ACPと切っても切れないお金の話

  • ページ数 : 200頁
  • 書籍発行日 : 2022年10月
  • 電子版発売日 : 2022年10月12日
¥2,970(税込)
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商品情報

内容

ACPで患者の価値観や選好を汲み上げても、経済・法的な理由から実現できない―。
こんな悩みに、豊富な事例をベースに答えます。


アドバンス・ケア・プランニング(ACP)の考え方と、その実践技術を紹介した「ACP入門 人生会議の始め方ガイド」の姉妹本です。本書は、ACPの実践の中で直面しやすい経済的な課題と、その課題への対応に役立つ制度について分かりやすく解説した上で、法律専門職との協働の進め方を紹介します。「人生の最終段階における患者・利用者にとって医療選択は、たくさんある気がかりのほんの一部でしかありません。加えて、患者・利用者の経済状況を無視してはACPは実践できません」。ACPに取り組み始めた現場スタッフが肌で感じている不都合な真実に真向から挑み、その解決策を提案します。

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序文

はじめに


この本に興味をもっていただきありがとうございます。

あなたは、医療職、介護職、福祉職、もしかしたら法律職、あるいは市民の方でしょうか。いずれにせよ、アドバンス・ケア・プランニング(ACP、通称:人生会議)に興味や疑問を持っておられる方ですよね。あるいは、この本の前作、『ACP入門 人生会議の始め方ガイド』(2020 年、日経BP)の読者の方かもしれません。

この本は、初めて読む人にも、前作の読者にも、さらなるACPの広がりを考えるきっかけにしていただきたいと思っています。前作は、概論書ではなく、実践書として、多くの方から支持していただきました。その理由は、本人の「想いのかけら」である「ピース」を集めて(キャッチして)つなぐというシンプルな切り口で、臨床倫理的アプロ―チについても、難しい表現を介さずに実践できるような構成になっていたからかもしれません。「明日からACPを実践できる自信がついた」と、多くの方の声が寄せられました。

さて、あれから2 年余り、私たちは、福祉職、法律職を、新たな執筆メンバーとして、本書を出版することになりました。将来の医療ケア選択だけでなく、将来の生活・お金選択まで含めて記載いたしました。厳密に言えば、将来の医療ケア選択について話し合うACPの枠を越えて、将来の生活・お金選択について話し合うアドバンス・ライフ・プランニング(ALP)も含めた内容です。「お金がないので、本人の希望する医療・介護ケアを提供できない」。そんな現場の方々が日夜遭遇する“あるある” 事例を盛り込み、少しでもよい介入法がないかを考えました。そのため、法律用語が増え、前作と比べると、気軽に読める雰囲気は減ったかもしれません。

ただし、前作も今回の姉妹本も、基本は変わりません。誰でも、今日からでも、ACP ないしはALPをはじめられる、そんな気持ちになれるような本を目指しました。心のアンテナを磨き、生活の中にちりばめられているたくさんのピースをキャッチして持ち寄り、つなぐことが重要だというメッセージが散りばめられています。


ここで、執筆メンバーの自己紹介です。


司法書士の福村雄一です。相続手続や遺言作成、後見人としての業務など、お金に関する業務を行っています。人間関係や想いを手続にすることで、本人・家族のライフをケアできる職種の1つが司法書士だと思っています。時として中心的な役割を果たす存在として支援チームに加わり、医療介護福祉職と連携を重ねることがACP につながります。「医療介護福祉職じゃないほう」だからこそできること。こちらから手を伸ばし、手を握り返してくれる医療介護福祉職とともに、生活の場にあるピースをつなげていきたいと思います。


はじめまして。介護支援専門員(ケアマネジャー)の大城京子です。介護を必要としている方やご家族の生活の中のピースを大切に、その方の身体や環境に応じて最適な介護サービスが受けられるよう、医療ケア事業者や、市町村などとともに調整をしています。「私が死んだらこの家どうなる?」「お墓はどうする?」「お金は誰に任せればいい?」など、医療ケア以外の不安を口にされたとき、司法書士の方々と協力し合うことで、【安心をカタチ】にすることができます。患者・利用者さんを支える上で職種の壁は不要です。「 医療介護福祉じゃないほう」と、「士業じゃないほう」。医療ケアの枠を越えた「じゃないほうチーム」で、患者・利用者さんのピースを大切にしたACPの実現を目指しています!


医療ソーシャルワーカー(MSW)の小島秀樹です。急性期病院でMSWとして患者・家族が抱えている様々な問題を解決するために支援をしています。意思決定支援に重点を置き、人と人、人と地域をつなぐ専門職としての自覚を持ち、患者一人を生活者として見る視点を心がけています。特に終末期の意思決定支援では患者目線に立ち、残される家族の想いも汲むことに力を注いでいます。MSWのみの単独支援ではなく多職種との連携が大事であり、それがACPにつながると考えています。


はじめまして。アラ還医師、西川満則です。この10 年、ACP が広がれば、本人の意思が尊重される社会に変わる、そう信じて疑わず、寝ても覚めても、ACPに関わってきました。2 年前、父を天国に送りました。そのことが、私を、今回のプロジェクトに駆り立てました。延命治療を拒否する直筆の事前指示書、父の強い意思を感じました。その不完全性ゆえに、いまだ、父の想いを遂げるに至っていない自筆証書遺言、父以上に、私自身が無念です。だから私は、大城、小島、福村とともに、この書籍を介して、ピースを大切にした、「ACPの枠を越えたACP」を皆さんに届けたいと願っています。


最後に、日経メディカル編集部の小板橋律子さんを紹介します。小板橋さんのサポートで、この本が完成しました。小板橋さんは、西川、大城が行っているACPiece 研修にも参加しながら、編集者としての視点、市民としての視点から、この本に心血を注ぎました。

前作同様、この姉妹本は、ピースを集めて、持ち寄り、つなぐが基本になっています。福祉職、法律職の視点が加わり、生活やお金関係のピースが強化されました。明日から始められる、私にもできるACP、ないしはALPの実践書として、ぜひご活用ください。一緒に、ACPとALPを日本中に広めていきましょう。


福村雄一、大城京子、小島秀樹、西川 満則

目次

はじめに

総論

・ACPって何ですか ALPって何ですか?

・エンディングノートから、ピース、ACP/ALPを考える

・ACPの前に立ちはだかる経済の問題

・ACPとALPを比べちゃおう

現場で何が起きているか編

・病院のリアルACPどころじゃない

・制度のリアルALPは契約ありき

制度編

・「死後」に使う -遺言- その1

遺言は認知症の配偶者を護るALPの手段

・「死後」に使う -遺言- その2

遺言があれば愛犬も護れる

・「死後」に使う -遺言- その3

前妻の子と後妻の子の相続問題が気になる男性

・「死後」に使う -遺言- その4

未成年の娘が気がかりな肺癌末期の若年男性

・「死後」に使う -死後事務委任-

「住み慣れた我が家(賃貸)で最期を」は大家に迷惑?

・「生前」に使う -任意後見制度、見守り契約、財産管理等委任契約-

判断力低下後に老人ホームに入りたい

・「生前」に使う -法定後見制度-

救急搬送事例にはACP、ALP的な課題が山盛り

・「生前」も「死後」も使える -家族信託-

頼りの姪っ子に託し判断力低下後に施設入所

番外編

・法律職によるコミュニケーションの実際 -任意後見制度- その2

3人の子ども誰にも頼りたくない80歳男性の真意

おわりに

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書籍情報

  • ISBN:9784296200115
  • ページ数:200頁
  • 書籍発行日:2022年10月
  • 電子版発売日:2022年10月12日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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