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- 超音波ガイド下神経ブロック法ポケットマニュアル 改訂第2版
商品情報
内容
術後急性期疼痛は術後の遷延性疼痛の重要な因子である。また疼痛は術直後の“興奮”“護妄”因子であり,術後“興奮”“譴妄”は術後認知機能障害と関連している。つまり“術後急性期疼痛を制御しなければ”術後患者の多くはWHOのいう肉体的にも精神的にも,そして社会的にもすべてが満たされた状態の健康には戻れない。初版以来、超音波ガイド下神経ブロック法は飛躍的に進歩し、超音波機器はさらに発展しつづけた。これらの進歩を盛り込んだ改訂第2版。
序文
2006年に「超音波ガイド下神経ブロック法ポケットマニュアル」初版が出版された。それまで神経ブロックが現代麻酔で重要な役割を果たすことはなかった。1900年代はじめにクリーブランドクリニック創始者のひとりである外科医Crail GWは,神経ブロックが侵害刺激を遮断する最も良い方法であることを示唆していた。しかし,ほとんどの麻酔科医は侵害刺激遮断を目的とした神経ブロックを全身麻酔に併用することを忘れていた。その最大の理由は神経ブッロクの不確かさと合併症発生問題であった。当時は,正確な解剖のもとに施行しなければならない神経ブロックを盲目的手技で行っていた。しかし超音波ガイド下法導入により,麻酔科医は解剖,ブロック針の位置,局所麻酔薬の広がりを超音波画像上に可視化できるようになった。熟練した麻酔科医だけが行えるアートから科学的に行える手技となり,多くの麻酔科医が興味を示すようになった。
2007年に一度解散した,21年間つづいた「日本局所麻酔学会」学術集会も,2014年に「日本区域麻酔学会」として再び発足し,多数の麻酔科医が参加した。麻酔科医が局所麻酔,区域麻酔,神経ブロックの重要性を認識して広く行うようになったためである。手術麻酔をはじめ,術後鎮痛,ペインクリニック,緩和医療に超音波ガイド下神経ブロックは応用されるようになった。これは,本書初版が果たした役割が大きかったことを示している。
医療におけるQOLの向上が求められる中で,周術期管理および疼痛治療の重要性が認識されてきた。特に,急性期術後疼痛管理が周術期QOLさらに術後長期にわたるQOLに重要な役害を果たすことが知られてきた。術中意識がなくても"痛み(侵害刺激)を感じており"術後の疼痛域値が低下する。そのため,侵害刺激を遮断するために脚光を浴びたのは,超音波ガイド下神経ブロック法を中心にしたマルチモーダル麻酔法である。
術後急性期疼痛は術後の遷延性疼痛の重要な因子である。また疼痛は術直後の"興奮""護妄"因子であり,術後"興奮""譴妄"は術後認知機能障害と関連している。つまり"術後急性期疼痛を制御しなければ"術後患者の多くはWHOのいう肉体的にも精神的にも,そして社会的にもすべてが満たされた状態の健康には戻れない。
初版出版以来,超音波ガイド下神経ブロック法は飛躍的に進歩するとともに,超音波機器はさらに発展しつづけた。そしてこのたび,これらの進歩を盛り込んだ「超音波ガイド下神経ブロック法マニュアル改訂第2版」を出版することとなった。改訂版の出版により,さらに多くの麻酔科医が麻酔法の重要な手技として神経ブロックを施行するようになると確信する。
2015年4月20日
愛知医科大学看護学部 / 愛知医科大学病院麻酔科教授
小松 徹
目次
I 超音波ガイド下神経ブロックの基礎
1 上肢ブロック
1 解剖
2 斜角筋間アプローチ
3 鎖骨上アプローチ
4 鎖骨下アプローチ
5 腋窩アプローチ
6 浅頸神経叢ブロック
7 尺骨神経ブロック
2 体幹部ブロック
1 腹壁の解剖
2 腹直筋鞘ブロック
3 腹横筋膜面ブロック
4 腸骨下腹・腸骨鼠径神経ブロック
5 胸部傍脊椎ブロックと解剖
3 下肢ブロック
A.腰神経叢ブロック
1 解剖
2 大腿神経ブロック
3 伏在神経ブロック
4 腸骨筋膜下ブロック
5 外側大腿皮神経ブロック
6 腰神経叢ブロック(大腰筋筋溝ブロック)
7 閉鎖神経ブロック
B.坐骨神経ブロック
1 解剖
2 膝窩アプローチ
3 殿下部アプローチ
4 前方アプローチ
5 傍仙骨アプローチ
4 硬膜外ブロックと脊髄くも膜下ブロック
1 硬膜外ブロックと脊髄くも膜下ブロック
2 仙骨硬膜外ブロック
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書籍情報
- ISBN:9784771904477
- ページ数:210頁
- 書籍発行日:2015年6月
- 電子版発売日:2019年1月16日
- 判:A5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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