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- Medical Practice 2024年臨時増刊号(41巻) Q&Aでとことん答えます!予防医療の羅針盤~エビデンスと臨床をつなぐ渾身の88問答
商品情報
内容
予防医療の『気になるけどよく分からない…』にQ&A方式で目の前の疑問にぱっと答え,エビデンスに基づき推奨される・されない(あるいは推奨が存在しない)予防医療とその根拠を丁寧に解説.興味のあるQ&Aをピンポイントで読んで学ぶのもよし,最初から読めば知識を総ざらいもできる.健診や検診,予防医療を「ある程度知っているし,実践もしている.でもよく分からないこともある」,そんな実地医家に届けたい珠玉の一冊!
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序文
序文
本特集のお話をいただいたとき,「予防医療の特集」を改めて行うことの意義について共同での編集協力者の岡田唯男先生と議論した.私は内科,循環器内科医としてキャリアを開始し,総合診療畑へ進むなかで,根拠(エビデンス)に基づく予防医療が,システムとして提供されていない日本の現状に問題意識を感じていた.日本プライマリ・ケア連合学会を中心に,根拠に基づく予防医療の推進を目指して,講演,ワークショップなどの開催や文献レビュー(学会実践誌「プライマリ・ケア」に連載,根拠に基づく予防医療推進サイトに収載 https://www.evidencebased-prevmed.jp/)を20年以上前より行ってきた.
こうしたなか,予防医療の書籍に関しては,2009年にスクリーニングの理論を解説した名著の和訳1)が出た後,2015年にはUSPSTFの推奨を中心とした外来における予防医療の特集2),2017,2018,2020年には「EPG(evidence-practice gap)を埋めるための雑誌特集3)」,「総合診療医向け予防医療テキスト4)」,「健診/検診の雑誌特集5)」という岡田三部作が出され,私も執筆者として参加させていただいた.同2020年には別の内科系雑誌でも予防医療特集6)に参加させていただいた.これだけ予防医療の書籍が出ているなか,単なるme-tooではないのか?何番煎じなのか?ニーズがあるのか?あるとしたらどんな?どうしたら答えられるのか?これらを議論した結果,Q&A方式という今回の特集にたどり着いた.
本特集の主な読者として想定しているのは,予防医療についてある程度知っており,健診や検診も実践しており,EPGとかChoosing Wiselyなども聞いたことがあるかもしれないが,一部わからないところもある,経験のある内科医.そして何より忙しい!そんな読者には,知らないことを総ざらいするような総説ではなく,短時間で眼の前の疑問に答えるような,EBM(evidence-basedmedicine)でいうところの,Background questionではなく,Foreground questionに答えるような特集がよいのではないだろうか.また内容についても,健診/検診の概説,各種スクリーニングの根拠など基本的な項目から,ナッジ手法,ハームリダクション,遺伝相談,ウェアラブルデバイス,PrEP,ACSC,EPG,Choosing Wiselyなど,馴染みの薄い,より新しい概念についてもまんべんなく収載している.
まずは手にとって,最初から読むのではなく,目次を見て惹かれたQ&Aをかじっていただけると,入りやすいと思う.またこの形式は,中堅からベテランの実地医家だけでなく,YouTubeを倍速で視聴し,その時間すらもったいないとTikTokに移行しているタイパ重視の若手にも馴染みやすいのではと期待している.もちろん,気に入っていただければ,本書は1で総論,2で各論,3で実践のコツの3部構成になっているので,知識を総ざらいする読み物として利用していただくことも可能である.
