医学のあゆみ279巻7号 臓器移植―限界と挑戦

  • ページ数 : 98頁
  • 書籍発行日 : 2021年11月
  • 電子版発売日 : 2021年11月10日
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内容

企画:大段秀樹(広島大学大学院医系科学研究科消化器・移植外科学)

・「臓器移植法」の改正にもかかわらず,脳死からの臓器提供は期待したほどには増加していない.わが国の臓器移植はいまだに生体ドナーからの移植が主流であり,移植医療のさらなる普及のために社会的な課題は山積している.
・21世紀となった今,臓器不全に対する移植医療のブレイクスルーとして期待がかかる課題としては,高齢者や担癌患者への適応拡大や免疫寛容の誘導,革新的な臓器保存方法の開発,再生医療の新展開などがあげられる.
・本特集では,今後の移植医療を革新する課題について,現状をまとめ展望していただく.また予想もしなかった新興感染症を経験した今,有事における移植医療のあり方を考察し,将来への提言をいただく.

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序文

はじめに


2009年に脳死移植を可能とする「臓器移植法」の改正が行われ,2010年7月以降は,脳死移植は本人が提供拒否の意思を示していないかぎりは家族の同意が得られれば認められるようになった.しかし改正法の施行にもかかわらず,脳死からの臓器提供は期待したほどには増加していない.わが国の臓器移植はいまだに生体ドナーからの移植が主流であり,移植医療のさらなる普及のために社会的な課題は山積している.生体ドナーに依存する,いわば片輪走行のため,臓器の総移植症例数は先進諸国には及ばない.しかし,移植成績そのものは諸外国と比べ同等か,むしろ良好である.脳死下臓器提供の普及に課題は残るが,20世紀の奇跡の医療といわれた臓器移植は,優れた免疫抑制薬の開発や医療技術・体制の向上を経て,今や成熟期を迎えている.21世紀となった今,臓器不全に対する移植医療のブレイクスルーとして期待がかかる課題としては,高齢者や担癌患者への適応拡大や免疫寛容の誘導,革新的な臓器保存方法の開発,再生医療の新展開などがあげられる.

超高齢社会における少子・高齢化の人口構造は,臓器移植のドナー・レシピエント間の年齢制限に少なからず影響を与えている.今後は,年齢に関わる移植医療の限界を掌握するともに,なぜ老化とともに臓器が衰え,合併症が発症するのか,すなわち“老化”の実体を解明することが課題となる.また,臓器移植の手術手技や免疫制御の技術を応用することで,癌治療の限界を打破する新たな展開を期待したい.保存時間の飛躍的な延長やマージナルドナーからの臓器の回復が見込める革新的な臓器保存方法が開発されれば,ドナーソースが飛躍的に拡大できる.臓器再生が現実のものになれば,救命される患者が格段に増加するであろう.


本特集では,今後の移植医療を革新する上述の課題について,わが国のオピニオンリーダーに現状をまとめ展望していただいた.また,予想もしなかった新興感染症を経験した今,有事における移植医療のあり方を考察し,将来への提言をいただいた.


広島大学大学院医系科学研究科消化器・移植外科学
大段秀樹

目次

【AYUMI】

はじめに

高齢レシピエントの腎移植-腎移植の恩恵を享受するために

超高齢社会における肝移植

臓器保存の臨床への挑戦

Transplant Oncologyが拓くがん治療の未来

移植免疫から展開するがん免疫-血管内皮細胞の免疫学的特性の側面から

免疫寛容誘導への挑戦

腎臓再生の現状と小児医療への応用

コロナ禍における移植医療

【連載】

この病気,何でしょう? 知っておくべき感染症(23)

多包虫(北海道のキツネとエキノコックス)

オンラインによる医療者教育(9)

少人数でもできるオンライン開催の小規模学会大会・研究集会の運営-10のTips

ユニークな実験動物を用いた医学研究(7)

特異な哺乳類ハダカデバネズミの秘密-真社会性・老化耐性・がん化耐性

COVID-19診療の最前線から-現場の医師による報告(1)

はじめに-連載にあたり

コロナ禍で明らかになった課題:臨床研究とPCR検査

【TOPICS】

神経精神医学

悲しみは痛みを強くする-急性痛と慢性痛について

環境衛生

気候変動と感染性胃腸炎

【フォーラム】

パリから見えるこの世界(103)

「科学の形而上学化」を文化に,そして今なぜ改めて「科学精神」なのか

子育て中の学会参加(15)

形成外科医の視点から

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書籍情報

  • ISBN:9784006027907
  • ページ数:98頁
  • 書籍発行日:2021年11月
  • 電子版発売日:2021年11月10日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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