実践! 高齢者に対する消化器外科のminimal requirements

  • ページ数 : 216頁
  • 書籍発行日 : 2022年2月
  • 電子版発売日 : 2022年2月20日
¥7,150(税込)
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商品情報

内容

知っておきたい周術期の管理

高齢消化器患者の周術期管理,術後リハビリテーションを一冊で網羅。
術前管理では高齢者に対する消化器外科手術の耐術性の評価や適応,術後合併症の発生予測因子,術式選択や工夫など,術後管理では術後せん妄や認知症などの術後ケア,画一的な成人の評価・治療とは異なる個々に応じた手術や周術期ケアに関して解説し,周術期のケアとして栄養管理やリハビリ,さらには高齢者の術後に発生しやすい合併症の予防・対策など,高齢者特有のケアについても解説。全項にセルフチェックできる「実例問題」と「習得すべきminimal requirements」を掲載。
消化器外科医に限らず,多くの外科医にとって必携の一冊。

あわせて読む → 「minimal requirements」シリーズ

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序文


「高齢者に対する外科診療は難しい!」と多くの外科医が感じている。高齢者の特徴として,患者個人個人により臓器機能や手術侵襲に対する生体反応が異なるため的確な耐術能評価が困難であること,多くの既往歴や投薬歴があること,術後の回復に時間がかかることなどがあげられる。そのため,予想もしない術後合併症の発生や集中治療を要する場合がある。このように,臨床現場で苦労している外科医が多いためか,これまで様々な観点から多くの評価法が開発されてきた。しかしながら,それぞれの評価法には長所と短所があり,使い分けることが求められ,複雑である。「高齢患者に対する適応や術式を判断してくれる人工知能(AI)でもあればいいのに!」と考えてさえしまう。

一方,2000年以降,消化器に関する多くのガイドラインが出版されてきた。ガイドラインはエビデンスに基づいたものであるが,その多くのエビデンスは70歳以下の患者を対象にしたものが多いことから,これらのエビデンスが高齢患者に当てはまるかを疑問視する外科医も多い。今や,消化器外科分野の患者の約70 % が高齢者であるという時代である。そのため,現在,高齢者に対する外科治療のガイドラインの作成が検討され始めている。

いずれにしても,我々外科医は,外科侵襲に対する高齢患者の生体反応や高齢者特有の周術期管理についてもっと勉強しなければならないということは確かなようである。最近出版された日本の外科の教科書を開いてみると,「高齢者に対する外科診療」の項目はあるものの,欧米の教科書に比べて紙面が少なく,実践的な内容が少ない。高齢患者に対する手術適応の決定や術式選択の際に,高齢者特有の臓器機能や耐術性の評価,周術期ケア,薬物の使用法,社会復帰するためのリハビリテーションなど,手術チームで見識を高める必要がある。

本書「実践! 高齢者に対する消化器外科のminimal requirements」は,消化器外科チームの外科医や多職種の方々が系統的に高齢者外科診療に必要な知識とスキルを習得するために編纂した。そのため,消化器外科医のみならず,高齢者に対する消化器診療に詳しい先生方にご執筆をお願いし,消化器外科チームメンバーが習得すべきminimal requirements としてまとめた。本書が,多くの消化器外科医や多職種の方々にお役に立てれば幸いである。

最後に,本書の趣旨をご理解いただき,お忙しい中,執筆していただいた多くの先生方に心から感謝申し上げます。また,事務業務を行ってくださった教室秘書の福田裕美さんにも心から感謝いたします。本書の作成にご理解をいただき,本書を出版していただいたメジカルビュー社編集部の宮澤進氏,小澤祥子氏に心から感謝申し上げます。


令和4年1月

編者 白石 憲男
   上田 貴威

目次

Ⅰ. 総論

1. 高齢者に対する消化器外科の現状について説明できる!

高齢者に対する消化器外科の現状と課題  [上田貴威〕

2. 高齢者の消化器の生理と病理について説明できる!

知っておきたい高齢者に特徴的な消化器の生理と病理  [長尾哲彦〕

3. 高齢消化器患者の術前評価を実践できる!

高齢消化器患者のADLや栄養の評価を実践できる  [田中肖吾, 久保正二〕

高齢消化器患者の耐術性に関する全身・臓器機能評価を実践できる-E-PASS, APACHEⅢなど-  [斎藤拓朗〕

高齢消化器患者の耐術性に関する全身・臓器機能評価を実践できる-手術侵襲と患者因子(BMIやサルコぺニア)の評価など-  [川﨑貴秀〕

高齢消化器患者の耐術性に関する全身・臓器機能評価を実践できる-術後せん妄リスク評価,認知症の評価-  [山下 裕, 田平一行〕

4. 高齢消化器患者に対する周術期ケアと合併症対策が実践できる!

高齢消化器患者に対するERAS®を実践できる  [今本治彦〕

高齢消化器患者に対する周術期の栄養管理を実践できる  [古川勝規, 大塚将之〕

高齢消化器患者に対する周術期リハビリテーションを実践できる  [中田秀一〕

高齢消化器患者の全身性術後合併症の予防と対策を実践できる:①肺炎  [加藤哲朗, 小出史彦〕

高齢消化器患者の全身性術後合併症の予防と対策を実践できる:②循環不全(心不全,腎不全)  [合川公康, 岡本光順〕

高齢消化器患者の全身性術後合併症の予防と対策を実践できる:③せん妄  [板津慶太, 加藤貴代〕

Ⅱ. 各論

1. 高齢者に高頻度に生じる良性救急疾患に対する安全な手術を実践できる!

高齢者の急性胆嚢炎に対する手術と周術期の工夫  [馬場誠朗, 佐々木 章〕

高齢者の鼠径ヘルニア(陥頓も含む)に対する手術と周術期の工夫  [田中 穣〕

高齢者の消化管穿孔による腹膜炎に対する手術と周術期の工夫  [金澤伸郎〕

2. 高齢者に高頻度に生じる悪性疾患に対する安全な手術を実践できる!

高齢者の胃癌に対する手術と周術期の工夫  [首藤潔彦, 幸田圭史, 山崎将人, 小杉千弘〕

高齢者の大腸癌に対する手術と周術期の工夫  [石引佳郎, 福永正氣〕

高齢者の肝臓領域の癌に対する手術と周術期の工夫  [根本 慧, 脊山泰治〕

高齢者の膵臓・胆道領域の癌に対する手術と周術期の工夫  [山本智久, 里井壯平〕

習 得すべきminimal requirements

3. 高齢者に使用頻度の高い薬物に対する周術期対応を実践できる!

消化器外科手術の周術期に使用する注意すべき薬物と管理の工夫  [平田一耕, 舟越亮寛〕

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書籍情報

  • ISBN:9784758315470
  • ページ数:216頁
  • 書籍発行日:2022年2月
  • 電子版発売日:2022年2月20日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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