2024年3月
宮﨑 景
名古屋市立大学大学院医学研究科 総合診療医学・総合内科学
文献
1)アンジェラ・ラッフル,ミュアー・グレイ(福井次矢,近藤達也,高原亮治監訳):スクリーニング─健診,その発端から展望まで,同人社,2009
2)小嶋 一,木村和久,徳田安春編:特集外来における予防医療.Hospitalist 3:275-511,2015
3)岡田唯男編:特集 患者にきちんと届く!届ける!予防医療プラクティス.Gノート 4:533-619,2017
4)垂井清一郎監,岡田唯男,長尾和宏編:スーパー総合医 総合診療医テキスト 予防医療のすべて,中山書店,2018
5)岡田唯男編:特集 教えて!健診/検診“ホントのところ”─エビデンスを知り,何を伝えるか.medicina 57:812-998,2020
6)廣岡伸隆編:特集 予防医療─包括的な提供を目指して.内科 126:1024-1150,2020
目次
1.予防医療の基本的考え方
Q1 予防医療における健診,検診,人間ドックの定義は?
Q2 基準値,異常値とは何か?一般診療と健診とで基準値が異なる項目があるのはなぜか?
Q3 検査値は本当にその値なのか?治療によって本当に数値は改善したのか?
Q4 スクリーニングのエビデンスがあるというのはどういうことなのか?
Q5 スクリーニングに関するエビデンスはどこでどうやって調べるのか?
Q6 予防医療でよく耳にするUSPSTFとは?その推奨グレードの意味は?
Q7 その予防医療を評価するのになぜ発見率ではだめなのか?
Q8 その予防医療を評価するのになぜ5年生存率ではだめなのか?
Q9 健康診断の二次検査とは何か?
Q10 対策型検診と任意型検診/scheduled preventionとopportunistic preventionのそれぞれの定義は?
Q11 各国のスクリーニング推奨の違いをどのように理解すべきか?
Q12 新しい検査や技術に推奨が存在しない場合はどうすればよいか?
Q13 予防医療(スクリーニング)に関して,知っておくべきコンセプトは?
Q14 ポピュレーションアプローチとは何か?
Q15 患者にとって利益が害を上回る医療を行うことは,予防医療にも当てはまるか?
Q16 カウンセリングの技法のうち,行動変容とはどういうものか?
Q17 カウンセリングの技法のうち,動機づけ面接とは?
Q18 カウンセリングの技法のうち,ナッジ手法とは?
Q19 カウンセリングの考え方のうち,ハームリダクション(SEP)とは?
Q20 不健康な生活習慣は自業自得なのか?
Q21 予防接種にはどのようなものがあるか?
Q22 予防投薬とは何か?
Q23 健康生成論(salutogenesis)に基づく医療と予防医療の関係とは?
2.疾患ごとの予防医療のエビデンス
2-1.健診のエビデンス
Q24 健診とは?そのエビデンスは?
Q25 特定健診(メタボ健診),特定保健指導とは?その有効性は?
2-2.がん検診
Q26 大腸がん検診にはどんな検査があるのか?現状は?
Q27 肺がん検診(CTや喀痰細胞診)は行うべきか?
Q28 子宮頸がん検診は,どのような方法で行うことが適切か?
Q29 胃がん検診におけるバリウム検査・内視鏡検査・ABC検診それぞれの違いは?
Q30 前立腺がん検診は行うべきか?
Q31 大腸癌・胃癌・子宮頸癌・肺癌以外で推奨されるがん検診は存在するのか?
Q32 有効といわれているがん検診はどれほど有効なのか?
Q33 膵がん検診は有効か?
Q34 各種腫瘍マーカーによるスクリーニングの有効性は?
Q35 新しいがん検診のテクノロジーにはどのようなものがあるか?
2-3.その他の疾患,病態,集団,検査
Q36 動脈硬化のスクリーニングで推奨される検査にはどのようなものがあるか?
Q37 CVD,ASCVDのリスク推定スコアにはどのようなものがあるか?その特徴は?
Q38 腹部大動脈瘤(AAA)検診を行うべきか?
Q39 COPD検診の有効性は?
Q40 睡眠時無呼吸症候群に対する検診の効果は?
Q41 CKD検診の有効性は?
