別冊「医学のあゆみ」動脈硬化UPDATE

  • ページ数 : 162頁
  • 書籍発行日 : 2019年12月
  • 電子版発売日 : 2020年3月9日
¥5,060(税込)
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商品情報

内容

●動脈硬化の最新研究と診断治療の最前線を各分野のエキスパートが解説!
●動脈硬化の分子機構は,細胞生物学的・分子生物学的レベルで詳細が明らかになってきた.一方,マクロファージ,炎症,脂肪酸代謝に関わる酵素群,脂肪酸結合蛋白との関係も明らかになっている.
●臨床的観点からは,糖尿病合併リポ蛋白代謝異常,高HDL血症の臨床的意義に関する最近の疫学研究,治療における性差,抗体医薬の開発による治療などについて,各領域の専門家に解説していただく.
●さらに,HDLをターゲットとした薬物療法,脂肪組織由来間葉系前駆細胞移植による血管再生療法のほか,動脈硬化性疾患予防ガイドラインや,スタチン不耐の診療ガイドなどについても最新の情報を紹介する.

序文

はじめに

冠動脈疾患や虚血性脳卒中などの疾患の基盤となる粥状動脈硬化の発症のメカニズムとして,RossらによってResponse to injury仮説が1976年に提唱され,その後2度にわたって修正が加えられた.粥状動脈硬化の分子機構は,その後発見された新たな分子によって,細胞生物学的・分子生物学的レベルでも詳細が明らかになってきた.一方,動脈硬化病変に浸潤するマクロファージのタイプ,炎症,脂肪酸代謝に関わる酵素群,脂肪酸結合蛋白などと,動脈硬化との関係も明らかになっている.また,microRNA,アンジオポエチン様因子,腸内細菌,アディポサイトカイン,肥満症・生活習慣病制御におけるエピゲノム研究なども注目を集めている.

本特集ではこのような基礎的なトピックスに加え,動脈硬化評価のための新しい画像診断,検査法についても紹介した.さらに,臨床的観点からは,糖尿病合併リポ蛋白代謝異常,高HDL血症の臨床的意義に関する最近の疫学研究,CETP欠損症,HDLの機能評価,動脈硬化治療における性差,早発性冠動脈疾患を高頻度に合併する家族性高コレステロール血症の原因遺伝子としてのPCSK9の発見と,抗体医薬の開発による治療についても,各専門領域の最前線で活躍しておられる研究者・臨床家に解説していただいた.

さらに,本特集では動脈硬化の予防・治療の観点から,新たな選択的PPARαモジュレーター,開発中の抗PCSK9アンチセンス薬,HDLをターゲットとした薬物療法,脂肪組織由来間葉系前駆細胞移植による血管再生療法,動脈硬化性疾患予防ガイドラインやスタチン不耐の診療ガイドなどについても最新の情報を紹介した.

本書を熟読していただくことにより,動脈硬化の最新の研究と診断・治療の最前線を広く,また深く理解できる絶好の機会となろう.本書を多くの方々にご活用していただき,研究や診療の一助となれば,編者にとってこの上ない喜びである.


