耳鼻咽喉科 最新薬物療法マニュアル〈ENT臨床フロンティア〉

  • ページ数 : 360頁
  • 書籍発行日 : 2014年8月
  • 電子版発売日 : 2021年12月1日
¥14,300(税込)
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商品情報

内容

耳鼻咽喉科医師必携の薬物療法ガイド.耳鼻咽喉科診療で処方される多岐にわたる薬剤について,適応や使い方・選び方,注意すべき副作用など,最新情報にもとづき解説.関連する一般市販薬や他科の薬剤についても説明を加えた.漢方薬は病名処方を中心に実地診療に則して解説.

あわせて読む → 「ENT臨床フロンティア」シリーズ

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序文

《ENT 臨床フロンティア》シリーズも回を重ね,臨床家の座右の書として定着してきた感がある.本巻は薬物療法に関するマニュアルの作成ということであるが,私に専門編集が回ってきた.雑誌『JOHNS』の編集委員となってから久しく,テーマと執筆分担の選定で苦労しており,さまざまな切り口を試みてきたが,今回のようなテーマを扱うのは初めてなので,クラシックな切り口に加え,私が日常臨床で疑問に思う,あるいは知識があやふやな内容を質問の形でぶつけて,第一人者からそれに対するご回答を頂くという形を取ってみた.

編集という立場から全原稿を通覧すると,このもくろみが見事に成功しており,従来の同種の書とは一線を画すことが出来たと自負する.結構充実した面白い内容に仕上がっているので,読み出すと引き込まれる.この上は読者に,本書を座右のレファランス書として脇机に君臨させるのみならず,ある程度まとめて通読してもらいたいと願う.薬物療法は他の治療法と同列にあり,患者の病態を見極めた上で本法を選択することとなるわけだが,現在の医療にあっては圧倒的な治療の根幹をなしている.いかに患者に向き合ってよい医師患者関係を築き,適切な診断がなされても,不適切な治療がなされれば,その関係も崩れ,病態も悪化させる恐れすらある.

Sir William Osler (1849-1919)が残した言葉に“The young physician starts life with 20drugs for each disease, and the old physician ends life with 1 drug for 20 diseases.” がある.読者のさまざまな経験に応じた薬の使い方を改めて考え直し,日常診療に活用するためのマニュアルとして本書を利用して頂けるものと信じている.


2014年7月14日

自治医科大学名誉教授/石橋総合病院 市村恵一

目次

1 各症状に対する薬物の適応と選び方 (市村恵一)

医師─患者関係と薬物選択

プラセボ

実際の処方にあたって

P-drugに沿った診療の流れ

薬物の情報をどのように得ていくか

その他の知識

2 薬物の有害事象とその対策 (田山二朗)

有害事象・副作用について

副作用と原因薬

副作用への対処

医薬品副作用被害救済制度

3 抗菌薬

抗菌薬の適応と使い方 (鈴木賢二)

 薬剤の選択

 PK-PD解析について

 薬剤群別の特徴と使い方

 注意すべき副作用と薬物相互作用

主な耳鼻咽喉科疾患での実際例 (杉田麟也)

 抗菌薬治療の開始にあたって

 急性中耳炎

 成人の急性中耳炎および鼻副鼻腔炎

 成人の片側性副鼻腔炎

 急性扁桃炎,扁桃周囲膿瘍

 上咽頭炎

 急性喉頭蓋炎

 深頸部感染症

局所療法薬の使い方 (三代康雄,阪上雅史)

 点耳療法

 ネブライザー療法

乳幼児での使い方と投与量 (仲野敦子)

 小児抗菌薬選択時における成人との相違点

 小児で頻度の高い感染症に対する使用薬剤

 小児特有の副作用

妊婦での抗菌薬使用のコツ (松原茂樹)

 アミノグリコシド系,テトラサイクリン系,ニューキノロン系はできれば避ける

 セフェム系かペニシリン系が無難

 できるだけ歴史の古いものから使う

 使うなら十分量を!