Q42 うつ病,自殺リスク,不安症のスクリーニングの意義とは?
Q43 認知症検診の有効性は?
Q44 骨粗鬆症検診の有効性は?
Q45 フレイル健診の有効性は?
Q46 人間ドックで行われる画像検査にはどのようなものがあるか?
Q47 脳ドック(頸動脈エコーを含む)の有効性は?
Q48 人間ドックや入院時,施設入所時に必要な感染症のスクリーニング検査にはどのようなものがあるか?
Q49 人間ドックで行われる眼圧検査や無散瞳眼底写真による眼疾患スクリーニングの有用性は?
Q50 リンチ症候群・遺伝性乳癌卵巣癌症候群・家族性高コレステロール血症に対する検診の有効性は?
Q51 市販の遺伝子検査キット(DTC-GT)の有用性,意義は?
Q52 ウェアラブルデバイスによるスクリーニングにはどのようなものがあるか?
Q53 女性に対して推奨される予防医療のうち重要なものは?
Q54 小児に対して推奨されるスクリーニング項目のうち重要なものは?
Q55 学校における運動器検診の有効性は?
Q56 スポーツ健診(運動前健診,preparticipation physical)とは?その有効性は?
2-4.カウンセリング
Q57 運動カウンセリングとはどういうものか?対象者やその効果は?
Q58 食事カウンセリングとはどういうものか?対象者やその効果は?
Q59 禁煙カウンセリングとはどういうものか?またその効果は?
Q60 アルコール使用障害や薬物使用障害に対するスクリーニングやカウンセリングとは?
Q61 転倒予防のための介入(カウンセリング)の効果と方法は?
Q62 遺伝カウンセリングとはどういうものか?対象者や方法は?
2-5.予防投薬
Q63 予防薬としてのアスピリン投与の対象疾患やその効果は?
Q64 予防投薬としてのスタチンが推奨されるのはどのようなときか?
Q65 疾病の発生予防のために投与するビタミンやサプリメントでエビデンスのあるものは?
Q66 乳癌の予防投薬とはどのようなものか?対象者や方法は?
Q67 閉経後は女性ホルモンを補充すれば種々の病気が予防できるのか?
Q68 PrEPとは?
3.現場への落とし込み・実践に関するノウハウ
Q69 予防医療の実践において実装科学の観点から学べることは?
Q70 EPG(evidence-practice gap)とは何か?
Q71 EPGに対して仕組み・システムの面からどのように対応するか?
Q72 EPGは,患者啓発,意思決定支援により解決できるか?
Q73 EPGはヘルスリテラシーへの対応によって解決できるか?
Q74 なぜ患者は予防医療の推奨に乗ってこないのか?
Q75 そもそも健診・検診はやるべきことが多いのではないか?
Q76 Choosing Wisely® campaignとは何か?
Q77 ケースファインディングアプローチとは何か?
Q78 多数の予防医療の推奨の中で,優先順位をどう考えるか?
Q79 高齢者に対する予防医療はいつまで続けるのか?「やめ時」をどう見極めるのか?
Q80 推奨されていない検診は自費ならば行ってよいのか?
Q81 職場健診・学校健診の法律上の位置づけとその医学的根拠は?
Q82 健診/検診と保険診療との兼ね合いをどのように考えるか?
Q83 健診/検診は本当に医療費削減になるのか?
Q84 ACSCとは何か?その臨床的意義は?
Q85 健診/検診,予防医療において,病院や救急医療の医師ができることは何か?
Q86 地域の予防医療のニーズを把握するにはどのようにすればよいか?
Q87 予防医療や疾病の治療より孤独・孤立対策,SDH対策が重要って本当?
Q88 予防医療のアウトカムは,何を目指せばよいのか?またどのように測定すればよいか?
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書籍情報
- ISBN:9784011304100
- ページ数:304頁
- 書籍発行日:2024年4月
- 電子版発売日:2024年4月23日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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