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- 泌尿器外科 2021年7月号(Vol.34 No.7)【特集】決定版!! 低活動膀胱/排尿筋低活動のState of the Art
商品情報
内容
低活動膀胱/排尿筋低活動の病態生理/低活動膀胱/排尿筋低活動の疫学/低活動膀胱/ 排尿筋低活動の初期診療における診断 ほか
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序文
序文
本特集では,ここ数年で脚光を浴びるようになった低活動膀胱(UAB)/ 排尿筋低活動(DU)を取り上げました。超高齢化社会におけるプレフレイルあるいはフレイル高齢者の増加を背景として,UAB/DU の診断と治療は今後,ますます重要になると考えられます。しかし,UAB/DUが脚光を浴びているとは言っても,同じ下部尿路機能障害(LUTD)である過活動膀胱(OAB),夜間頻尿,女性下部尿路症状(FLUTS),男性下部尿路症状/ 前立腺肥大症(MLUTS/BPH)などの診療に利用されているようなガイドラインは未だありません。さらに,有効な薬物療法や外科的治療が確立されていないことも相まって,講演会等で取り上げられる機会は必ずしも多くないのが実情です。このため,OAB,夜間頻尿,FLUTS,MLUTS/BPH に比べると泌尿器科医がまとまった話を聴く機会は圧倒的に少ないと思われます。海外に目を転じますと,例えば,Campbell-Walsh-Wein’s Urology には第11 版(2016 年)から“Underactive detrusor”という章が設けられ,Springer 社からは,Chancellor 先生らが編集された“The underactive bladder”(2016 年),Chapple 先生らが編集された“Underactive bladder”(2017 年)という教科書が出版されています。いずれも要点が簡潔にまとめられており,UAB/DU の概略を知るには有用です。今回は,これらの海外の教科書を超える内容を目指し,やや教科書的・正攻法的な章立てではありますが,読者の皆様がUAB/DU の最新の全体像を俯瞰できる特集を企画させていただきました。UAB/DU に関して,ここまで突っ込んだ内容をまとまって読める書籍は他にはないと思います。しかも,この分野を専門としていない先生方にも要点が掴みやすい内容となっており,ご執筆いただいたエキスパートの先生方のお力のお陰で企画の目的を達成して余りある特集になったと信じております。
UAB は国際禁制学会(ICS)の作業部会が「症状症候群」として下部尿路症状の組み合わせによる定義を報告していますが(表1),基本的にはDU を示唆する症状症候群であるとのスタンスです。日本排尿機能学会の作業部会からは,UAB の背景にあるDU の内圧尿流検査(PFS)によらない臨床的診断基準が提示されています(表1)。このため,UAB はDU を背景として生じているという意味合いを込め,特集の表題を「UAB/DU」とさせていただきました。本特集は,読者の皆様にUAB/DU の全体像を俯瞰していただけるよう,病態生理,疫学,診断,治療という章立てとしました。病態生理(宮里先生ら)に関しては,数年前には混沌としていたUAB/DU の病態が,この間の研究によって大分整理された成果がわかりやすく解説されています。疫学(吉田先生)の部分では,UAB/DU が他のLUTD と比べて決して有病率が低い病態ではないことが提示され,さらにフレイル・サルコペニアとUAB/DU との関連という最新の知見も含めて解説していただいています。診断に関しては,PFS を用いない診断法と用いる診断法に分けました。PFS を用いない診断法では,初期診療における診断(和田先生ら),初期診療におけるDU の予測(高橋先生ら)に関して,それぞれの先生方の研究グループからの豊富な知見を含めて実践的な内容を解説していただいております。一方,ICS ではDU をPFS 所見に基づいて定義していますが(表1),この定義は極めて抽象的なため,PFS 上の様々なDU の診断基準が報告されています。PFS によるDU の診断(山西先生ら)では,この辺の状況を性別も考慮しつつわかりやすく解説していただきました。治療に関しては,エビデンスのある治療法が少ないのが実情ですが,行動療法,薬物療法,外科的治療を含めた治療の現状と今後期待される治療(高岡先生),さらに細胞療法と光遺伝学を応用した治療(伊藤先生)に関して解説していただいています。
