- m3.com 電子書籍
- 中山書店
- めまい診療ハンドブック 最新の検査・鑑別診断と治療 <プラクティス耳鼻咽喉科の臨床 4>
商品情報
内容
本書では,めまい診療の最近の進歩を第一人者の執筆により網羅し,臨床の最前線で活躍する耳鼻咽喉科専門医だけでなく、専門医を目指す専攻医にも手元に置いてすぐに参考になるハンドブックとなっている.
※本製品はPCでの閲覧も可能です。
製品のご購入後、「購入済ライセンス一覧」より、オンライン環境で閲覧可能なPDF版をご覧いただけます。詳細はこちらでご確認ください。
推奨ブラウザ: Firefox 最新版 / Google Chrome 最新版 / Safari 最新版
序文
序文
めまいは,様々な疾患により生じる空間識の異常で発症します.急性期のめまいは,日本めまい平衡医学会の「急性めまいの診療フローチャート」基づき,まず危険なめまいを鑑別する必要があります.その後,フローチャートに沿って診断を進めながら,めまいや悪心・嘔吐などの症状に対する治療を行います.
めまいには,繰り返すめまい,単発性めまい,持続性めまいがあります.繰り返すめまいでは,良性発作性頭位めまい症,メニエール病,遅発性内リンパ水腫,前庭性片頭痛,前庭性発作症などを鑑別します.単発性めまいでは,前庭神経炎,めまいを伴う突発性難聴,ハント症候群などを鑑別します.持続性めまいでは,両側前庭機能障害,一側前庭障害の代償不全,持続性知覚性姿勢誘発めまい(PPPD),心因性めまい,加齢性前庭障害などを鑑別します.これ以外にも,原因既知のめまいとして,中枢性めまい,脳血管障害によるめまい,循環障害によるめまい,外リンパ瘻によるめまい,上半規管裂隙症候群,中耳炎や薬物によるめまいを鑑別する必要があります.
診断は診断基準に基づいて行います.日本めまい平衡医学会は,2017年にめまいの診断基準化のための資料を改訂しました.平衡機能検査では,vHITとVEMP(前庭誘発筋電位)により,3つの半規管と2つの耳石器の機能を別々に評価することが可能となりました.赤外線CCDカメラを用いた眼振検査により,眼振の検出感度が非常に向上し,特に良性発作性頭位めまい症の診断と罹患半規管,患側,半規管結石かクプラ結石かの評価が可能になりました.また,内耳造影MRIにより,内リンパ水腫画像検査ができるようになり,メニエール病を画像検査で診断できるようになってきました.めまいに対する治療はエビデンスに基づいて行う必要があります.難治性メニエール病に対する中耳加圧治療が保険収載され,広く用いられるようになってきました.日本独自の無侵襲中耳加圧装置は,日本めまい平衡医学会の適正使用指針に基づいて使用する必要があります.難治性平衡障害に対しては,前庭リハビリテーションが有効です.日本めまい平衡医学会は,平衡訓練/前庭リハビリテーションの基準を2021年に改定しました.
また小児のめまいは,成人のめまいとは疾患構成が異なっていることから,診断や治療に注意が必要です.
本書にはこのようなめまい診療の最近の進歩を網羅しており,臨床の最前線で活躍しておられる耳鼻咽喉科専門医の先生だけでなく,専門医を目指す専攻医の先生にも,手元に置いてすぐに参考にしていただけるものと思います.本書がめまい診療の現場で活用され,めまい患者さんの診断と治療に役立つことを願っています.
2022年4月
徳島大学耳鼻咽喉科学
専門編集武田憲昭
目次
1章 急性期のめまい
めまいと空間識異常 (堀井 新)
急性期めまいの診療フローチャート (宇野敦彦)
救急外来での危険なめまいの鑑別診断 (内藤 泰)
急性期のめまい治療 (関根和教)
2章 めまいの鑑別診断
繰り返すめまいの鑑別診断 (佐藤 豪)
単発性めまいの鑑別診断 (扇田秀章)
持続性めまいの鑑別診断 (堀井 新)
小児のめまいの鑑別診断 (池田卓生)
Advice めまい疾患の診断における問題点 (武田憲昭)
Advice 所見のないめまいに対する対応 (武田憲昭)
3章 繰り返すめまいの診断と治療
良性発作性頭位めまい症の診断と治療
後半規管型BPPVの診断と治療 (大塚康司)
外側半規管型BPPVの診断と治療 (小川恭生)
BPPV非定型例の診断と治療 (今井貴夫)
BPPVの予防 (重野浩一郎)
メニエール病の診断と治療
メニエール病確実例の診断と治療 (北原 糺)
Topics 内リンパ水腫のモデル動物 (柿木章伸)
メニエール病非定型例(蝸牛型)と急性低音障害型感音難聴の鑑別診断と治療 (松田和徳)
メニエール病非定型例(前庭型)の診断と治療 (將積日出夫)
Topics 内リンパ水腫画像検査からみたメニエール病の病態 (福嶋宗久)
Topics レルモワイエ症候群 (武田憲昭)
その他の繰り返すめまいの診断と治療
遅発性内リンパ水腫の診断と治療 (瀬尾 徹)
Topics 遅発性内リンパ水腫対側型 (武田憲昭)
