小倉記念病院のV字回復に学ぶ 最高収益を生み出す 病医院マーケティング

  • ページ数 : 264頁
  • 書籍発行日 : 2021年11月
  • 電子版発売日 : 2021年12月3日
¥3,960(税込)
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商品情報

内容

職員一丸となった広報・マーケティング活動で、業績悪化から脱却した小倉記念病院。
その過程で実践したユニークな手法の数々を一挙紹介!


・医師が広報活動に協力してくれない
・各部門の要求を聞き入れていたらホームページがぐちゃぐちゃになった
・健康講座や連携施設向けセミナーに人が集まらない
・広報誌を作っても読んでもらえない
・メディアが取材に来てくれない
……
医療機関の経営者や広報、地域連携などの実務担当の方々は、こんな悩みに直面していないでしょうか。

経営環境が厳しさを増す中、医療機関が広報・マーケティング活動に取り組むことがこれまで以上に重要になっていますが、担当スタッフは限られ、ノウハウもないのが現状です。北九州市の小倉記念病院も、以前は同様の状況でしたが、2010年代前半に大幅減収に見舞われたことをきっかけに広報・マーケティング活動を強化。各職種の協力のもと、ユニークな施策を繰り出し、上記のような課題を次々に解決して業績のV字回復につなげました。

本書では、同病院スタッフとして広報・マーケティング活動を中心的に進めてきた松本卓氏(病院マーケティングサミットJAPAN理事)が、これまで実践してきた取り組みの数々を、余すところなく具体的に紹介しました。併せて、病院マーケティングサミットJAPAN代表理事で医師の竹田陽介氏が、要所でポイントを解説。病院だけでなく診療所や介護事業所などにも役立つノウハウが随所に盛り込まれています。

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序文

はじめに

人手や予算がなく、ノウハウを学ぶ機会もない。だから広報活動は事務方の誰かが兼任で体当たり的に行うしかない──。医療機関の広報の現場でよく見られるこうした状況は、医業経営の観点のみならず、地域の医療提供体制の面からも大変「もったいない」といえます。

私はもともと循環器内科医として臨床の現場で働いており、今は医療マーケティングの面から病院や学会を支援する会社(株式会社Vitaly)の代表を務めていますが、勤務医時代に「この医療機関は良い医療を提供しているのに、なぜ地域の患者さんや医療職からあまり評価されていないのか」と感じることが多々ありました。いくら現場で医師、スタッフが頑張っていても、その医療機関の良さを「外に伝える力」が欠けていては、地域の患者さんが良い医療に出合える可能性を大きく下げてしまうことになります。

広報は義務ではありません。やらずとも困ることはないかもしれません。しかし、より多くの方に、より良い医療を届けたいと現場から真摯に情報発信することは、現代に生きる医療人が示さねばならない患者さんへの誠意といえるのではないでしょうか。

良質な医療を提供する病院が、患者さんや医療職(紹介元、求職者)から真っ当に選ばれるための病院広報・マーケティング手法を全国の医療関係者と共有したいと、2018 年に立ち上げたのが、病院マーケティングサミットJAPAN です。私のほか、小倉記念病院広報の松本卓さん、小山晃英先生(京都府立医科大学)、岸拓弥先生(国際医療福祉大学)を中心に、他学会での発表や勉強会の開催などを通じて活動の輪が広がり、医療マーケティングの様々な知見、ノウハウが蓄積されてきました。

そうした知見を少しでも多くの方に知ってもらいたいとの思いから、本書の企画が立ち上がりました。ただ、教科書調の概念的な話を羅列しても、現場にどう落とし込んでいけばよいのか、読者の方が判断に迷うのは目に見えていましたし、何より読んでいて楽しくありません(笑)。そこで、小倉記念病院での実践を通じて、松本さんに具体的かつ分かりやすく紹介してもらうことにしました。小倉記念病院は2010 年代前半、医師や患者さんの減少により苦境に立たされましたが、病院職員が一丸となって治療だけでなく広報・マーケティングにも積極的に取り組んだ結果、不死鳥のごとく見事な復活を果たしました。

本書の内容は、日経メディカルOnline の連載コラム「病医院PR レベルアップ講座」がベースとなっており、未収載の内容も数多く取り上げています。小倉記念病院は地域の中核病院ですが、「大病院だからできること」ではなく、中小病院や診療所、さらには介護施設・事業者や一般企業の方にも参考になる「明日から使える」ノウハウが満載の仕上がりとなりました。

