別冊「医学のあゆみ」中毒にご用心! 身近に潜む危険な植物・動物たち

  • ページ数 : 116頁
  • 書籍発行日 : 2023年1月
  • 電子版発売日 : 2023年2月3日
¥4,400(税込)
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商品情報

内容

知らなければ診断できない! 救急の専門家が解説する中毒患者対応

●アサリやギンナン,ジャガイモなど,食卓に並ぶ身近な動植物の中にも毒成分を持つものが数多く知られていますが,その毒性や特徴,対処法などは,元となる知識を知らなければ診断することは困難です.
●【植物編】では,ギンナン,ナツメグ,スズラン,トリカブト,ハシリドコロ,スイセン,ジャガイモ,ドクゼリ,キュウチクトウ,イヌサフラン,グロリオサを紹介.
●【動物編】では,巻貝,アサリ,カサゴ,オコゼ,ゴンズイ,マグロ,カツオ,フグ,カツオノエボシ,ハブクラゲ,マムシ,ハブ,ヤマカガシ,ドクガ・チャドクガ・イラガの仲間について紹介.
●救急の第一線で活躍する執筆陣が,事例を交えて各ケースにおける中毒患者の診療を解説!
●医師,看護師,薬剤師などの医療関係者はもちろん,薬理学・毒性学・農学・自然科学の研究者にも役立つ知識が満載.身近にある危険植物・動物について知るとともに,生物毒の面白さと奥深さを解説した一冊.

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序文

はじめに

筆者は理学部化学科および医学部医学科を卒業し,最初は精神科医として研鑽した.ところが,受け持ち入院患者の自殺既遂を機に救急医に転身し,やがて“中毒”をサブスペシャリティとするようになった.毒物の毒性や解毒薬・拮抗薬のメカニズムを理解するのに化学の知識は非常に役立った.中毒患者の多くは自殺企図により毒物を摂取するが,救急医としての身体的評価・治療のみならず,精神科医としての精神科的評価・治療も同時に行うことができた.世界的には“中毒”は臨床医学の重要な分野である.ところが,わが国ではようやく内科学の教科書でも取り上げられるようになった程度である.2021 年4 月より埼玉医科大学に「臨床中毒学」講座が,埼玉医科大学病院に「臨床中毒科/臨床中毒センター」が新設された.これを第一歩として,わが国でもいずれ“中毒”が臨床医学の重要な分野となれば幸いである.

筆者は2009 年に『臨床中毒学』(医学書院)を上梓した.生物毒には80 ページを割いたが,著作権の関係から毒性植物・動物のカラー写真は自ら撮影しなければならなかった.そこで,(亡き)妻や(当時は)三人の娘達を従えて週末には毒性植物・動物を探し回った.自宅の庭でイラガやドクガの仲間,ヒキガエルを見つけた.長野県小海町で“キノコ博士”とよばれていた畠山久紀氏に何度もキノコ狩りや山菜狩りの案内をしていただきながら,毒キノコや毒草を見つけては歓喜した.シリカゲル入りのタッパーに埋めて持ち帰って乾燥標本も作製した.船釣りに出かけてはフグの仲間,オニカサゴやミノカサゴの仲間,アイゴの仲間などが釣れると歓喜した.こちらは美味しくいただいた.本当に幸せな時間で,いつの間にか筆者は生物毒の虜(中毒)となっていた.今もやめられずに週末は毒性植物・動物を探し回って写真を撮り,日本臨床・分析中毒学会のInstagram(@jscat2021)に毒性や応急処置などの解説とともに投稿している.

本書では,日本臨床・分析中毒学会の正会員の先生方に身近にある危険植物・動物について解説していただく.読者の皆様に生物毒の面白さ・奥の深さが伝わり,生物毒の虜(中毒)仲間が増えれば幸いである.


上條吉人 ( 埼玉医科大学医学部臨床中毒学,同病院臨床中毒センター,日本臨床・分析中毒学会代表理事)

目次

はじめに 生物毒の虜(中毒)になって(上條吉人)

植物編

1.ギンナン

 食べてよいのは歳の数まで(大谷典生)

2.ナツメグ中毒

 YouTuberのマネにはくれぐれもご注意を(小林憲太郎)

3.スズラン

 若芽をギョウジャニンニクやアマドコロなどの山菜と誤食すると(花澤朋樹)

4.トリカブト中毒

 若芽をニリンソウやモミジガサなどの山菜と誤食すると (青柳有沙)

5.ハシリドコロ

 知っていれば診断できるかもしれない,知らなければ絶対診断できない(小橋大輔)

6.スイセン

 若芽をニラと誤食すると (黒澤慶子)

7.ジャガイモは危険?

 芽が出たジャガイモ,緑のジャガイモは要注意(薬師寺泰匡)

8.ドクゼリ

 日本三大有毒植物,欧米で最も有毒な植物(千葉拓世)

9.キョウチクトウ

 アレクサンダー大王は遠征中に多くの兵を失ったと伝えられているが (福島英賢・奥田宏純・中務智彰)

10.イヌサフラン,グロリオサ(コルヒチン)

 球根や塊茎を誤って食べると (喜屋武玲子)

動物編

11.巻貝(テトラミン,テトロドトキシン)

 見た目だけで有毒か無毒かを見分けることは困難(新田正和)

12.アサリ(麻痺性貝毒,下痢性貝毒)

 潮干狩りで採取して食べたら(世良俊樹)

13.カサゴ,オコゼ,ゴンズイ

 ヒレにある毒棘にさされると (岩崎泰昌)

14.マグロ,カツオなど(ヒスタミン魚中毒)

 保存状態の悪いものを食べると (小原佐衣子)

15.フグ(テトロドトキシン)

 美味だけど,本当に食べて大丈夫?(清水弘毅)

16.カツオノエボシ

 さわるな! 危険!(稲葉大地・佐藤満仁・吉原秀明)

17.ハブクラゲ

 沖縄の海で刺されると (堀江勝博・一二三 亨)

18.マムシ,ハブ

 夏の山や森で咬まれると (畠中健吾)

19.ヤマカガシ

 河原や田んぼの近くで捕まえて遊んでいるときに誤って咬まれると (中村光伸)

20.ドクガ,チャドクガ,イラガの仲間

 誤って幼虫に刺されたら(鳴海翔悟)

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書籍情報

  • ISBN:9784006528559
  • ページ数:116頁
  • 書籍発行日:2023年1月
  • 電子版発売日:2023年2月3日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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