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- ICUとCCU 2020年8月号(Vol.44 No.8)【特集】救急現場において知っておきたい循環器救急の知識
商品情報
内容
ACS 心電図診断のピットフォール/冠動脈解離が原因の急性冠症候群─特徴的な診断と治療/救急現場における院外心肺停止例の冠攣縮関与 ほか
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序文
特集にあたって
木村 一雄
急性冠症候群を代表とする循環器救急疾患では発症早期の迅速かつ的確な治療の成否によりその予後は大きく左右される。このため,より有効な医療を目指し多くの臨床試験が行われ,この中で創出されたエビデンスに基づき作成された診療ガイドラインは救急医療現場で広く活用されている。確かに,ガイドラインに準拠した標準的診療はその患者の病態が一般的である場合に最も有効であると考えられ,欧米のみならず本邦からもエビデンスに基づく質の高い医療を行うことにより生命予後が改善すると報告されている。ガイドラインの記述内容は豊富で,クラス分類・エビデンスレベルに関しても詳細に記載されており,実際,急性冠症候群患者の多くの病態においてはガイドラインに準じた標準的治療で対応可能と考えられる。しかしながら,この疾病群における病像スペクトルは幅広く,循環器専門医においても経験することの少ない特殊な病態や,認識しておくべき新たな疾病概念もある。このため,最新の診療ガイドラインといえども,十分ではない面もある。この点を踏まえ,本特集号では急性冠症候群ならびに関連がある病態について,昨年発刊した急性冠症候群ガイドラインの内容を補完すべく次の6つのテーマについて各分野の専門家に記述して頂いた:1)軽微な変化ながらも重症心筋虚血の存在を示唆する心電図所見,2)最近注目されつつある女性に多い治療法も確立していない疾病概念,3)冠攣縮性狭心症で心肺停止を来した場合の診断と治療(植込み型除細動器植込みの適応を含む),4)最近では予後が必ずしも良好でないことが示されているたこつぼ症候群(典型例および非典型例),5)急性冠症候群との鑑別を要する急性A 型大動脈解離,6)心房細動を呈する急性心筋梗塞の発症機序と治療ストラテジー。
急性冠症候群では,症状,心電図,バイオマーカーなどから総合的に診断すること,また治療に関しては,心機能の保持,心血管イベント再発の予防が基本であり,本特集の各テーマもこの延長線上にある。急性冠症候群ガイドラインに記載されている内容に加え,本特集で最新の知識を深めることで,より幅広い病態に柔軟かつ的確に対応できるのではないかと考えている。
横浜市立大学附属市民総合医療センター心臓血管センター(〒232-0024 横浜市南区浦舟町4-57)
ICU とCCU 44(8):479,2020
目次
特集 救急現場において知っておきたい循環器救急の知識
特集にあたって
木村 一雄
ACS 心電図診断のピットフォール
堤 勝彦・松澤 泰志・南本 祐吾・塚原 健吾
小菅 雅美
冠動脈解離が原因の急性冠症候群─特徴的な診断と治療
中島 啓裕
救急現場における院外心肺停止例の冠攣縮関与
末田 章三
たこつぼ症候群:非典型例の特徴
明石 嘉浩
急性冠症候群に類似した急性大動脈解離の診断と治療
佐野 円香・加地修一郎
心房細動を合併した急性心筋梗塞の治療
石原 正治
症例
重症頭蓋内出血後にたこつぼ症候群および神経原性肺水腫を合併した小児の2 例
奥立 大樹・菅 健敬・中邨奈津美・河内 晋平 山上 雄司・高原 賢守・楠本 耕平
連載 ICU・CCU ―あんな症例,こんな症例―(第95 回)
鈍的気管損傷に対して2 本の気管チューブを用いた分離肺換気を行った1 例
山賀 聡之・太田 浩平・木田 佳子・廣橋 伸之 志馬 伸朗
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書籍情報
- ISBN:9784865173864
- ページ数:62頁
- 書籍発行日:2020年8月
- 電子版発売日:2022年8月10日
- 判:A4判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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