以上,病態生理から治療まで,ご執筆の先生方の力作揃いですので,読者の皆様におかれましてはぜひとも熟読玩味いただき,明日からのUAB/DU の診療や研究にお役立ていただければ幸いです。UAB/DU は小職の思い入れの深い分野ですので,若手の先生方がこの分野に興味を持っていただける一助となれば企画者として望外の幸せです。
注: UAB,DU とも現時点では保険病名には含まれていません。また,診断・治療法が限定的なのが実情です。このため,本特集には保険適応外あるいは本邦未承認の治療法が含まれておりますので,実際の診療にあたっては,それぞれの治療法の適応や承認状況を十分にご確認ください。
東邦大学医療センター大橋病院泌尿器科
関戸哲利
目次
特集 決定版!! 低活動膀胱/排尿筋低活動のState of the Art
序文
東邦大学医療センター大橋病院泌尿器科 関戸 哲利
低活動膀胱/排尿筋低活動の病態生理
琉球大学大学院医学研究科システム生理学講座 宮里 実,他
低活動膀胱/排尿筋低活動の疫学
桜十字病院泌尿器科 吉田 正貴
低活動膀胱/ 排尿筋低活動の初期診療における診断
旭川医科大学腎泌尿器外科 和田 直樹,他
初期診療における排尿筋低活動の予測
総合せき損センター泌尿器科 高橋 良輔,他
内圧尿流検査による低活動膀胱/排尿筋低活動の診断
獨協医科大学排泄機能センター 山西 友典,他
低活動膀胱/排尿筋低活動におけるこれまでのエビデンスと期待される治療法
国際医療福祉大学病院腎泌尿器外科 高岡栄一郎
低活動膀胱/排尿筋低活動に対する将来的な治療法
横須賀共済病院泌尿器科 伊藤 悠城
連載
第126回 泌尿器科領域におけるトラブルシューティング
尿管損傷を自家腎移植で対処した1例―使える尿管が短い時―
金沢医科大学泌尿器科学 近沢 逸平,他
第35回 泌尿器科診療に役立つ周辺手技と処置
泌尿器科領域における不眠症治療の重要性
久留米大学医学部神経精神医学講座 兵頭 佑規,他
臨床研究
ミラベグロンの有効性への影響要因分析―過活動性膀胱患者を対象とした国内製造販売後調査データから―
アステラス製薬株式会社 メディカルアフェアーズ本部メディカルサイエンスリエゾン部 三島 裕司,他
症例報告
尿閉を呈した女性尿道憩室の2例
芸術の森泌尿器科 齊藤 誠一
前立腺基底細胞癌の1例
昭和大学藤が丘病院泌尿器科 松井 祐輝,他
遠隔転移をきたした筋層非浸潤性膀胱癌の1例
山形市立病院済生館泌尿器科 小澤 迪喜,他
イマチニブ治療中に乏精子症を呈した消化管間質腫瘍の1例
浜松医科大学泌尿器科 杉山 貴之,他
精巣原発平滑筋肉腫の1例
武蔵野赤十字病院泌尿器科 中園 周作,他
転移性腎細胞癌に対してNivolumab/Ipilimumab併用療法後に
原発巣切除を施行し完全奏効を得られた1例
函館五稜郭病院泌尿器科 進藤 哲哉,他
子宮筋腫に対する動脈塞栓術後に部分的な膀胱壊死が発生した1例
東京逓信病院泌尿器科 加藤 真実,他
内反型増生を伴った膀胱癌の1例
新久喜総合病院泌尿器科 勝岡 洋治,他
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書籍情報
- ISBN:9784865174298
- ページ数:99頁
- 書籍発行日:2021年7月
- 電子版発売日:2022年8月2日
- 判:A4判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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