たんぽぽ先生の在宅報酬算定マニュアル 第7版

  • ページ数 : 272頁
  • 書籍発行日 : 2022年6月
  • 電子版発売日 : 2022年7月6日
¥3,960(税込)
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商品情報

内容

「たんぽぽ先生の在宅報酬算定マニュアル」の改訂版。
2022年度改定を網羅し、報酬算定ルールが一目で分かるチャート図を充実!


在宅医療専門診療所のパイオニア的存在である永井康徳氏が、在宅医療の報酬算定ルールを分かりやすく整理して解説、2012年8月に発売し、好評を博した書籍の改訂版(第7版)。永井氏が理事長を務める医療法人ゆうの森が年1回主催し、2000人超が参加する「全国在宅医療テスト」の公式テキストにもなっている。

診療報酬、介護報酬、訪問看護療養費の各制度にまたがる複雑な報酬算定の仕組みを、豊富な図表やイラストを使って分かりやすく解説しており、在宅医療に携わる医師や看護師、ケアマネジャーや医療事務にとっては必読の書といえる。在宅医療の現場に即して必要なところから読み進められるよう、各項目をコンパクトに集約した。

第7版では、煩雑な報酬算定ルールや算定の流れが一目で分かるよう、算定までのプロセスをフローチャートで示すなど、実務に即したチャート図を大幅に加筆。診療報酬算定時につまずきやすいポイントをフルカラーで見やすくまとめた。

2022年4月の診療報酬改訂にも完全対応。改定で見直された点数、新設された各種加算の要件を紹介する。2022年4月の改定で整理された在宅医療におけるオンライン診療に対する報酬についても詳しく解説。診療現場での活用方法などについても言及する。

※本製品はPCでの閲覧も可能です。
製品のご購入後、「購入済ライセンス一覧」より、オンライン環境で閲覧可能なPDF版をご覧いただけます。詳細はこちらでご確認ください。
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序文

はじめに


介護保険制度が始まった2000年、私は愛媛県松山市で、在宅医療に特化したたんぽぽクリニックを開業しました。開業当初は「医師が家に来てくれるだけでありがたい」と患者さんやご家族に言われたものでしたが、今では当地域でも在宅医療を行う医療機関が増え、患者さんから「医師が家に訪問して、何をしてくれるのですか」と問われる時代になりました。ただ在宅医療を提供するだけではなく、その質が問われるようになったのです。

私の開業した頃は、病院での看取り率が8割を上回る時代であり、在宅医療も多くの人にとって身近なものではありませんでした。ですがこの20年間、国が国策として在宅医療を推進してきたことで、在宅医療を実施する医療機関の数は大幅に増加しました。患者さんやご家族に与えられた医療機関の選択肢の幅は広がり、自宅での看取り数も少しずつ増えていきました。しかし、そうした流れにもかかわらず現在の病院での看取り率は、いまだに多くの地域で7割を超えています。在宅医療はずっと発展してきたというのに、なぜこのような状況なのでしょうか? 私はその理由の1つに、医療関係者も住民も、「死」に向き合い切れていないことがあるのではないかと考えます。これから日本が直面する「多死社会」が意味するもの、それは医療だけではどうにも解決できない「寿命」の問題です。寿命がある以上、医学がどんなに発達しても治せないものがあります。多死社会で求められる医療とは、「人は必ず死ぬ」ということを念頭に置いて、老いや死に向き合っていける医療なのではないでしょうか。

多死社会に向けて在宅医療の役割がますます大きくなる中、その普及を阻害する大きな要因があります。在宅医療制度の複雑さです。日本ではこれまで、外来医療と入院医療を主体として医療制度を設計してきました。そこに改定を重ねた結果、在宅医療制度は診療報酬と訪問看護療養費、介護報酬が複雑に絡み合う仕組みになってしまいました。例えば訪問看護を医療保険と介護保険のどちらから提供すべきか、医療・介護従事者ですら自信を持って答えられないこともしばしば見受けられます。制度を正しく理解していなければ、患者に適切な在宅医療を提供することができません。患者にとって、私たち専門職の無知は罪であるとさえ私は思っています。私たちはプロとして、在宅医療に関わる制度の知識をしっかり身につける必要があると考え、本書を2012年から発行して参りました。診療報酬改定の度に改訂を重ねて、おかげさまで第7版となりました。今回は2022年度診療報酬改定、2021年度介護報酬改定を踏まえ、巻頭カラーで重要な項目を分かりやすくチャートで解説しました。