新型コロナウイルス感染症の流行により、医療機関の広報・マーケティング活動は大きな制限を受けました。これからの医療広報には、対面とオンライン両方のコミュニケーションにより、地域の生活者や医療職との「会えなくても近い、会えたらもっと近い」関係性を築いていくことが求められており、そのヒントも多く散りばめられています。本書が読者の方々にとって、理にかない、血の通った広報を実践するための道しるべとなれば幸いです。


2021年11月

一般社団法人病院マーケティングサミットJAPAN 代表理事
竹田 陽介

目次

第1章 ホームページをリニューアルせよ!

1 窮地に立たされた小倉記念病院

2 鍵を握るリニューアルのチームづくり

3 ホームページのデザインとブランドイメージ

4 院内でコンセンサスを得るには

5 コンテンツをどうそろえるか

6 「完成後の失敗発覚」を避けるために

7 サイトの更新は自前か、委託か

8 Google アナリティクス活用のポイント

9 医師紹介ページの魅力を高める

Inside /Outside Interview 01 若手職員の提案を生かしブランドの再構築、士気向上図る

竹田陽介のポイント解説―❶ 「医療人としての姿」が伝わる内容に

第2章 マーケティング戦略の立案を誤るな

1 医療の「外の世界」に学べ!

2 様々な制約がある中で何をすべきか

3 「自院を知る」ことの大切さ

4 競合医療機関の実力を知るには

5 自院の口コミ評価にどう対処?

6 「費用対効果は?」と聞かれたら

7 押さえておきたい3 つのポイント

第3章 捨てられない広報誌を作る

1 医療機関の残念な広報制作物

2 「どうせ捨てられる」からのスタート

3 心に残る誌面を作る

4 ターゲットに確実に届けるには

5 病院案内冊子は本当に必要?

竹田陽介のポイント解説―❷ 医師の「やる気スイッチ」を入れる方法

第4章 SNSはここまで活用できる!

1 「Facebook は効果が薄い」とあきらめる前に

2 LINE は「口コミ発生装置」として

3 YouTube で医師の顔を売る

4 ホームページのフォトギャラリーとしてのInstagram

竹田陽介のポイント解説―❸ 各SNSの向き不向きを踏まえた使い分けを

第5章 健康講座のマンネリ化を防ぐには

1 市民公開講座の参加者を増やす一工夫

2 病院のイメージを変えた出張講座

3 コロナ禍でのオンライン開催

Inside /Outside Interview 02 受診のハードル下げる出張講座新たな取り組みには牽引役が必要

第6章 連携施設との関係強化・医師採用の工夫

1 セミナー参加者はこうして増やす

2 懇親会は演出で差別化

3 連携施設の満足度を高める訪問営業

4 その年賀状、埋もれていませんか?

5 突出した科がない病院にお薦めの「キャンペーン」

6 ホームページ頼みの医師採用の限界

Inside /Outside Interview 03 病院に愛着持つ医師を巻き込む事務方の協力で効率・効果アップ

竹田陽介のポイント解説―❹ 「血の通ったコミュニケーション機会」を増やす

第7章 メディア・企業との連携で「地域の仲間」を増やせ!

1 「○○周年企画」はコラボの好機

2 商店街とのコラボで認知度アップも

3 スポーツクラブとのコラボはwin-win-win

4 メディアリレーションと「サブちゃん」

Inside /Outside Interview 04 スポンサーだけではないコラボの形社会連携活動の一環として継続

第8章 成果を生み出す人材と組織

1 コミュニケーションを統括する組織づくり

2 これからの病院事務職員に求められるもの

第9章 診療所の広報・マーケティング

1 シェア拡大、診療圏拡大を目指す

2 SEO 対策はどこまで必要?

3 効率良くターゲットに届く「ジオマーケティング」

4 リスティング広告はやり方次第で高い効果

5 外部委託で「投げっぱなし」は禁物

V 字回復を果たした小倉記念病院

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  • Appleロゴは、Apple Inc.の商標です。
  • Androidロゴは Google LLC の商標です。

書籍情報

  • ISBN:9784296111084
  • ページ数:264頁
  • 書籍発行日:2021年11月
  • 電子版発売日:2021年12月3日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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