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- 尿道狭窄症診療ガイドライン 2024年版
商品情報
内容
尿道狭窄症の治療に携わるすべての医療従者にお届けする診療ガイドライン
8つのCQと基礎的な臨床背景を網羅したBQで構成された充実の内容です。
是非、お手に取ってご覧ください。
序文
序
尿道狭窄症は通常の外来診療でしばしば遭遇する疾患ですが,これまで診療ガイドラインと呼ばれるものは存在しませんでした。歴史的には長い間,内尿道切開や尿道拡張などの経尿道的治療が尿道狭窄症治療の主流でしたが,開放手術による尿道形成術の登場とその良好な治療成績により,尿道狭窄症の治療は大きく変わりつつあります。これを受けて海外の主要学会においても尿道狭窄症に対する診療ガイドラインを作成する流れが最近起きており,本邦においても尿道狭窄症に対する診療指針を示すガイドラインの作成が急務と考えまして,このたび,堀口明男先生を作成委員長として,「尿道狭窄症診療ガイドライン」を初めて作成いたしました。また本ガイドラインは,最新のMinds診療ガイドライン作成マニュアルに基づき,より体系的かつ透明性が担保されたプロセスを以て作成いたしましたが,尿道狭窄症に対する診療の標準的な考え方やその対応が容易にご理解いただけるよう,成書的な意味合いも含めて作成することといたしました。その結果,まず,知識,情報として共有しておくべき内容(総説)を4つのbackground question(BQ)として提示して,その後にエビデンスの比較的多い内容について海外のガイドラインでも取り上げられている6つのclinical question(CQ)と本ガイドライン独自のCQを2つ設定いたしました。これより尿道狭窄症の診療に関わる全ての医療者にとって極めて有用なガイドラインが完成したものと確信しております。
尿道狭窄症においてはプラセボを用いた多数例での無作為化比較試験がほとんどなく,レベルの高いエビデンスがほぼ存在しなかったことから,ガイドラインの作成を進めることは容易ではありませんでした。しかし,我が国においても,尿道狭窄症を適切に治療するための指針が必要であるという考えから,本ガイドラインの作成を進めました。したがってより多くの泌尿器科の先生方,ぜひ本ガイドラインを活用していただき,尿道狭窄症の診療に役立てていただければと思います。
最後になりますが,ご多忙の中,本ガイドラインの作成にご尽力いただきました作成委員ならびに評価委員の先生方,そしてご協力いただいた全てのスタッフの皆様に厚く御礼申し上げます。
2024年2月
一般社団法人日本泌尿器科学会 理事長 江藤正俊
作成にあたって
このたび尿道狭窄症診療ガイドラインを発刊できたことを大変嬉しく思います。
尿道狭窄症は最も古くから存在する泌尿器疾患の1つで,外来診療でしばしば遭遇する比較的ポピュラーな疾患といえます。現在広く普及している尿道拡張は紀元前から行われていた記録があり,内尿道切開術も数百年の歴史があるといわれています。歴史的に非常に長い期間,尿道狭窄症治療の主流は内尿道切開術や尿道拡張などの経尿道的治療でした。一方,開放手術による尿道形成術が登場して,一般的な治療として普及し始めたのは,ほんの数十年前のことです。最近数十年の間に尿道狭窄症の治療は大きなパラダイムシフトを迎えました。泌尿器科領域の再建治療を専門とする医師(reconstructive urologist)たちが経尿道的治療の有効性が極めて限定的であることを報告し,大半の尿道狭窄症を治癒させるためには尿道形成術が必要であることがわかってきました。SIU,AUA,EAUなど海外の主要な学会は相次いで尿道狭窄症の診療ガイドラインを作成し,過剰な経尿道的治療の利用に警鐘を鳴らし,尿道形成術の普及を推進してきました。少しずつではありますが,泌尿器科医の意識が変化して尿道狭窄症の診療パターンが改善しつつあります。我が国においても,尿道狭窄症を適切に治療するための指針が必要であるという考えから,本ガイドラインを作成する運びとなりました。日常診療で尿道狭窄症の治療に注力されている先生方に作成委員として参画いただきました。海外のガイドラインでも取り上げられている6つのclinical question(CQ)に加え,本ガイドライン独自のCQを2つ設定いたしました。また,尿道狭窄症に関する基本的な臨床背景についてはbackground questionとして解説するよう努めました。多くの先生方に馴染みが薄いであろう尿道形成術に関する解説にはできるだけ多くの紙面を割り当てるようにいたしました。