 成書と専門サイトにあたる

4 抗真菌薬

抗真菌薬の適応と使い方 (岡野光博)

 真菌症の分類

 抗真菌薬の概要

 適応

 耳鼻咽喉科領域真菌症における薬剤選択

 注意すべき副作用

 注意すべき薬剤相互作用

主な耳鼻咽喉科疾患での実際例 (大櫛哲史)

 耳鼻咽喉科領域の真菌感染症

 外耳道真菌症

 口腔・咽頭真菌症(舌カンジダ症)

 浸潤型副鼻腔真菌症

 アレルギー性真菌性副鼻腔炎

5 抗ウイルス薬

抗ウイルス薬の適応と使い方 (本田耕平,石川和夫)

 抗ヘルペスウイルス薬

 抗インフルエンザウイルス薬

主な耳鼻咽喉科疾患での実際例 (金井憲一)

 インフルエンザ

 RSウイルス感染症

 ヘルペス性口内炎,咽頭炎

6 ステロイド

ステロイドの適応と使い方 (酒井あや,鈴木雅明)

 耳鼻科疾患での適応,どれを使うかの選定基準

 使用方法と生物学的利用率

 奏効機序からみた投与量の選定

 注意すべき副作用と薬物相互作用

主な耳鼻咽喉科疾患での実際例 (中丸裕爾)

 突発性難聴

 顔面神経麻痺(Bell麻痺とHunt症候群)

 好酸球性副鼻腔炎

7 NSAIDs

NSAIDs の適応と使い方 (峯田周幸)

 鎮痛薬の種類

 NSAIDsとは

 COX-1とCOX-2

 NSAIDsの適応

 NSAIDsの分類

 効果と持続時間からの使い方

 剤形からの使い方

 NSAIDsの副作用

 特殊な場合の鎮痛

主な耳鼻咽喉科疾患での実際例 (平間真理子,石戸谷淳一)

 耳鼻咽喉科疾患でのNSAIDsの一般的な適応

 急性咽頭炎・急性扁桃炎に対するNSAIDsの使用

 急性中耳炎に対するNSAIDsの使用

 急性副鼻腔炎,慢性副鼻腔炎の急性増悪に対するNSAIDsの使用

 NSAIDsの使用注意点

8 粘液溶解薬 (清水猛史)

気道粘液の役割

慢性副鼻腔炎の病態と粘液溶解薬の役割

去痰薬の種類と作用

9 漢方薬

漢方薬の選び方と使い方,副作用と薬物相互作用 (齋藤 晶)

 選び方

 使い方

 副作用

 薬物相互作用

漢方薬のエビデンス (荻野 敏)

 漢方医学による診断と治療

 漢方薬とエビデンス

 漢方治療とRCT

 漢方薬が有効な耳鼻咽喉科疾患

主な耳鼻咽喉科疾患での実際例 (今中政支)

 漢方薬処方の基礎知識

 めまいの漢方治療

 耳鳴に対する漢方治療

 その他の聴覚障害に対する漢方治療

 感冒・インフルエンザに対する漢方治療

 耳鼻咽喉科領域の感染症の漢方治療

 咽喉頭異常感症と漢方治療

 服薬アドヒアランス

10 抗ヒスタミン薬 (児玉 悟)

鼻アレルギーに対しての使い方

感冒や副鼻腔炎での役割

ステロイドとの併用における有効性

注意すべき副作用と薬物相互作用

11 その他のアレルギー薬 (藤枝重治)

抗アレルギー薬の種類

アレルギー性鼻炎症状による病型分類

抗アレルギー薬の副作用と適応禁忌疾患

アレルギー性鼻炎治療薬の薬剤相互作用

12 点鼻用血管収縮薬 (近藤健二)

点鼻用血管収縮薬とは

血管収縮薬の作用メカニズム

血管収縮薬の適応

血管収縮薬の使用法

血管収縮薬の副作用

使用上の禁忌・慎重投与について

13 血管拡張薬 (清水重敬,鈴木 衞)

