眼科 2019年6月号 61巻6号 特集 眼底イメージングの最新情報【電子版】

  • 書籍発行日 : 2019年6月
  • 電子版発売日 : 2019年11月18日
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序文

序論


眼科は,元来画像から成り立っている学問体系です。眼底写真は,もともと重要な情報をもたらす唯一の画像でしたが,近年さまざまなソフトウエアを用いた眼底画像撮影機器が開発され,眼底画像の種類がとみに増え,眼底画像を眼底イメージングと呼ぶ傾向にあります。

眼底イメージングと聞くと,読者の皆様は,どのような連想をしますか。大学病院では,さまざまな眼底画像の機器が診療に用いられ身近に感じています。しかし,多くの先生方にとって,高解像度のOCT,EDI-OCT,OCTA,en-face 画像そしてOptos などの眼底画像解析機器が,眼底疾患にどのよう用いられているか,その最新情報には馴染みは少ないのではないでしょうか。今回は,疾患別に最新の眼底イメージングがどのように病態評価に関わってきているのか,その要点を特集してみました。

眼底疾患の診断と適切な治療のためには,画像は欠くことができません。的確な画像診断を行うには,いくつかの必要な条件があります。ひとつは,画質です。精巧な機器を用いて,病巣を正確に高解像度で撮らえられなければ,詳細な情報を得ることができません。ふたつめは,画像の読影になります。これは,疾患の病態生理をよく理解していないと把握することはできません。これには,疾患に対する臨床経験が重要になります。最後に,データの整理です。莫大な数の画像を評価するには,電子カルテと画像を患者さんごとに的確に選び出すためのソフトが必要になります。画像診断の専門家は,皆,データ処理を日々診療の終了と同時に行って膨大なデータを整理整頓しているわけです。

今回の執筆者は,5 名です。そのすべての先生は,この3 要素を兼ね備えています。①画像抽出,②画像評価,そして③画像整理。多くの時間を費やして,あたらしい知見を私たちにもたらしてくれています。ポリープ状脈絡膜血管症は,OCTで特徴的な画像として診断をすることができますが,同時にICG 蛍光眼底造影が診断には重要なことはいうまでもありません。この項(PCV)の図1 は,ICGA の特徴的な画像で,教科書に出てくるような画像です。Pachychoroid をご存知でしょうか。図4 は,典型的な脈絡膜の肥厚が描かれていて,一度見たら忘れません。網膜静脈閉塞症の黄斑浮腫も分類も,近年,OCTA で行う傾向にあります。特に,第2 項の網膜静脈閉塞症の図4 は,蛍光眼底造影検査では見ることができない極めて微細な血管をOCTA で初めて描出しています。さらに,近年脈絡膜の研究が進んでいて,いままで脈絡膜の画像解析は深部にあるために困難を極めていましたが,いくつかのアイデアで詳細な脈絡膜の解析が可能になってきています。特に,第3 項の脈絡膜では,筆者らの開発した脈絡膜の2 階調化が図1 にわかりやすく掲載されています。さらに,造影をせずに非侵襲的に脈絡膜観察を行った図5 は,衝撃的です。糖尿病網膜症は,蛍光眼底検査が必須ですが,OCTAを用いた非侵襲的な画像解析が注目されていて,広角のOCTA 画像として,モンタージュ像が注目されています。この項の,図6 を参照ください。最後にこれらの画像を統合するmultimodalimaging ですが,OCT,OCTA,MP-3,Optos,自発蛍光,ERG などを同一画面に描出する診療の工夫といえるでしょう。本項(Mutimodal Imaging)の図5 は,網膜静脈分枝閉塞症の画像ですが,情報がすべて集約されており,multimodalimaging は診療の効率化をもたらし,今後の画像解析の主流になると考えられます。

本特集号の各々の執筆者の提供された美しい代表的な画像を是非一見していただき,読者の皆様の脳裏に焼き付けていただければと思います。また,眼底疾患は,非侵襲的検査によるデジタル化されたデータが多く集まる代表的な分野のひとつです。人工知能などの進歩に大きく影響を受ける分野でもありますので,今後も注目をしていきたいと思います。

門之園一

目次

特集 眼底イメージングの最新情報

序論

1.ポリープ状脈絡膜血管症

井上 麻衣子

2.網膜静脈閉塞症

3.脈絡膜

4.糖尿病網膜症

5.Multimodal Imaging

綜説

眼内悪性リンパ腫の診断と治療

ここまでわかる!滲出型加齢黄斑変性のOCT Angiography日常診療でのTips、最新の研究動向と今後の課題

機器・薬剤紹介

38.10Kベベルドカッター(日本アルコン)

臨床報告

8年間結膜下に潜在し、磁気共鳴画像検査時に眼球を穿通したことが疑われた鉄片異物の一例

パクリタキセル投与中に両眼性の嚢胞様黄斑浮腫を認めた2例

抗VEGF剤治療後に黄斑円孔をきたし、inverted ILM flap techniqueにより円孔閉鎖が得られた加齢黄斑変性の一例

Inverted internal limiting membrane flap法を行い5か月後に閉鎖した陳旧性黄斑円孔の1例

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