本書が読者の皆様にとって、複雑な在宅医療制度を理解する糸口となり、理念を大切にしながら、新しい在宅医療の形をイメージしていくきっかけとなればと思います。皆さんの患者さん、利用者さんが満足のいく療養生活を送る助けになることができれば幸いです。どうぞ、ご活用ください。


2022年6月27日

医療法人ゆうの森 たんぽぽクリニック
永井 康徳

目次

OVERVIEW 在宅医療の質を高めるために

CLOSE UP 連携を評価し在宅医療の裾野を拡大 施設基準を見直し機能強化を目指す

CHECK 在宅医療で知っておきたいチェックポイント

CHECK1 往診と訪問診療の違いを押さえよう

CHECK2 在宅医療を手掛ける医療機関の類型を整理しよう

CHECK3 退院前後に算定できる在宅関連の報酬

CHECK4 在宅医療を手掛ける医療機関などが交付する 指示書・情報提供書関連の報酬

CHECK5 死亡診断書と死亡検案書、どちらを交付する?

CHECK6 特定保険医療材料の考え方

CHECK7 退院時共同指導と緊急カンファレンス

CHECK8 在宅医療におけるオンライン診療のポイント

CHECK9 人生会議と看取りに関する報酬

CHECK10 施設入居者への在宅医療の算定ルール

CHECK11 特別訪問看護指示書の作成におけるポイント

CHECK12 知っておきたい食支援

CHECK13 算定ルールの「原則」と「例外」

1章 在宅医療に関する制度の基礎知識

1-1 在宅医療を取り巻く制度と対象患者

1-2 在宅医療の「5つの呪文」

1-3 厚生労働大臣が定める疾病等(別表第7)

1-4 第2号被保険者が介護保険の給付対象となる特定疾病

1-5 厚生労働大臣が定める状態等(別表第8)

1-6 医療保険制度の仕組みと窓口負担

1-7 介護保険制度の仕組みと区分支給限度基準額

1-8 障害者総合支援法

1-9 高額療養費制度と自己負担限度額

1-10 主な公費負担医療制度

1-11 指定難病に関する医療費助成制度

1-12 身体障害者手帳の取得

1-13 小児在宅医療を行うときに知っておきたいこと

1-14 有床診療所に求められる役割と診療報酬上の評価

1-15 人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン

COLUMN 新しい医療のかたち

2章 在宅医療の診療報酬

2-1 在宅医療の診療報酬の基本構造

2-2 往診と訪問診療

2-3 往診料の算定で注意すべき点

2-4 在宅患者訪問診療料の算定で注意すべき点

2-5 同一建物居住者・同一患家についての留意事項

2-6 在宅医療を手掛ける診療所・病院

2-7 在宅療養実績加算、在宅緩和ケア充実診療所・病院加算

2-8 在宅時医学総合管理料と施設入居時等医学総合管理料

2-9 包括的支援加算、在宅療養移行加算

2-10 頻回訪問加算、在宅移行早期加算、処方箋を交付しない場合の加算

2-11 在総管・施設総管に含まれる費用

2-12 オンライン診療

2-13 外来在宅共同指導料

2-14 在宅がん医療総合診療料

2-15 在宅がん医療総合診療料算定の留意事項

2-16 自宅で看取りを行った場合の加算

2-17 在宅患者訪問褥瘡管理指導料

2-18 在宅療養指導管理料

2-19 在宅自己注射指導管理料

2-20 在宅悪性腫瘍等患者指導管理料、在宅悪性腫瘍患者共同指導管理料

2-21 在宅中心静脈栄養法指導管理料

2-22 在宅自己腹膜灌流指導管理料、在宅自己導尿指導管理料、在宅寝たきり患者処置指導管理料

2-23 在宅酸素療法指導管理料、在宅気管切開患者指導管理料

2-24 在宅人工呼吸指導管理料、在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料、在宅ハイフローセラピー指導管理料

