食物アレルギーのすべて 改訂第2版~基礎から臨床・社会的対応まで

  • ページ数 : 352頁
  • 書籍発行日 : 2022年6月
  • 電子版発売日 : 2022年7月29日
¥7,920(税込)
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商品情報

内容

2016年以来の改訂となる「食物アレルギー診療ガイドライン2021」に対応.ガイドラインの副読本としても役立つ1冊.本全体の構造や執筆者の多くは初版を踏襲し,この5年間の進歩を大いに取り入れて最新の情報にリニューアル.各アレルゲンの最新研究から臨床現場で求められる対応,患者が社会の中で直面する問題までを詳細に解説.食物アレルギーの確定診断に欠かせない「経口免疫療法」「食物経口負荷試験」についても解説している.

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序文

改訂第2版の序

本書の初版が2016年に発刊されて5年が経過しました.日本小児アレルギー学会の「食物アレルギー診療ガイドライン」も,2016年版から2021年版に改訂出版されました.

2016年時点で,食物アレルギーの診療・研究および社会的な諸制度は,かなり成熟していると感じていました.しかしこの5年間を振り返ってみると,各分野で大きな進歩があったことを実感します.そこで,ちょうどガイドラインの改訂に歩調を合わせて,本書も改訂版を作成する運びとなりました.

本全体の構造や執筆者の多くは,初版を踏襲しています.それぞれの執筆者は,この5年間の進歩を大いに取り入れて,最新の情報にリニューアルしてくださいました.改めて,この5年間にどれほどの情報が新たに蓄積し,食物アレルギーに対するアプローチが変化してきたか,実感することができます.同じ章を読み比べてみるのも,この改訂版の醍醐味かもしれません.改めて,気合いのこもった原稿を執筆してくださった先生たちに,感謝いたします.

本書とガイドライン改訂の編集作業を通じて,私自身が実感している食物アレルギー診療の変化をあげてみます.

まず,食物アレルギーの診療そのものが,より安全で「患者に優しい」方向に向かっています.特に,食物経口負荷試験や経口免疫療法において,アレルギー症状を起こさないことがより重視されるようになりました.以前と比べて消極的な診療方針とも感じますが,より幅広い地域で,多くの医療機関が食物アレルギーの診療に取り組むようになった結果ともいえるでしょう.医療安全に対する社会の要請が強まっていることも,反映していると感じます.

食物アレルギーの発症抑制に関する臨床研究が進み,微量の抗原摂取による経口免疫寛容の誘導が,臨床現場にも実装されつつあります.それを支えているのは,乳児のアトピー性皮膚炎に対する標準治療が普及して,湿疹を完全にコントロールしたうえで摂取を進めることが,社会的なコンセンサスになってきたことです.

食物アレルゲンに関する知見は,分子レベルで飛躍的に進んでいます.それが,臨床現場における診断や食事指導に対する根拠を与え,現場で遭遇する多くの疑問に応えられるようになってきました.

最後に,アレルギー疾患対策基本法に基づく諸策が全国に広がり,アレルギー診療の均てん化が進んでいます.しかしそこには,各地域におけるアレルギー専門医の育成,成人移行または成人発症した食物アレルギー患者への医療提供など,まだ解決しなくてはならない問題が残されています.

本書が,ガイドラインの副読本として,皆様のお役に立てば幸いです.


2022年3月吉日

伊藤浩明

目次

Ⅰ 食物アレルギー総論

A 食物アレルギーを巡る国際的な動向  海老澤元宏

B 食物アレルギー:診療・社会的対応の変遷  宇理須厚雄

C 食物アレルギーの疫学・病型  今井 孝成

D 食物アレルギーの免疫学  善本 知広

E 食物アレルギーと遺伝  廣田 朝光・玉利真由美

F 食物アレルギーと環境因子  中野 泰至・井上祐三朗

G 感作の成立と予防対策  福家 辰樹

H 食物アレルギーの診断  漢人 直之

Ⅱ 食物アレルゲン

A アレルゲンの構造と機能  伊藤 浩明

B 鶏卵・魚卵・鶏肉  山田千佳子・和泉 秀彦

C 牛乳・牛肉  松原  毅・岩本  洋

D 小麦・ソバ・穀物  横大路智治・松尾 裕彰

E 種子(ピーナッツ・大豆・木の実類・ゴマ)  丸山 伸之

F 魚類・甲殻類・軟体類  板垣 康治・塩見 一雄

G 果物・野菜  岡崎 史子・成田 宏史

Ⅲ 食物アレルギーの臨床各論

A 卵アレルギー  杉浦 至郎

B 牛乳アレルギー  川本 典生

C 小麦アレルギー  長尾みづほ

D ピーナッツ・木の実類アレルギー  北林  耐

E 大豆・ゴマアレルギー  高里 良宏

F 魚・甲殻類アレルギー  中島 陽一・近藤 康人

G 果物アレルギー  夏目  統

H その他の食物アレルギー  千貫 祐子・森田 栄伸

Ⅳ 食物アレルギーの臨床的課題

A アナフィラキシー  柳田 紀之・海老澤元宏

B 食物依存性運動誘発アナフィラキシー(FDEIA)  福冨 友馬

C 新生児・乳児食物蛋白誘発胃腸症,好酸球性消化管疾患  鈴木 啓子・野村伊知郎

D 成人の食物アレルギー  中村 陽一・橋場 容子

E 栄養・食事指導  楳村 春江

F 経口免疫療法  佐藤さくら・海老澤元宏

Ⅴ 食物アレルギーに関連する社会的諸問題

A 給食・外食産業  林  典子

B 患児・保護者への生活指導  岡藤 郁夫

C 保育所・幼稚園・学校に対する情報提供  吉原 重美

D インシデント(ヒヤリ・ハット)事例から学ぶ安全対策  佐々木渓円

E アレルゲンを含む加工食品の表示  藤森 正宏

F 患者会・NPO法人による地域づくり  中西里映子

G 食物アレルギーサインプレート  服部 佳苗

H 行政・専門学会の動向  伊藤 浩明


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書籍情報

  • ISBN:9784787880284
  • ページ数:352頁
  • 書籍発行日:2022年6月
  • 電子版発売日:2022年7月29日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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