乳房 画像診断の勘ドコロNEO

  • ページ数 : 396頁
  • 書籍発行日 : 2024年7月
  • 電子版発売日 : 2024年7月3日
9,680
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商品情報

内容

シリーズ第9弾は乳房。マンモグラフィ,エコー,MRI,PET/CT等,各モダリティの原理と診断はもちろん,それらの総合判断,さらには読影と診断に必須となる乳房の解剖や病理,術前化学療法の判定,妊娠期・授乳期の診断といった乳房画像診断特有の注意すべき項目,リンパ節や他臓器への転移や乳がん検診まで網羅。
乳房画像診断の全体像と現状を俯瞰できる1冊!

序文

序文


“新・乳房画像診断の勘どころ”の編集をさせていただいたのが,すでに2016年,はや8年が経過した。この間,乳房の画像診断にかかわる多くのガイドラインが改訂された。2018年に第18版となった日本乳癌学会編の臨床・病理 乳癌取扱い規約では,乳癌の分類,名称が変更となり,その後,乳癌診療ガイドラインやマンモグラフィガイドライン,乳房超音波診断ガイドライン,検診カテゴリーと診断カテゴリーに基づく乳がん検診精検報告書作成マニュアルさらに,超音波による乳がん検診の手引きなどがすでに改訂されている。

そのような状況のなかで,“新・勘どころ”の内容は現在でも十分に有用ではあるものの,定義や新たな流れに追い付いていない部分もあると感じていた。ほかの領域ではすでにNEO版としてバージョンアップされており,乳腺診療に携わる多くの医療者の役に立っている状況のなか,今回,ありがたいことに乳腺領域もNEOシリーズに加えていただくこととなった。執筆陣はまさに現在検診,診療,研究を担っている若手,中堅の先生方にも新たにお願いした。前回の“新・勘どころ”では,硬癌,充実腺管癌,乳頭腺管癌となっていた定義を,浸潤性乳管癌硬性型,充実型,腺管形成型とすでに浸透している病理分類に揃えた。また,BIA—ALCLなどの現在では必須事項の知識も加えた。検診では,今後の層別化検診の方向性についても執筆いただいた。

この数年の間,乳房を取り巻く臨床は大きく変貌している。しかし,画像診断はその根底を支えており,その重要性はさらに増している。 “新・勘どころ”が好評をいただいていたことから,章立てはほとんど変更していないが,上記のように新しく定義された項を盛り込み,画像も変更して新たな画質のよいものに変更させていただいた。

振り返ると,2016年の“新・勘どころ”の序文に“いっぱいの心配を抱えて受診する女性達の適切な診療に役立つことを願って”と記載した。その思いは現在でも変わらない。本書が乳房の画像診断を学ぼうとする医療者に有用であることを信じ,ひいては受診者の診療に役立つことを願っている。

最後になりましたが,日常の多忙な時間を割いて,診療に役立つ内容を全く新たに,あるいは“新・勘どころ”をバージョンアップする形で執筆くださった執筆の先生方に心から御礼申し上げます。また,メジカルビュー社の苅谷氏に厚く御礼申し上げます。