2-25 在宅成分栄養経管栄養法、在宅小児経管栄養法、在宅半固形栄養経管栄養法指導管理料

2-26 在宅療養指導管理料と併算定できない処置、注射、指導管理料

2-27 在宅で使用できる特定保険医療材料

2-28 在宅で使用できる注射薬

2-29 在宅患者訪問点滴注射管理指導料

2-30 救急搬送診療料

2-31 退院時共同指導料、在宅患者連携指導料、在宅患者緊急時等カンファレンス料

2-32 訪問診療や訪問看護が同一日に重なる場合の対応

2-33 対診と他医療機関受診

2-34 主治医の指示書発行に対する報酬

2-35 訪問看護、訪問リハビリテーション指示書の要件

COLUMN 誰のための医療なのか?

3章 高齢者施設の入所者などへの在宅医療

3-1 高齢者施設・住宅の種類と医師や看護職員の配置、在宅関連報酬

3-2 特養、老健施設などの入所者への医療提供

3-3 有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅、グループホームの入居者への医療提供

3-4 ショートステイ、小規模多機能型居宅介護などの利用者への医療提供

COLUMN 意思決定支援はなぜ重要か?

4章 訪問看護ステーション・医療機関による訪問看護

4-1 訪問看護の保険制度上の位置付け

4-2 訪問看護は医療保険より介護保険からの給付が優先

4-3 訪問看護関連の報酬項目の対象疾患、状態

4-4 訪問看護事業所による訪問看護の診療報酬、介護報酬

4-5 機能強化型訪問看護管理療養費

4-6 訪問看護・指導体制充実加算

4-7 訪問看護の算定日数と提供時間

4-8 外泊時、退院前、退院日の訪問看護

4-9 難病等複数回訪問加算、長時間訪問看護(・指導)加算

4-10 複数名訪問看護(・指導)加算、複数名訪問加算

4-11 特別管理加算、在宅移行管理加算

4-12 在宅ターミナルケア加算、訪問看護ターミナルケア療養費、ターミナルケア加算

4-13 24時間対応体制加算、緊急時訪問看護加算、緊急訪問看護加算

4-14 在宅患者連携指導加算、在宅患者緊急時等カンファレンス加算

4-15 退院時共同指導加算

4-16 訪問看護情報提供療養費、専門的な訪問看護の評価

4-17 訪問看護における夜間・早朝、深夜の加算、乳幼児加算、サービス提供体制強化加算

4-18 看護体制強化加算、初回加算、看護・介護職員連携強化加算

4-19 訪問看護における点滴・注射、処置、検体採取の費用の請求

4-20 訪問診療や訪問看護が同一日・同一月に重なる場合

COLUMN 在宅専門クリニックが「 有床診療所」を作った理由

5章 訪問看護ステーション・医療機関によるリハビリテーション

5-1 訪問リハビリテーションの概要と対象者

5-2 訪問リハビリテーションの報酬体系

5-3 訪問リハビリテーションにおける各種加算

5-4 リハビリテーションマネジメント加算

5-5 訪問リハビリテーションの報酬の算定制限

5-6 訪問看護と訪問リハビリテーションの併算定

COLUMN ポジティヴヘルス~「健康」とは何か?~

6章 食支援、訪問薬剤管理指導などに対する報酬

6-1 歯科訪問診療に関する報酬と医科歯科連携

6-2 医科・歯科で算定できる在宅患者への摂食支援に対する報酬

6-3 管理栄養士による訪問栄養食事指導

6-4 薬剤師による訪問薬剤管理指導

6-5 居宅介護支援に対する報酬

6-6 介護保険における各職種の居宅療養管理指導

6-7 はり、きゅう、あん摩・マッサージ・指圧の療養費

6-8 介護職員による医行為

6-9 居宅での死亡診断の法的問題

COLUMN 「生きがい」づくりのお手伝い

参考資料

要支援・要介護者が療養する場所の種類ごとにまとめた診療報酬・訪問看護療養費の算定の可否

「難病の患者に対する医療等に関する法律」に基づき指定される指定難病338疾病(2021年11月時点)

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  • Androidロゴは Google LLC の商標です。

書籍情報

  • ISBN:9784296112449
  • ページ数:272頁
  • 書籍発行日:2022年6月
  • 電子版発売日:2022年7月6日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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特記事項

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