J. of Clinical Rehabilitation33巻9号 介護保険リハビリテーションマネジメントの現状と課題~医療・介護連携を進めるために~

  • ページ数 : 100頁
  • 書籍発行日 : 2024年8月
  • 電子版発売日 : 2024年8月2日
2,860
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商品情報

内容

●令和6年度の診療・介護報酬の改定で医療と介護の連携強化が進めることが明示され,介護保険の生活期リハビリテーションに対する医師の関わりや指示の明確化が求められている.また,医師やリハ職をはじめとする多職種でチームを形成し,マネジメントを実践していることが特徴である.
●本特集では,豊富な経験を持つ著者陣が介護保険のリハビリテーションマネジメントの概要と現状,実践方法,課題までを詳解.医療保険の疾患別リハビリテーション治療と,介護保険の生活期リハビリテーションマネジメントの連携が深まることを目的とする内容となっている.

序文

特集にあたって

2019 年より医療保険の疾患別リハビリテーション治療が終了した後は,介護保険の生活期リハビリテーションマネジメントと役割分担が明確化した.医療保険の疾患別リハビリテーションの役割は機能回復やADL 向上だが,介護保険の生活期リハビリテーションの役割は生活機能の維持・向上,自立した生活の推進等とされている.介護保険制度は,単に介護を要する高齢者の身の回りの世話をするだけではなく,高齢者の尊厳を保持し,自立した日常生活を支援することを理念とした制度である.しかし,介護分野では,介護を要する高齢者ごとに病気や病状はさまざまである.また,医療における「治療効果」等の医療関係者間で意見が一致した評価指標が必ずしも存在するわけではなく,利用者等,1 人ひとりの多様なニーズや価値判断が存在する.一方,昨今では介護保険の生活期リハビリテーションでも,科学的手法に基づく分析を進め,それぞれの利用者への生活支援だけでなく,科学的根拠に基づいた自立支援・重度化防止等の取り組みを進めていくことが期待されている.厚生労働省は,2021 年から「科学的介護情報システム(Long-term care Information system For Evidence;LIFE)」を開始して,データに基づいてPDCA サイクルを推進し,介護保険の生活期リハビリテーションの質の向上につなげることを目指している.

のある質の高いリハビリテーション医療が実践される.リハビリテーション医療の要であるリハビリテーション診療では,ヒトの活動に着目し,まず,診察,検査,評価を行ったうえで問題点を明らかにし,活動の予後を予測する.この一連のプロセスがリハビリテーション診断である.そして,その活動の予後を最良にするのがリハビリテーション治療である.介護保険のリハビリテーションマネジメントを行ううえでも,このリハビリテーション医学・医療とリハビリテーション診療の概念を理解しておくことが重要である.

令和6 年度の診療・介護報酬の改定では医療と介護の連携強化を進めることが明示されており,介護保険の生活期リハビリテーションに対する医師のかかわりや,指示の明確化等が求められている.また,介護保険の生活期リハビリテーションでは,医師,理学療法士,作業療法士,言語聴覚士,義肢装具士,歯科医師,看護師,管理栄養士等が,介護支援専門員/ケアマネジャー,介護福祉士等とチームを形成しマネジメントを実践しているのが特徴である.そこで今回,改めて介護保険のリハビリテーションマネジメントにおいて豊富な経験をもつ先生方に,各リハビリテーションマネジメントの概要と現状,実践方法,課題等を解説していただいた.本特集により,医療保険の疾患別リハビリテーション治療と介護保険の生活期リハビリテーションマネジメントとの連携が深まることを願っている.


(編集委員会 企画担当:三上幸夫)

目次

特集 介護保険リハビリテーションマネジメントの現状と課題~医療・介護連携を進めるために~

特集にあたって(三上幸夫)

介護保険制度の現状と課題(上田貴代)

通所リハビリテーションの現状と課題(近藤国嗣)

訪問リハビリテーションの現状と課題(本田賢次郎 岡本隆嗣・他)

介護老人保健施設でのリハビリテーション・マネジメントの現状と課題(大河内二郎)

医療保険と介護保険のリハビリテーション連携の現状と課題(三上幸夫 塩田繁人・他)

連載

リハなひと

 理学療法士/株式会社える代表取締役社長 河添有希さん

巻頭カラー リハビリテーション科医が知っておくべき最新の義肢構成パーツ

3.最新のソケット「ダイレクトソケット」(山崎健治)

“こんなときどうする?” リハビリテーション臨床現場のモヤモヤ解決!令和版

リハビリテーション科運営編:(2)リハビリテーション科スタッフの増員がうまくいかない(千田益生)

ニューカマー リハ科専門医

(赤倉奈穂実)

最新版! 摂食嚥下機能評価―スクリーニングから臨床研究まで

3.その他の水飲みテスト(30ml,3oz,100ml)(坂口紅美子 大橋美穂・他)

リハビリテーション科医に必要な消化器疾患の知識と近年の進歩

2.食道がん周術期運動療法の有用性(羽田綾馬 境井勇気・他)

地域リハビリテーションの現状と今後

11.地域リハビリテーションにおけるプロボノ活動―当法人のプロボノ活動による地域づくり支援を中心に―(大野重雄 梅津祐一)

リハビリテーション科医師に必要な診察,評価手技

6.認知機能(MMSE,HDS-R)(荒川英樹)

知っていてほしい義肢装具とその実際

10.小児の義手と義足(藤原清香 柴田晃希)

リハビリテーション関連職の現状と展望

5.薬と生活をつなぐ唯一の職種となるために,薬剤師とリハビリテーションとの連携(中道真理子 武田泰生)

臨床経験

先天性橈尺骨癒合症に対する術後作業療法の経験(中村亘佑 青木昌弘・他)

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書籍情報

  • ISBN:9784006203309
  • ページ数:100頁
  • 書籍発行日:2024年8月
  • 電子版発売日:2024年8月2日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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