臨牀消化器内科 2019 Vol.34 No.5 肝と免疫2019

  • ページ数 : 120頁
  • 書籍発行日 : 2019年4月
  • 電子版発売日 : 2019年5月15日
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商品情報

内容

消化器の臨床現場になくてはならない最新情報をお届けすべく,1986年1月に創刊。

【特集】肝と免疫2019
・Lymphoid organとしての肝臓
・自己免疫性肝炎 自己免疫性肝炎の疫学と診断
・原発性胆汁性胆管炎(PBC) 原発性胆汁性胆管炎の疫学と診断
 他

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序文

巻頭言

肝臓は全身の免疫反応を調節する免疫臓器としての役割も有している.消化管で吸収された細菌成分や食事性抗原は門脈を経て肝臓に至ることから,肝臓では異物のバリアーとして自然免疫が発達している.その一方で,肝臓では免疫寛容が誘導されており,生体の恒常性が保たれている.肝疾患の病態の多くに,免疫学的機序が係わっていることが知られている.

免疫異常が病態に密接に係わる自己免疫性肝疾患としては,自己免疫性肝炎(AIH),原発性胆汁性胆管炎(PBC)のほか,原発性硬化性胆管炎(PSC)やIgG4関連硬化性胆管炎(IgG4‒SC)が知られている.また,IgG4関連疾患のなかにはIgG4関連自己免疫性肝炎や,IgG4関連疾患肝疾患の存在も知られている.PBCについては,長年用いられた原発性胆汁性肝硬変という多くの患者に不安を与えてきた名称が,欧米の改訂に伴って,わが国でも変更された.

これらの疾患に関しては,厚生労働省難治性疾患政策研究事業「難治性の肝・胆道疾患に関する調査研究」班の貢献が大きい.研究班のホームページにあるとおり,この研究班は吉利

和先生が研究代表者であった昭和47年発足の「難治性の肝炎調査研究」班に端を発し,戸田剛太郎先生(平成6~10年),大西三郎先生(平成17~19年),坪内博仁先生(平成20~25年)を経て,平成26年からは筆者が研究代表者を務めている.筆者が引き継いでからは,克服研究事業から政策研究事業に代わり,病態生理の研究は含まれなくなったが,長年にわたり自己免疫性肝疾患のわが国での実態の解明や診断基準やガイドラインの作成に大きな成果を示してきた.

最近ではAIHについては2013年に作成した診療ガイドラインを2016年に改訂,PBCについては2011年に作成した診療ガイドラインを2017年に改訂,PSCについては2018年,診療ガイドラインの英語版を日本胆道学会と合同で作成,IgG4‒SCについても診療ガイドラインの英語版を,岡崎和一先生が研究代表者の厚生労働省難治性疾患政策研究事業「IgG4関連疾患の診断基準並びに治療指針の確立を目指す研究」班や各学会と合同で作成した,.これらについては,日本語版の「胆道」への投稿が予定されている.作成に当たっては,班員の方々の大きな努力に頼るところが多く,立派な診療ガイドラインを作成していただき,頭が下がる思いである.

ウイルス肝炎や肝細胞癌の病態に免疫が係わっていることが知られている.インターフェロンは免疫賦活作用により肝炎ウイルスの治療に関与し,免疫チェックポイント阻害薬が肝細胞癌に使用されるのも近い将来と考えられる.また薬物性肝障害の病態にも免疫が大きく係わっていることが知られている.特異体質による肝障害の出現にはHLA(ヒト白血球抗原)の遺伝子多型と免疫寛容現象の関与が示唆されており,免疫寛容による慣れ現象で肝障害の出現が抑制されていると推察されている.今後,薬物性肝障害の免疫学的機序の解明が待たれるところである.


滝川 一

目次

巻頭言

1.総論-Lymphoid organ としての肝臓

2.自己免疫性肝炎

(1)自己免疫性肝炎の疫学と診断

(2)自己免疫性肝不全の実態

(3)自己免疫性肝炎の治療と予後

3.原発性胆汁性胆管炎(PBC)

(1)原発性胆汁性胆管炎の疫学と診断

(2)原発性胆汁性胆管炎発症の分子機序

(3)原発性胆汁性胆管炎の治療と予後

4.B 型肝炎と免疫

(1)B型肝炎ウイルスに対する防御的免疫反応

(2)HBVワクチンによるB型肝炎治療

5.肝細胞癌治療と免疫

(1)肝細胞癌に対する免疫チェックポイント阻害薬開発の現況

(2)遺伝子改変T細胞を用いた肝細胞癌免疫療法


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