかご執筆いただいた先生方には,この場を借りて心から御礼を申し上げたいと思います。
垣花 泰之
鹿児島大学大学院医歯学総合研究科救急・集中治療医学分野
目次
特集 微小循環・免疫を制御するリンパを読み解く
特集にあたって
垣花 泰之
概論:重症病態と未知なるリンパ
垣花 泰之
自然免疫と獲得免疫:リンパ球の役割
河本 宏
リンパ節で誘導される免疫応答と免疫細胞のダイナミックな挙動
片貝 智哉
重症患者管理と腸管リンパドレナージ
大橋 俊夫・河合 佳子・林 もゆる・渡辺- 浅香智美・前島 大輔・高坂美恵子
バクテリアルトランスロケーション研究の歴史,リンパの役割と治療戦略
福島 亮治
心不全におけるリンパ機能と治療戦略
那須 崇人
敗血症におけるリンパ球PD-1 の役割と治療戦略
渡邉 栄三・武山 直志
症例
甲状腺クリーゼによる心肺停止に対してECMO と心内留置ポンプカテーテルを要した1 例
中逵 誉・梅村 孟司・織田 義弘・松下 司
藤木 典隆・片岡 亨
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書籍情報
- ISBN:9784019004704
- ページ数:67頁
- 書籍発行日:2023年4月
- 電子版発売日:2023年6月7日
- 判:A4判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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