臨牀消化器内科 2022 Vol.37 No.1 Cold polypectomyの課題

  • ページ数 : 124頁
  • 書籍発行日 : 2021年12月
  • 電子版発売日 : 2021年12月24日
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内容

特集「Cold polypectomyの課題」

本特集では十二指腸,小腸,大腸病変に対するcold polypectomy の適応,手技,問題点などについて解説される予定であるが,症例提示したような病変に対してcold polypectomy ではなくEMR を行うような診断・治療のアルゴリズムまでご教授いただければ…と期待している.(巻頭言より抜粋)【この件は,本誌への宿題とさせていただき,後の号で掲載させていただきます】

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序文

巻頭言


現在本邦においてcold polypectomyに関するガイドラインが存在する臓器は大腸のみである.大腸においては ①安全性,②簡便性,③経済性などの観点からcold polypectomyの有用性が認められ,ⅰ)切除断端,とくに下方(筋板を含めた粘膜全層切除や粘膜下層までの切除)における不完全切除の可能性,ⅱ)burneffectがないための腫瘍遺残の可能性,などに疑問を残しながらも一般病院でも盛んに行われるようになってきている.一方,腸壁の薄さや胆汁・膵液のため通電を伴う内視鏡切除を行うと大腸よりも穿孔の可能性の高い十二指腸や小腸領域においても,その有用性の検討が試されるようになってきている.

日本消化器内視鏡学会作成の「大腸cold polypectomyガイドライン」1)では ①病変の完全切除の観点から,腺腫と術前診断された10mm未満の病変に限定することが推奨される,②偶発症は,通電を伴う内視鏡切除と比較して後出血は少なく,穿孔はほとんどない可能性がある,③抗血栓薬内服患者における後出血リスクは通電を伴う内視鏡切除より低い可能性がある,④通電を伴う内視鏡切除と比べ病変の組織学的質的診断は同等もしくは優れていると考えられるが,断端診断は劣ることが多い,⑤深部断端陽性や深達度などの詳細な病理組織学的因子が判定不能の場合は早期に大腸内視鏡を再検し,必要に応じて追加内視鏡切除あるいは追加外科切除を考慮すべきである,⑥‒1 cold snare polypectomy(CSP)後の局所遺残割合はhot snare polypectomy(HSP)とほぼ同等である,⑥‒2 CSP後の局所遺残割合はEMRより高い可能性があるが,現時点では明らかでない,とされている.やはりガイドラインでも下方(筋板を含めた粘膜全層切除や粘膜下層までの切除)における完全切除の可能性には問題を感じているようである.

明らかな根拠はなかったがCSPを行わずEMRを施行して事なきを得た大腸ポリープ症例を提示する.S状結腸に存在した径6 mmのポリープである.内視鏡的には通常白色光観察,NBI併用拡大観察では癌を疑う所見は認めず内視鏡的には腺腫と診断しEMRを施行した.病理結果は深達度M(MM,粘膜筋板)の腺腫内癌でLy1,V0であった.この病変に対してCSPを施行していたらLy(+)部がきれいに採取できていなかった可能性があり,CSPは慎重に病変を選んで行うべきであることを思い知らされた次第である.

本特集では十二指腸,小腸,大腸病変に対するcold polypectomyの適応,手技,問題点などについて解説される予定であるが,症例提示したような病変に対してcold polypectomyではなくEMRを行うような診断・治療のアルゴリズムまでご教授いただければ…と期待している.


鶴田 修


[文献]

1) 浦岡俊夫,滝沢耕平,田中信治,他:大腸cold polypectomy ガイドライン(大腸ESD/EMR ガイドライン追補).Gastroenterol. Endosc. 63;1149‒1158,2021

目次

特集目次:Cold polypectomyの課題

巻頭言/鶴田  修

1.ポリープ切除におけるcold polypectomyの位置づけ/浦岡 俊夫 他

2.十二指腸におけるcold polypectomy

(1)表在 性非乳頭部十二指腸上皮性腫瘍に対するcold snare polypectomy./吉水 祥一 他

(2)十二指腸腫瘍に対する coldと hot polypectomyのメリット,デメリット/諏訪 哲也,吉田 将雄 他

3.大腸におけるcold polypectomy

(1)微小病変の内視鏡診断-とくに微小癌の診断/河野 弘志 他

(2)病理 医からみた Resect and Discardに対する見解/河内 洋

(3)Cold polypectomyにおける処置具の使い分け/朝山直樹,永田 信二 他

(4)抗血 栓薬・抗凝固薬服用下における cold polypectomy/堀内 朗 他

(5)Cold polypectomyと hot polypectomyの偶発症の比較/山階 武

(6)10 mm以上のポリープに対するcold snare polypectomyの課題と今後の展望/木本 義明,大圃 研

(7)Un derwater cold polypectomyの有用性と課題/丸岡 大介 他

(8)Cold polypectomy後の遺残・再発への対応/鈴木 翔 他

(9)Cold snare polypectomy後のサーベイランス/魚住 健志,松田 尚久 他

4.症例からみえた課題

(1)小腸ポリープに対する cold polypectomy/山村 健史 他

(2)憩室内病変に対する cold polypectomy/柳澤 文人 他

(3)Ⅰp型ポリープに対する cold polypectomy/有本 純 他

(4)家族 性大腸腺腫症の腸管温存に対するcold snare polypectomyの治療戦略/安江 千尋 他

(5)Cold polypectomy後に癌であった場合の対応/田邊 万葉,浦上 尚之 他

連載

・内視鏡の読み方

潰瘍所見を伴った早期胃癌の術前診断/角嶋 直美 他

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書籍情報

  • ISBN:9784004003701
  • ページ数:124頁
  • 書籍発行日:2021年12月
  • 電子版発売日:2021年12月24日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
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