本ガイドライン作成においては,最新のMindsマニュアルにできるだけ準拠することを心がけました。文献検索,システマティックレビューから推奨文の書き方などについて,国際医学情報センター 逸見麻理子様から多大な協力,アドバイスをいただきました。この場を借りて厚く御礼申し上げます。また,日常臨床でお忙しい中,作成にご協力いただきました委員ならびに事務局の皆様に感謝申し上げます。本ガイドラインが尿道狭窄症の治療に携わる医師の一助となることを祈念いたします。
2024年2月
日本泌尿器科学会
尿道狭窄症診療ガイドライン作成委員会 委員長 堀口明男
目次
Background Question
BQ1 用語と疫学
(1)尿道狭窄症に関連する用語の解説
(2)尿道の解剖
1.男性尿道の解剖
2.女性尿道の解剖
(3)尿道狭窄症の原因疾患と頻度
1.尿道狭窄症の病態
2.尿道狭窄症の罹患率
3.尿道狭窄症の原因と部位
4.尿道狭窄症の分類に関する試み
BQ2 尿道狭窄症の臨床症状,検査,診断
(1)尿道狭窄症を疑う臨床症状
(2)特徴的な身体所見
1.腹部の診察
2.外陰部の診察
3.口腔内の診察
4.体位の確認
(3)尿流測定(UFM)と残尿量(PVR)
1.UFM
2.PVR
(4)画像検査
1.逆行性尿道造影(RUG)と排尿時膀胱尿道造影(VCUG)
2.尿道超音波検査(SUG)
3.膀胱尿道鏡
4.MRI
5.CT
(5)患者報告アウトカム評価(PROM)
BQ3 治療
(1)尿道狭窄症治療の診療パターン
1.尿道狭窄症の治療の変遷
2.尿道狭窄症の診療パターン
3.Reconstructive ladder という治療方針
4.専門施設化と教育システム
5.近年の診療パターンの変化
(2)経尿道的治療
1.尿道拡張
2.内尿道切開術(DVIU)
3.経尿道的治療に対する補助的手技
(3)尿道形成術
1.尿道吻合術(anastomotic urethroplasty)
2.代用組織を利用した尿道形成術)
(4)狭窄部位別の治療
1.亀頭部尿道(外尿道口・舟状窩)
2.陰茎部尿道
3.球部尿道
4.前部尿道全長狭窄
5.膜様部尿道
6.膀胱頸部
7.女性の尿道狭窄症
8.小児の尿道狭窄症
(5)尿道狭窄症治療 周術期管理について
1.尿道の安静(urethral rest)
2.抗菌薬の使用
3.尿道カテーテル管理
BQ4 フォローアップ
(1)治療効果判定
(2)尿道狭窄症治療の晩期合併症
1.尿失禁
2.男性機能障害
3.陰茎短縮・屈曲
(3)術後経過観察の頻度と期間
Clinical Question
CQ 一覧
CQ1 尿道狭窄症において尿道形成術は経尿道的治療に比べて推奨されるか?
CQ2 経尿道的治療後に再狭窄した尿道狭窄症において,尿道形成術は経尿道的治療を繰り返すことに比べて推奨されるか?
CQ3 尿道狭窄症において内尿道切開術(DVIU)で使用されるデバイスとしてcold knifeはhot knifeやレーザーに比べて推奨されるか?
CQ4 尿道狭窄症における経尿道的治療では,内尿道切開術(DVIU)と尿道拡張のどちらが推奨されるか?
CQ5 尿道狭窄症における経尿道的治療後の間欠的セルフブジーは推奨されるか?
CQ6 尿道形成術はどのような施設,どのような医師が行うべきか?
CQ7 狭窄の短い球部尿道狭窄症において,non-transecting EPA(ntEPA)はEPAより推奨されるか?
CQ8 代用組織を利用した尿道形成術で口腔粘膜は陰茎包皮と比べて推奨されるか?
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書籍情報
- ISBN:9784865175837
- ページ数:104頁
- 書籍発行日:2024年4月
- 電子版発売日:2024年5月21日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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