前庭性片頭痛の診断と治療 (室伏利久)
前庭性発作症の診断と治療 (武井泰彦)
4章 単発性めまいの診断と治療
前庭神経炎の診断と治療 (菅原一真,山下裕司)
めまいを伴う突発性難聴とハント症候群のめまいの診断と治療 (稲垣太郎)
5章 持続性めまいの診断と治療
両側前庭機能障害の診断と治療 (岩﨑真一)
Topics 人工前庭 (岩﨑真一)
一側前庭障害後の前庭代償不全 (松田和徳)
持続性知覚性姿勢誘発めまいの診断と治療 (堀井 新)
心因性めまい (五島史行)
加齢性前庭障害 (藤本千里)
6章 原因既知のめまい
中枢性めまいの診断 (角南貴司子)
脳血管障害によるめまいの診断 (城倉 健)
Advice 頸性めまい診断の注意点 (佐藤 豪)
循環障害によるめまいの診断 (青木光広)
外リンパ瘻によるめまいの診断と治療 (池園哲郎,松田 帆)
上半規管裂隙症候群,中耳炎,真珠腫性中耳炎,薬物によるめまいの診断と治療 (鈴木光也)
難聴遺伝子とめまい (野口佳裕)
7章 めまいの検査
問診 (田浦晶子)
眼振検査 (堤 剛)
Advice 異常眼球運動とその病態 (角南貴司子)
ENG,VOGと眼球運動主軸解析 (今井貴夫)
カロリックテストとビデオヘッドインパルス(vHIT)検査 (新藤 晋)
VEMP検査 (坪田雅仁)
回転検査 (船曳和雄)
体平衡検査と重心動揺検査 (藤本千里)
自覚的視性垂直位(SVV)検査 (和田佳郎)
内リンパ水腫推定検査 (藤坂実千郎)
内リンパ水腫画像検査 (曾根三千彦)
Topics 大学病院での短期入院によるめまい検査 (伊藤妙子)
めまい診療における画像検査 (日高浩史,杉田侑己)
8章 めまいの治療
めまいの薬物治療 (野村泰之)
Topics メニエール病に対する中耳加圧療法 (將積日出夫)
めまいの外科治療 (土井勝美)
前庭リハビリテーション/平衡訓練-メカニズム (伏木宏彰)
前庭リハビリテーション/平衡訓練-訓練の実際 (山中敏彰)
Topics デバイスによる感覚代行を用いた平衡訓練 (福田潤弥)
めまい治療のエビデンス (橋本 誠,山下裕司)
動揺病の治療 (和田佳郎)
高齢者のめまいへの対策 (肥塚 泉)
Topics スポーツとバランス (大谷真喜子)
Appendix 主なめまいの診断基準
1 メニエール病の診断基準
メニエール病
メニエール病非定型例(蝸牛型)
メニエール病非定型例(前庭型)
2 遅発性内リンパ水腫の診断基準
3 良性発作性頭位めまい症の診断基準
後半規管型良性発作性頭位めまい症(半規管結石症)
外側半規管型良性発作性頭位めまい症(半規管結石症)
外側半規管型良性発作性頭位めまい症(クプラ結石症)
4 前庭神経炎の診断基準
5 両側前庭機能障害の診断基準
6 前庭性片頭痛の診断基準
7 持続性知覚性姿勢誘発めまい(PPPD)の診断基準
8 前庭性発作症の診断基準
9 突発性難聴の診断基準
10 急性低音障害型感音難聴の診断基準
索引
便利機能
- 対応
- 一部対応
- 未対応
-
全文・
串刺検索 -
目次・
索引リンク - PCブラウザ閲覧
- メモ・付箋
-
PubMed
リンク - 動画再生
- 音声再生
- 今日の治療薬リンク
- イヤーノートリンク
-
南山堂医学
大辞典
リンク
- 対応
- 一部対応
- 未対応
対応機種
-
iOS 最新バージョンのOSをご利用ください
外部メモリ:29.2MB以上(インストール時:131.7MB以上)
ダウンロード時に必要なメモリ:116.8MB以上
-
AndroidOS 最新バージョンのOSをご利用ください
外部メモリ:29.2MB以上(インストール時:131.7MB以上)
ダウンロード時に必要なメモリ:116.8MB以上
- コンテンツのインストールにあたり、無線LANへの接続環境が必要です(3G回線によるインストールも可能ですが、データ量の多い通信のため、通信料が高額となりますので、無線LANを推奨しております)。
- コンテンツの使用にあたり、m3.com電子書籍アプリが必要です。 導入方法の詳細はこちら
- Appleロゴは、Apple Inc.の商標です。
- Androidロゴは Google LLC の商標です。
書籍情報
- ISBN:9784521749563
- ページ数:388頁
- 書籍発行日:2022年5月
- 電子版発売日:2022年5月19日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
お客様の声
まだ投稿されていません
特記事項
※ご入金確認後、メールにてご案内するダウンロード方法によりダウンロードしていただくとご使用いただけます。
※コンテンツの使用にあたり、m3.com 電子書籍が必要です。
※eBook版は、書籍の体裁そのままで表示しますので、ディスプレイサイズが7インチ以上の端末でのご使用を推奨します。