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- ICUとCCU 2022年2月号(Vol.46 No.2)【特集】ICUにおける緩和ケア
商品情報
内容
集中治療と緩和ケア 総論/ICU における緩和ケア~理論と技術~/ICU における急性重症病態患者と緩和ケア ほか
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序文
特集にあたって
緩和ケアは,末期がん患者に対するエンド・オブ・ライフケア(EOLC)として始まり,わが国では長い間がん患者以外の保険診療が認められなかったこともあり,非がん患者への緩和ケアは非常に遅れている。2002年,WHOは緩和ケアの定義を,“生命を脅かす疾患に起因した諸問題に直面している患者と家族のクオリティ・オブ・ライフを改善するアプローチであり,痛み,その他の身体的,心理社会的,スピリチュアルな諸問題の早期かつ確実な診断,早期治療によって苦しみを予防し,苦しみからの開放を実現すること。”と変更し,緩和ケアは死に逝くものだけのEOLCに留まらず,生命を脅かす病態(life-threateningcondition)に直面しているすべての患者や家族のさまざまな苦痛を緩やかに和らげるものへと進化してきている。
私は,長い間,集中治療に従事してきたが,集中治療は侵襲的であるという言葉に抵抗を感じていた。ある事前指示書の1つに,苦痛緩和を優先とする医療処置,非侵襲的医療処置,侵襲的治療を含む医療処置の3つを選ばせるものがある。あたかも気管挿管や人工呼吸などは緩和ケアを無視した辛い治療のような印象を与える。それは,患者の生への希望を損なう危険性がある。
患者が自分の人生を全うしたいと願い,医療者もそれが不可能ではないと判断するとき,ICUにおける治療が必要になる。ICUでは多くの患者がlife-threatening conditionであり,救命のために行われる生命維持治療は確かに侵襲的であることが多い。ICUに入室する患者は,大手術の術後や救命救急患者のような急性期病態の患者もいれば,COPDや心不全,また,フレイルとなった高齢者のような慢性進行性病態を有する患者もいる。さらに,ICUには小児の重症患者も入室する。これらの患者の多くは回復しICUを退室していくが,その間に,侵襲的な治療と並行して緩和ケアをしていかなければならない。ICUで治療を受ける患者および家族の緩和ケアには,身体的,精神・心理的,社会経済的,スピリチュアルなケアなどが必要となる。また,治療の結果として死や終末期に到りEOLCを必要とする患者もいる。終末期にしても3学会のガイドライン1)をよく読んでいただくとわかるように,例であげた4つの病態だけを終末期の状況としているのではなく,さまざまなものがあり,終末期であること,終末期の状況であることを治療やケアにあたってきた医療者がチームとして責任を持って判断していくものである。また,EOLCではグリーフケアを必要とする家族もいて,このようにICUにおける緩和ケアは一様ではない。
残念ながら,わが国ではICUでの緩和ケアに関与する緩和ケア専門医は非常に少なく,ICU治療の質を上げるためには,ICUで患者管理にあたる医療者が集中治療と同様に緩和ケアの知識や技術の修得を心がけなければならない。そのためには,緩和ケアの専門家との協働も必要であるし,“自分たちがやらなければならない,それも含めて集中治療である”と自覚しなければならない。本特集は,いまだほとんど実施されていないICUにおける緩和ケアを考え,その方向性を検討する特集である。
氏家 良人
函館市事業管理者病院局長
【文献】
1) 救急・集中治療における終末期医療に関するガイドライン~3 学会からの提言~.https://www.jsicm.org/pdf/1guidelines1410.pdf
目次
【特集】[ICUにおける緩和ケア]
特集にあたって 氏家 良人
集中治療と緩和ケア 総論 木澤 義之
ICUにおける緩和ケア~理論と技術~ 関根 龍一
ICUにおける急性重症病態患者と緩和ケア 塩田 修玄
ICUにおける慢性進行性病態患者と緩和ケア 大石 醒悟
ICUにおける小児患者と緩和ケア 多田羅竜平
ICUにおける終末期と緩和ケア 大友千夏子
ICUで死亡された患者の家族に対する緩和ケア 立野 淳子
【症例】
開放骨折受傷を契機に重度低酸素血症と脳脂肪塞栓症を同時に発症した肺動静脈奇形の1例
古曽部和彦・谷 美里・野島 宏悦・杉本健太郎
小坂 誠・小澤満喜子・岡 雅行・岩倉 健夫
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書籍情報
- ISBN:9784865174663
- ページ数:62頁
- 書籍発行日:2022年2月
- 電子版発売日:2022年5月27日
- 判:A4判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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