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- ICUとCCU 2021年5月号(Vol.45 No.5)【特集】冠動脈疾患患者における抗血栓療法の現状と課題
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内容
抗血栓療法における血小板・凝固因子の役割/抗血栓療法時の検査法の意義/周術期における抗血栓療法〜ヘパリンブリッジは必要か?〜 ほか
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序文
特集にあたって
木村 一雄
近年,高齢化やライフスタイルの欧米化により冠動脈疾患を有する患者数は増加傾向にある。冠動脈疾患は心外膜血管の冠動脈硬化が主な原因とされ,薬物療法を基本に冠動脈ステント植え込み術や冠動脈バイパス手術(CABG)などの冠血行再建術が行われることが多い。また,冠動脈疾患患者では心房細動を10 〜15%の比率で合併するとされており,病態に応じた抗血小板薬や抗凝固薬を用いた抗血栓療法を行うことになる。抗血栓療法を行う際には投与薬剤の選択のみならず,その投与期間も重要である。J-MINUET 研究では心筋梗塞発症後6 ~ 12 ヵ月間は非責任病変による血管イベント発生リスクが高いことが明らかとなり,この点に対する積極的な治療の意義を報告している。また,非心臓手術を受ける冠動脈疾患患者も少なくないが周術期における抗血栓薬の休止や再開時期なども症例に応じて異なる。これまで抗血栓療法として慣習的に行われることの多かったヘパリンブリッジ(代替療法)の有効性は最近のエビデンスからは否定的となった。近年,新たな抗血小板薬としてP2Y12 受容体阻害薬,抗凝固薬では直接的経口抗凝固薬(direct oral anticoagulants:DOAC)が広く用いられている。
しかしステント血栓症など虚血イベント発症リスクを軽減する目的でこれらの強力な薬剤を使用する際には出血リスクを考慮した治療が重要である。出血イベントは虚血イベントと比べ予後がより不良であることが多数例での検討で明らかにされており,この点を踏まえた抗血栓療法の薬剤,投与量,投与期間の選択が望まれる。最近,学術研究コンソシアムがARC-HBR(high bleeding risk)PCI 後1 年でBARK の基準3 または5 の出血が4%以上,または脳出血出現率1%以上という出血リスクの高い国際基準を提唱した。一方,日本循環器学会ガイドラインに記載された日本人版HBRでは,本邦でのPCI 例の大多数がHBR であるとされた。また,日本人を含むアジア人では「EastAsian Paradox」といわれ虚血イベントよりも出血性イベントリスクが高く,本邦の代表的なPROSFIT-ACS 試験でのP2Y12 受容体阻害薬としてのプラスグレルは負荷投与量,維持量ともに欧米の1/3 量で日本人で虚血イベントは少ない傾向で出血性合併症に差はなく,欧米の結果を参考にする場合には常に種差の違いを念頭に置くことが必要である。このため抗血栓療法時に簡便なモニタリングツールがあれば有用である。T-TAS(TotalThrombus-formation Analysis System)をはじめ現時点では臨床現場でルーチンに適用できるものではなく,患者の特性を評価しつつ薬物療法を決定する必要がある,最後に本邦からN Engl JMed に掲載された心房細動を合併した冠動脈疾患において1 年後にリバロキサバン単独投与した群では抗血小板薬(アスピリン70%)の併用例と比べ出血性合併症は少なく,さらに虚血性イベントもむしろ統計上非劣性であるがむしろ少なく「Less is More」というパラダイムシフトを提唱した。このように冠動脈疾患での抗血栓療法は画一したものではなく,ホメオスタシスなどが複雑に関与し生じていると考え,今後のさらなる検討が求められる。
横浜市立大学附属市民総合医療センター心臓血管センター(〒232-0024 横浜市南区浦舟町4-57)
ICU とCCU 45(5):265,2021
目次
特集 冠動脈疾患患者における抗血栓療法の現状と課題
特集にあたって 木村 一雄
抗血栓療法における血小板・凝固因子の役割 後藤 信哉
抗血栓療法時の検査法の意義 海北 幸一・辻田 賢一
周術期における抗血栓療法〜ヘパリンブリッジは必要か?〜 大塚 文之
急性冠症候群における抗血栓療法の意義 石原 正治
冠インターベンション施行例における出血高リスク患者の特徴とその対応 石井 秀樹
心房細動を合併した冠動脈疾患患者における抗血栓療法〜“Less is more”レジメンへのパラダイムシフト〜 白戸 崇・安田 聡
症例
選択的血漿分離と免疫吸着法によりIgGを除去した重症筋無力症クリーゼの1例 内山 壮太・伊藤 貴志・樋上 拓哉・見須 有祐・村山 誠弥・原 嘉孝・栗山 直英・西田 修
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書籍情報
- ISBN:9784865174199
- ページ数:56頁
- 書籍発行日:2021年5月
- 電子版発売日:2022年6月17日
- 判:A4判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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