2024年5月

角田博子

目次

第1章 診断のモダリティの画像作成の原理

01 原理を知って読影に役立てよう  白石昭彦

02 乳房トモシンセシス  鯉淵幸生,藤田克也

03 被ばく  中島一彰

04 デジタル装置の基礎とソフト  桜井正児

05 Bモード像(組織特性を含む)  桜井正児

06 カラードプラ  加奥節子

07 エラストグラフィ  椎名 毅

08 MRIの原理  印牧義英

09 PET/CTの基礎  板垣孝治,三宅可奈江

第2章 乳房の解剖を読み解く

01 マクロ病理とミクロ病理  山口 倫,森田 道,田中眞紀

02 マンモグラフィ  鯨岡結賀

03 超音波①:膜の構造を意識した正常との対比  角田博子,矢形 寛

04  超音波②:乳腺の基本構造は,どこにみえている? 隠れている?  何森亜由美

05 MRI  松林(名本)路花

第3章 病理

01 乳腺疾患の組織型分類堀井理絵

02 サブタイプの理解  山口 倫,森田 道,田中眞紀

第4章 モダリティの基礎

01 標準撮影と追加撮影,病変の位置  鯨岡結賀

02 ハードコピーとモニタ診断の読影方法  角田博子

03 Bモードの操作方法  木村芙英

04 カラードプラの注意点  奥野敏隆

05 エラストグラフィの注意点  伊藤吾子

06 撮像の考え方  片岡正子,阪口怜奈,大野文美

07 アーチファクト,normal variation  高瀬正行

08 偽陽性,偽陰性などの注意  髙田ゆかり

第5章 診断の基本

01 マンモグラフィガイドライン  白岩美咲

02 腫瘤  白岩美咲

03 石灰化  白岩美咲

04 その他の所見  白岩美咲

05 腫瘤  坂 佳奈子

06 非腫瘤性病変  坂 佳奈子

07 腫瘤  川島博子

08 非腫瘤性病変(NME)  後藤眞理子

09 PET/CT  髙田ゆかり

10 比較読影  坂 佳奈子

第6章 各種疾患の画像診断

01 非浸潤性乳管癌(DCIS):マンモグラフィ  中島一彰

02 非浸潤性乳管癌(DCIS):超音波像  渡辺隆紀

03 非浸潤性乳管癌(DCIS):MRI  印牧義英

04 浸潤性乳管癌  植松孝悦

05 粘液癌(mucinous carcinoma)  川上紘平,角田博子

06 浸潤性小葉癌  宮城由美

07 扁平上皮癌(squamous cell carcinoma)  高橋洋子,秋谷昌史,春山優理恵

08 髄様癌(medullary carcinoma)  久保田一徳

09 浸潤性微小乳頭癌(invasive micropapillary carcinoma)  國分優美,大迫 智

10 その他の浸潤癌  宮城由美

11 Paget病(Paget’s disease)  久保田一徳,岡澤かおり

12 乳腺原発悪性リンパ腫(malignant lymphoma)  加藤仁美,白石昭彦

13 線維腺腫(fibroadenoma)  藤岡友之

14 葉状腫瘍(phyllodes tumor)  藤岡友之

15 過誤腫(hamartoma)  木村芙英

16  乳管内乳頭腫(intraductal papilloma;IP)  松林(名本)路花,岩熊伸高

17  乳管腺腫(ductal adenoma)(ほぼ同義:sclerosing intraductal papilloma)  松林(名本)路花,岩熊伸高,藤原美奈子

18 乳腺腺筋上皮腫(adenomyoepithelioma)  稲垣麻美

19  硬化性腺症(SA),放射状瘢痕(RS)/複雑型硬化性病変(CSL)  森田孝子

20 囊胞(cyst)  渡辺隆紀

21 乳腺症(fibrocystic change, mastopathy)  渡辺隆紀

22 糖尿病性乳腺症(diabetic mastopathy)  中島一彰

23 乳管拡張症(mammary duct ectasia)  大庭 建

24 mucocele—like tumor(MLT)  宮城由美

25 脂肪壊死(fat necrosis)  伊藤吾子

26 乳輪下膿瘍(subareolar abscess)  門澤秀一

27 乳腺炎(mastitis)  門澤秀一

28 肉芽腫性乳腺炎(granulomatous mastitis)  門澤秀一

29 乳瘤(galactocele)  木村芙英

30 シリコン肉芽腫(silicone granuloma)  大庭 建

31 線維腫症(fibromatosis)  植松孝悦

32 女性化乳房(gynecomastia)  石原節子

33 乳房シリコンインプラント(SBI)についての臨床  名倉直美

34 乳房シリコンインプラント(SBI)に関する画像  八木下和代・角田博子

35 BIA—ALCL  竹原侑里,名倉直美,吉田 敦

第7章 総合画像診断

01 日常臨床における総合画像診断  角田博子

02 乳癌の広がり診断  角田博子

第8章 術前化学療法の効果予測と判定

01 マンモグラフィ  宮城由美

02 乳房超音波  中島一毅

03 MRIによる術前化学療法の効果予測と判定  植松孝悦

04 PET/CT  久保田一徳

第9章 リンパ節の画像診断

01 リンパ節の画像診断  越智友洋

第10章 妊娠期・授乳期における診断

01 妊娠期・授乳期画像診断での必要事項  関根 憲

第11章 転移とその鑑別

01 肺転移と鑑別診断  松迫正樹

02 肝転移と鑑別診断  門澤秀一

03 脳転移と鑑別診断  本田 聡

04 骨転移と鑑別診断  本田 聡

05 その他の転移  久保田一徳

第12章 乳がん検診

01 検診をどう理解するか  角田博子

02 日本の乳がん検診の流れ  角田博子

03 超音波検診  坂 佳奈子

04 非腫瘤性病変  島田友幸

05  これからの乳がん検診:HBOCを含む遺伝医療の発展とともに  喜多久美子

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書籍情報

  • ISBN:9784758316194
  • ページ数:396頁
  • 書籍発行日:2024年7月
  • 電子版発売日:2024年7月3日
  • 判:B5変型
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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