INTESTINE 2019 Vol.23 No.5 FIT 陰性癌の特徴

  • ページ数 : 86頁
  • 書籍発行日 : 2019年9月
  • 電子版発売日 : 2019年11月6日
¥3,520(税込)
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内容

特集「FIT 陰性癌の特徴)」
 わが国で開発された免疫便潜血検査(FIT)は感度・特異度とも優れており,対策型検診の一環として現在に至るまで広くに普及している.
 一方,すでに大腸癌が存在しているにもかかわらず陥凹型早期癌のようにFIT で検出できない癌,すなわち偽陰性癌の存在も懸念されている.つまり,がん検診としてのFIT がスクリーニング感度として必ずしも良好ではなく,また癌(とくに早期癌)の見逃しが避けられないことは,日常的に大腸内視鏡検査を行っている先生方には自明の理であろう.

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序文

序説

わが国の大腸癌罹患率は年々増加しており,現在男性の癌死亡原因の第3 位,女性では第1 位である.ゆえに現在そして将来における大腸癌早期発見のための対策が急務であり,さらには対策型検診のあり方についても各方面からさまざまな議論がなされている.

便潜血反応検査(fecal occult blood test;FOBT)はその簡便性や低コスト,またスクリーニング法としての死亡率減少効果についての有効性が,すでに実証されている.とくに,わが国で開発された免疫便潜血検査(fecal immunochemicaltest;FIT)は化学法よりもさらに感度・特異度とも優れており,対策型検診の一環として現在に至るまで広くに普及している.

一方で,すでに大腸癌が存在しているにもかかわらず陥凹型早期癌のようにFIT で検出できない癌,すなわち偽陰性癌の存在も懸念されている.つまり,がん検診としてのFIT がスクリーニング感度として必ずしも良好ではなく,また癌(とくに早期癌)の見逃しが避けられないことは,日常的に大腸内視鏡検査を行っている先生方には自明の理であろう.近年,大腸内視鏡検査のスクリーニングとしての重要性が欧米の大規模コホートの結果などから明らかにされている.加えて,以前と比べ現在は大腸内視鏡挿入技術も格段に上昇し,内視鏡機器自体もさらに進化し,さらには内視鏡医による啓蒙活動などもさかんに行われていることなどから,被検者側においても大腸内視鏡検査に対する敷居や抵抗感が以前よりも確実に低くなっていると感じる.つまり,今後さらに大腸内視鏡検査に対する需要は高まり,それに伴い「FIT 陰性大腸癌」が多数報告されることが予想できる.2009 年より従来の対策型検診であるFIT に大腸内視鏡検査を介入させることで大腸癌死亡率・罹患率の抑制効果を検証する試みとして,「大腸内視鏡検査による大腸がん検診の有効性評価研究;Akita study(厚生労働省第3 次対がん総合戦略研究事業)」が開始され,現在その結果が待たれている.大腸がん検診における内視鏡検査の有用性が今後さらに議論されていくものと思われる.

FIT 陰性は従来であればさらに大腸内視鏡検査が行われることは少なかったわけだが,現在は内視鏡検査自体の重要性が叫ばれるにつれFIT陰性大腸癌が多く報告されるようになり,それに伴い新たな知見や特徴などが明らかになりつつある.現時点における最新の理解を深めるために本特集が企画された.本特集が皆様の明日からの診療に役立つことを期待している.


昭和大学横浜市北部病院消化器センター
工藤 進英

目次

FIT 陰性癌の特徴

序説

Ⅰ.FIT開発の歴史と現状

(1) 免疫便潜血検査(FIT)の開発から有効性評価まで,そして現状と問題点

(2) FIT判定のとらえ方と取り扱い

Ⅱ.FITを用いた大腸がん検診の有効性と注意点

Ⅲ.FIT陰性者に対する内視鏡検診の必要性

Ⅳ.FIT陽性癌,FIT陰性癌の特徴

Ⅴ.FIT 陽性癌 vs. FIT 陰性癌

(1) 一般検診の立場から

(2) 大腸がん検診studyの立場から

(3) 内視鏡の立場から

Ⅵ.FIT 陰性癌の症例

(1) 当院で経験したFIT 陰性大腸癌の3 例

(2) FIT 陰性であったpT1b 癌

話題提供

FIT vs. 便中DNA 検査

コラム

大腸内視鏡検査による大腸がん検診の有効性評価─AKITA POP-COLON TRIAL

FIT を陰性になるまで繰り返してよいのか?

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