血管拡張薬の種類

プロスタグランジン(PG)製剤

循環系作用薬

14 抗めまい薬 (山本昌彦,吉田友英)

めまい症状と抗めまい薬

めまい治療

乗り物酔いの治療

15 向精神薬 (五島史行)

耳鼻咽喉科疾患と心身医学的アプローチ

マイナートランキライザーとベンゾジアゼピン系薬剤

マイナートランキライザーの作用と注意すべき副作用

マイナートランキライザー使用における留意点

耳鼻咽喉科における適応

抗精神病薬(メジャートランキライザー)

16 抗うつ薬 (中山明峰,清水謙祐)

診断に心理テストを使用する

どのような精神疾患が合併するか

なぜ抗うつ薬を使うのか

ベンゾジアゼピン製剤の注意点

抗うつ薬の分類

重症度に応じた抗うつ薬の投与法

抗うつ薬投与法の−私案

不安,うつ傾向を不眠から治す−私案

17 睡眠薬 (橋本 誠,山下裕司)

不眠症

睡眠薬の種類

睡眠薬の副作用

睡眠薬の選択法

処方例

睡眠薬を使用してはいけない場合・注意が必要な場合

睡眠薬の離脱法

専門医へのコンサルトを考慮すべき場合

18 ビタミン薬 (山本祐三)

ビタミンとは

ビタミンB12の適応と使い方

ビタミンB2 の適応と使い方

ビタミンB6 の適応と使い方

19 止血薬 (安野伸浩,善浪弘善)

出血の原因と止血処置

止血薬の種類と特徴

20 抗凝固薬 (細川誠二)

抗血小板薬・抗凝固薬の作用機序と種類

抗血小板薬・抗凝固薬の適応

手術処置のために抗凝固薬・抗血小板薬の使用をいつやめるか

止めてはいけない場合は

注意すべき副作用と薬物相互作用

21 副交感神経刺激薬 (吉原俊雄)

副交感神経刺激薬の種類

副交感神経刺激薬の耳鼻咽喉科領域での使用

副交感神経刺激薬の副作用

22 甲状腺薬 (藤原和典,北野博也)

甲状腺ホルモン製剤

抗甲状腺薬

23 抗カルシウム薬 (志賀清人)

薬剤の形状と薬理作用

抗カルシウム薬(ビスホスホネート)の適応疾患

抗カルシウム薬の耳鼻咽喉科・頭頸部外科領域での適応

副作用と合併症

24 健胃薬 (鈴鹿有子)

胃腸活動抑制系(潰瘍治療薬)

胃腸活動促進系

医薬品の副作用

25 点耳薬 (林 達哉)

点耳薬の種類と使用目的

点耳薬の特性

点耳薬使用の条件と注意

点耳薬の副作用

疾患別点耳薬選択例

26 点鼻薬 (菊地 茂)

点鼻薬の種類

点鼻薬の適応と使い方

鼻噴霧薬の適応と使い方

点鼻薬の薬剤群別の使い分け

副作用とその対処法

27 口腔用剤 (松尾博道)

口腔用剤の種類

保湿

衛生

口内炎

鎮痛

28 軟膏, クリーム

軟膏,クリームの適応と使い方−耳 (中原はるか)

 軟膏とクリーム

 ステロイド外用薬

 抗菌薬・抗真菌薬

 症例の紹介

軟膏,クリームの適応と使い方−鼻 (竹野幸夫,久保田和法)

 適応と使い方

 軟膏とクリームの特徴

 軟膏使用時の注意点

 鼻副鼻腔疾患と軟膏製剤

軟膏,クリームの適応と使い方−口腔 (大島猛史)

 口腔用外用薬の種類と特徴

 外用薬適応となる口腔病変(口内炎)

 口腔用軟膏の使い方

付録

耳鼻咽喉科で用いられる主な薬剤

耳鼻咽喉科における主な漢方薬適応疾患

索引

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書籍情報

  • ISBN:9784521734682
  • ページ数:360頁
  • 書籍発行日:2014年8月
  • 電子版発売日:2021年12月1日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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