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- 病理と臨床 2024年8月号(42巻8号)骨髄病理のトピックス~日常診療と最新WHO分類を踏まえた病態のとらえ方
商品情報
内容
特集テーマは,「骨髄病理のトピックス~日常診療と最新WHO分類を踏まえた病態のとらえ方」.骨髄病理の見方―非腫瘍性疾患の骨髄病理像を含めて─,骨髄性腫瘍(AML,MDS)のWHO分類の概説,WHO分類第5版における骨髄増殖性腫瘍の概説,形質細胞腫瘍および異常タンパクを伴う疾患,血液内科医が骨髄病理診断に期待するもの 等を取り上げる.連載記事として[マクロクイズ],[鑑別の森],[AIと病理],[今月の話題]を掲載する.
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序文
骨髄病理のトピックス ―日常診療と最新WHO分類を踏まえた病態のとらえ方―
骨髄病理検体は消化管の生検ほど件数は多くないものの,日常診断に一定の頻度で含まれており,報告書を作成する必要のある読者も少なくないと思われる.ただし,骨髄病理報告書では胃生検のように「Group5だから内視鏡的治療や胃切除術に移行する」といった治療に直結する確定診断を行う機会が少なく,病理診断の意義が問われる機会も多いのではないかと考えられる.実際,急性骨髄性白血病 acute myeloid leukaemia(AML)や多発性骨髄腫などの治療へ移行する確定診断自体は検査部などで検鏡される塗抹標本にて下される.また,最新のWHO造血器腫瘍分類の第5 版(2022 年β版)では,これまでAMLなどの診断で行われていた骨髄芽球の割合の算出でさえ,一部のAMLでは診断の必須項目ではなくなってしまった.これによって今まで以上に病理形態診断そのものが治療につながらず,しかしながら適当に記載するわけにもいかず,結局,骨髄を専門とされない先生には,骨髄病理報告書の作成が煩わしいものになってしまう可能性がある.
血液腫瘍は古くから遺伝子解析なども含めた精力的な研究が進んでおり,染色体転座や遺伝子変異にて,治療のターゲットを同定しながら診断クライテリアを確立することは極めて自然な流れであるようにも思われる.診断に至る骨髄病理の特性を理解いただき,一方で,骨髄病理検体が得意とするところを共有したいと考えている.
本特集号では,日常の診断に活用できる骨髄病理標本の見方から最新のWHO分類第5版に基づいた診断・新しい疾患概念をエキスパートの先生方に解説いただいた.また,骨髄診断の意義を認識する意味でも,東京医科歯科大学の野上彩子先生に骨髄病理検体において臨床医が病理医に期待していることをご解説いただいた.また,がん・感染症センター都立駒込病院の名島悠峰先生に最新の造血器腫瘍の治療戦略をご解説いただき,これを理解することにより,治療修飾により変化する可能性のある骨髄像の病態の把握を目指す.本特集が,骨髄病理に苦手意識をもたれている病理医も含め,日常の病理診断の一助となることを願っている.
倉田盛人 [東京医科歯科大学病院基盤診療部門 病理部]
三好寛明 [久留米大学医学部 病理学講座]
目次
【特 集】
骨髄病理の見方―非腫瘍性疾患の骨髄病理像を含めて─……高柳奈津子 他
骨髄性腫瘍(AML,MDS)のWHO分類の概説……三好寛明
WHO分類第5版における骨髄増殖性腫瘍の概説……髙野 桂
骨髄病変を伴うリンパ性腫瘍─WHO分類第5版を踏まえて─……大石直輝
形質細胞腫瘍および異常タンパクを伴う疾患……中村直哉
骨髄の遺伝子検査・フローサイトメトリー検査法の原理と見方……倉田盛人
血液内科医が骨髄病理診断に期待するもの……野上彩子
クローン性造血……大西威一郎
白血病治療の最前線―分子標的薬・骨髄移植のUp to date―……名島悠峰
【連 載】
マクロクイズ[184]
田中麻理子 他
鑑別の森[35]
皮膚の炎症性変化と菌状息肉症紅斑期
Answer 1:菅谷 誠
Answer 2:藤本正数
AIと病理─これまでの5年,これからの5年[13]
鼎談「これからの病理AI」……吉澤明彦・森 健策・森井英一
【今月の話題】
光顕でみている病変を,そのまま高倍率で確認したくなることはありませんか?……清水 章
【Information】
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書籍情報
- ISBN:9784011204208
- ページ数:112頁
- 書籍発行日:2024年7月
- 電子版発売日:2024年7月29日
- 判:B5変型
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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