りんくう総合医療センター病院長,大阪大学大学院医学系研究科
総合地域医療学寄附講座特任教授
山下 静也

目次

はじめに

基礎

1.PCSK9の多面的役割と動脈硬化への関与

Keyword PCSK9,家族性高コレステロール血症(FH),LDL受容体,多面的作用,動脈硬化症

2.脂肪酸代謝と動脈硬化―動脈硬化を標的とした脂肪酸の量的・質的制御

Keyword 脂肪酸,SREBP,Elovl6,マクロファージ,インフラマソーム

3.動脈硬化の残余リスクとしての炎症

Keyword 残余リスク,急性冠症候群,血管内皮細胞,IL-1β,カナキヌマブ

4.動脈硬化病変形成におけるマクロファージの役割

Keyword マクロファージ,泡沫細胞,ピノサイトーシス,エフェロサイトーシス,カルパイン

5.microRNAと動脈硬化

Keyword microRNA,SREBP,ABCA1,HDLコレステロール(HDL-C),不安定プラーク

6.アンジオポエチン様因子と心血管疾患

Keyword ANGPTL2,メタボリックシンドローム,血管炎症,ANGPTL3,高LDLコレステロール血症

7.腸内細菌と動脈硬化性疾患―現在までのエビデンスと今後の展望

Keyword 腸内細菌叢,冠動脈疾患,TMAO,Bacteroides

8.動脈硬化の新たな治療ターゲットとしての脂肪酸結合蛋白

Keyword 脂肪酸結合蛋白(FABP),アディポカイン,肥満,インスリン抵抗性,動脈硬化

9.新規アディポサイトカインと心血管病

Keyword 心血管病,アディポサイトカイン,オメンチン,CTRP9,アディポリン

10.肥満・生活習慣病におけるエピゲノム研究

Keyword エピゲノム,環境,ヒストン,ヒストン脱メチル化酵素,生活習慣病,ベージュ脂肪細胞,褐色脂肪細胞

11.動脈硬化の実験動物モデルの現状および今後の課題

Keyword 動脈硬化,動物モデル,ウサギ,マウス,高脂血症

12.NAFLD/NASHと動脈硬化をつなぐ分子メカニズム

Keyword NAFLD,NASH,動脈硬化,低HDL-C血症,高TG血症,デスモステロール,コレステロール,LXR

診断

13.血管内視鏡からみた大動脈プラーク破綻とコレステロール結晶

Keyword 血管内視鏡,大動脈,プラーク,コレステロール結晶

14.次世代の血管内視鏡―動脈硬化血管における最新のイメージング技術

Keyword 血管内視鏡,カテーテル,イメージング,"見える化",血管内治療

15.家族性高コレステロール血症診断のためのアキレス腱肥厚測定

Keyword 家族性高コレステロール血症(FH),黄色腫,アキレス腱肥厚測定,X線撮影,アキレスキャン

検査

16.腸管の脂質吸収と血管内皮機能障害

Keyword 冠動脈ステント,酸化ステロール,スタチン,エゼチミブ,血管内皮機能

17.食後高脂血症,カイロミクロンレムナント代謝の評価のためのアポ蛋白B-48測定

Keyword アポ(リポ)蛋白B-48,カイロミクロンレムナント,食後高脂血症,動脈硬化,残余リスク

18.高中性脂肪血症の遺伝子-環境連関―apo A-V欠損症からの新知見

Keyword カイロミクロン(CM),超低比重リポ蛋白(VLDL),動脈硬化,遺伝子-環境連関,治療法開発

臨床

19.糖尿病におけるリポ蛋白代謝異常とその治療

Keyword 糖尿病,リポ蛋白代謝異常,レムナント,small dense LDL,インスリン抵抗性,リポ蛋白リパーゼ

20.高HDL血症と心血管イベントに関する疫学研究からの知見―日常診療で高HDL血症をみつけたらどうするか

Keyword HDLコレステロール(HDL-C),疫学研究,CETP欠損症,コホート研究,プライマリケア

21.CETP欠損症からみたコレステロール逆転送と動脈硬化

Keyword コレステリルエステル転送蛋白(CETP),高比重リポ蛋白(HDL),コレステロール逆転送系・動脈硬化

22.HDLコレステロール引き抜き能とその臨床応用

Keyword 高比重リポ蛋白(HDL),HDLコレステロール(HDL-C),コレステロール引き抜き能,コレステロール取り込み能

23.高齢者における脳心血管病のリスクと治療における性差

Keyword 冠動脈疾患,脳卒中,性差,性ホルモン,ホルモン補充療法

治療

24.抗PCSK9核酸医薬の登場が意味するもの

Keyword PCSK9,核酸医薬,siRNA,アンチセンスオリゴヌクレオチド,モノクローナル抗体医薬

25.選択的PPARαモジュレーター

Keyword トリグリセリド(TG),HDLコレステロール(HDL-C),残余リスク

26.HDLをターゲットとした薬物療法

Keyword HDL,CETP阻害薬,ナイアシン,アポA-I模倣ペプチド,HDL infusion薬

27.スタチン不耐――新たな残余リスクとしての意義と対策

Keyword スタチン不耐,スタチン関連筋症状(SAMS),横紋筋融解,ノセボ効果

28.『動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017』の総括と次期改訂へ向けた提言

Keyword 動脈硬化性疾患予防ガイドライン,原発性脂質異常症,包括的リスク管理

29.脂肪組織由来間葉系前駆細胞移植による血管再生療法

Keyword 血管再生療法,脂肪組織由来間葉系前駆細胞,血管新生,血管内皮前駆細胞,パラクライン効果


サイドメモ

パターン認識受容体

NLRP3インフラマソームと動脈硬化

カナキヌマブ

Lipopolysaccharide

アディポサイトカイン

エピゲノム

ヒストン修飾

血管内視鏡に関する研究会

内視鏡の起源

心臓カテーテル

"Project OVALIS"

酸化ステロール

レムナント代謝

EPOCH-JAPAN研究

機能不全HDL

PCSK9欠損ゼブラフィッシュは胎生致死

スタチン不耐対応例

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書籍情報

  • ISBN:9784006528510
  • ページ数:162頁
  • 書籍発行日:2019年12月
  • 電子版発売日:2020年3月9日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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特記事項

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