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商品情報
内容
在宅療養者にかかわる医療・介護専門職が、予期せぬ急変に遭遇した際にベストを尽くすためのトレーニングテキストがここに誕生! 療養者の転倒、発熱、様子がおかしい、意識がない…訪問時の「困った!」「こんな時、どうする」への対応をシナリオ形式で解説。適切な観察、他職種・医師への報告、応急処置など、マスターしたい知識がこの1冊に。
序文
はじめに
本書を手に取ってくださった方、はじめまして! 私は宮本雄気と申します。この書籍を執筆している2024年6月現在、「救急医療」と「在宅医療」という2つのフィールドで、これらのより良い協働を目指して日々活動しています。
在宅医療・介護の分野で仕事をしていると、いろいろな方から「急変対応が怖い」「状態悪化時の連絡のタイミングがわからない」「他の職種の方にうまく報告できない」などの相談を聞くことがあります。詳しく話を聞いてみると、以前から急変対応の講義は地域でも頻繁に行われていたようです。しかし、座学だけでは実践力が身につかず、恐怖心や不安は拭えなかったといいます。
救急医療の分野では「シミュレーション学習」という教育手法が確立されています。シミュレーション学習では実際に体を動かして症例をよりリアルに体験することで、実践力をつけることができるのです。
前述の在宅医療・介護に関わる方からの悩みに応えるため、このシミュレーション学習を在宅医療・介護の現場に取り入れ、まさに「在宅医療×救急医療」のマインドで作られたのが、現在の在宅RESCUEコースの前身です。
このような経緯でコースの骨子が固まり、いざ全国の在宅医療・介護専門職へ知ってもらおうと考えていた矢先に、新型コロナウイルス感染症が全国的に流行しました。私もKISA2隊という名前のチームを立ち上げ、全国に先駆けて新型コロナウイルス感染症患者に対する訪問診療を行っていました。このような経験から、新たに感染対策のシミュレーション学習も加えたのが、現行の在宅RESCUEコースになります。このように在宅RESCUEコースは「現場でよくある悩み」ばかりを取り扱った内容になっています。
本書のシナリオ編では主に介護専門職の方が登場します。しかし、本書は介護専門職の方だけではなく、ケアマネジャーや薬剤師、歯科医師、歯科衛生士、栄養士、セラピスト、医師や看護師など、在宅医療・介護に関わるすべての職種の方に有用です。すでに全国各地で「薬剤師のための在宅RESCUEコース」「歯科医師・歯科衛生士のための在宅RESCUEコース」など、より現場に即した内容にアレンジしながら開催されています。
そしてもう一つ、手前味噌ながら、このコースの良いところをお伝えしたいと思います。それは、在宅RESCUEコースでは「一度受講した者は、次にインストラクターとなって他の人を教えることができる」というシステムを取っていることです。「教えることは、また学ぶことである」と言われています。在宅RESCUEコースを学んだ方は、ぜひ自分たちの地域でこのコースを開催し、教えることを通して繰り返し学んでほしいと思います。そして、職種に関係なく、時に教え、時に教わりながらこの在宅RESCUEコースの輪が、そして地域医療・介護の連携の輪が全国各地で広がっていくことを願っています。
最後になりますが、本書の発刊に際し、私に在宅医療の本質を優しく教えてくださり、本書の推薦の言葉もくださった石垣泰則先生、本コースの開発に多大な協力をいただき、激励の言葉をくださった山畑佳篤先生、在宅RESCUE(Report,Evaluate and Support Care for Unexpected Emergency)コースの名付け親である山田淑恵先生、在宅RESCUEコースの運営に多大なご助力をいただいている村上成美さんを始めとする在宅RESCUEコース事務局メンバーの皆さま、そして遅筆な私を最後まで諦めずにサポートしていただいたメディカ出版の皆さまに心から感謝申し上げます。
2024年6月
宮本雄気
目次
・推薦の言葉
・はじめに
【第1章】在宅療養者の急変に遭遇したら
1 在宅医療・介護における急変対応はなぜ難しいのか?
2 在宅RESCUEコースとは?
3 介護専門職における医行為
【第2章】RESCUEフローチャート
1 RESCUEフローチャートの目的
2 RESCUEフローチャート
3 いつでも重要! 意識+ABC
4 意識+ABCの評価 ①意識の評価方法
5 意識+ABCの評価 ②呼吸の評価・呼吸数の測定
6 意識+ABCの評価 ③酸素飽和度の測定
7 意識+ABCの評価 ④自動血圧計を用いた脈拍・血圧の測定
8 意識+ABCの評価 ⑤体温測定
9 コミュニケーションの合言葉! SBAR
10 救命処置 ~療養者の意識がないとき~
11 意識も呼吸もない状態なら心肺蘇生!
【第3章】在宅医療・介護の現場における感染対策
1 総論:感染はどのようにして起こるのか?
2 病原体の曝露を最小限にするために ①感染経路
3 病原体の曝露を最小限にするために ②個人防護具
4 病原体の曝露を最小限にするために ③個人防護具の着脱方法
5 病原体の曝露を最小限にするために ④標準予防策
6 病原体の曝露を最小限にするために ⑤個人防護具以外にできる感染対策
【第4章】シナリオ編:在宅急変への対応の実際
症例1 訪問時、転倒していた高齢者
症例2 訪問時、発熱しているとわかった高齢者
症例3 「朝からずっと寝ている」高齢者
症例4 「様子がおかしい」高齢者
症例5 高齢者の急変 ①アナフィラキシー
症例6 高齢者の急変 ②心肺停止
症例7 高齢者の急変 ③気道異物(窒息)
【Tips!】
【Tips!】
意識の評価方法で困るあれこれ
呼吸数の評価方法で困るあれこれ
119番通報したとき、何を聞かれるの?
ACPって何? DNARと違うの?
窒息に対し指でかき出す、掃除機を使うなどの方法は有効?
【Advanced lecture】
【Advanced lecture】
呼吸様式の評価
その他、知っておくべき特徴的な呼吸
パルスオキシメータの値が正常なら絶対大丈夫?
体温の解釈 ~熱がないから大丈夫?~
SBARのAやRを医師以外の職種が行ってもいいの?
頚椎損傷を疑う傷病者が嘔吐しそうなときは?
人工呼吸って必要なの?
エアロゾル感染について詳しく知りたい!
手袋は二重にしたほうがよいの?
入浴介助時にN95マスクは必須ですか?
倒れている人を見かけたとき、なぜ「動かすな!」というの?
【Column】
【Column】
パルスオキシメータがなかった時代ってどうしていたの?
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書籍情報
- ISBN:9784840485074
- ページ数:168頁
- 書籍発行日:2024年8月
- 電子版発売日:2024年7月26日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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