最新主要文献でみる 脳神経外科学レビュー 2025-'26

  • ページ数 : 448頁
  • 書籍発行日 : 2024年9月
  • 電子版発売日 : 2024年9月12日
19,800
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商品情報

内容

好評定番“レビューシリーズ”の中でも人気の「脳神経外科」の2025-'26年版!

脳神経外科分野のエキスパートによって厳選された、直近2年間を中心に国内外で発表された最新文献のレビューです。
広く最近のトピックスとその要点を把握でき、脳神経外科専門医だけでなく、専門医を目指す方にも必携の1冊です。

序文

序(2025-’26 年版)

いまだ未知の領域の多い脳神経疾患に対する新たな知見や情報発信は毎年膨大な数に上り,それを,各個人が遍く網羅し理解することは到底困難である.しかし,日常の臨床現場に携わる脳神経外科臨床医としては,現場の日常診療の多忙の中でも,常に最新情報に目を配り,そして理解し,目まぐるしく変遷する基礎および臨床の新知見を可能なかぎり会得し,臨床現場にいち早く反映する必要性がある.

そのような要望から生み出された,本書「最新主要文献でみる 脳神経外科学レビュー」は,脳神経疾患全般の必要不可欠な情報を把握する一助としての役割を担うこととなり,初版から好評を博している.これら多くの購読者の後押しもあって,この度,第3 版(2025-ʼ26 年版)を刊行することとなった.

項目分けとしては,前回を踏襲して,「脳腫瘍」,「脳血管障害」,「脳外傷」,「定位・機能」,「小児」,「脊髄・脊椎・末梢神経」,「水頭症」,「感染症」,「神経科学」,「手術・手技」,「画像診断」の11 項目としたが,前回の62 名の執筆者のうち,8 名を入れ替え,前回からの継続執筆を依頼するメンバーとの間に,新たな息吹を吹き込んでいただいた.執筆内容も各執筆者にあわせて,項目は適時変更していただいた.

項目別に主な内容を概観すると,「脳腫瘍」では,「WHO 中枢神経系腫瘍分類 第5 版」の発刊後,人工知能(AI)を用いた予測診断報告が急増し,新たな解析報告がされつつあるとともに,分子生物学的な診断結果に基づいた治療薬の開発も進んでいる.また,下垂体腫瘍の新分類(Pit NETs criteria)に基づいての治療法の再検討が進んでいる.「脳血管障害」では,「脳卒中治療ガイドライン2021〔改訂2023〕」からの課題の抽出と模索,そして本邦では未承認の新薬や治療機器開発の臨床治験の報告が目白押しである.一方,医師の働き方改革による医療提供体制の整備,特に,脳卒中治療における遠隔医療ガイドラインの制定と診療報酬改定によるその実施体制の模索が続いている.「脳外傷」では,国際スポーツ脳震盪会議が「アムステルダム声明」として発表し,各種スポーツ管理ツールの報告と受傷後の一連のマネジメント指針を形成している.「定位・機能」では,てんかんに対する外科治療で,本邦で,VNS に引き続き,DBS が新たに保険承認され,また,焦点てんかんに対してのFUS の臨床試験が報告されている.「小児」では,脊髄髄膜瘤胎児手術の早期安全性試験が,近未来の保険収載を目標として検討されている.「脊髄・脊椎・末梢神経」では,内視鏡下手術の報告や手術ロボット応用の報告が増加している.また,椎間板内酵素注入療法の実臨床における長期治療成績の報告が相次いでいる.「水頭症」では,新たな頭蓋内圧のモニタリングの模索と新規治療法の検討が進みつつある.「感染症」は,COVID-19 の出現で,我々人類は脅威に曝された苦い経験から,決して忘れてはならない重要な要点を網羅している.「神経科学」では,ES やiPS 細胞を用いた再生医療の臨床試験が進行中であり,さらに,脳卒中,パーキンソン病,脊髄損傷への応用が注目されている.「手術・手技」では,AI と仮想現実(AR)技術が手術用顕微鏡,神経内視鏡,3D 外視鏡と統合することによるロボット手術導入が進んでいる.「画像診断」では,MRI の新たな解析技術の可能性など今後の技術進化の最先端の報告が相次いでいる.

このように,今回も,すべての執筆者が,数多くの文献を網羅して,現在必要不可欠の情報を網羅し,また,新知見をわかりやすく解説していただき,現在の最先端脳神経研究の基礎および臨床情報をまとめてくださり,その結果,我々の明日からの臨床にも役立つ情報や今後数年間に配慮すべき方向性を指南していただいた.この場を借りてすべての執筆者に深謝申し上げるとともに,これら新たな研究が今も難病ひしめく脳神経疾患解明への光明となることを祈念している.

最後に,本書の企画,立案,編集を全面的に支えてくださった総合医学社編集部のメンバーに感謝しつつ序文に替える.


令和6年8月

新井 一 順天堂大学 名誉教授
若林俊彦 名古屋大学 名誉教授

目次

I章 脳腫瘍

1 中枢神経系腫瘍 update 第5版改訂後の現状と問題点および将来展望

2 Diffuse midline glioma

3 小児悪性脳腫瘍の分類と展望

4 グリオーマ遺伝子解析 update

5 脊椎・脊髄腫瘍 update

6 良性脳腫瘍の遺伝子解析と治療

7 下垂体腫瘍 update

II章 脳血管障害

8 脳血管障害と遺伝子

9 未破裂脳動脈瘤の自然歴と治療

10 脳血管奇形の治療

11 もやもや病の治療

12 硬膜動静脈瘻

13 脳梗塞急性期と慢性期の抗血小板療法

14 脳卒中再発予防のための抗凝固療法

15 脳卒中の医療提供体制と地域,施設間連携

16 血管内再開通療法

17 脳動脈瘤塞栓術(Coil,WEB 他)

18 脳動脈瘤に対するフローダイバーター

19 頚動脈狭窄に対するCEAとCAS

20 脳卒中の予防(高血圧,高脂血症 他)

III章 脳外傷

21 重症頭部外傷(最近の治療)

22 スポーツによる脳振盪(sports related concussion:SRC)

23 児童虐待 ―特にATH(abusive head trauma)の現状と課題―

24 外傷に伴う高次脳機能障害

IV章 定位・機能

25 てんかんの診断と治26療

26 ニューロモデュレーション

27 パーキンソン病と不随意運動の治療

28 FUS治療の現状と将来

29 痙縮の治療

30 定位放射線治療の現状と展望

V章 小 児

31 脊髄髄膜瘤(胎児手術を含めた最近の進歩)

32 脊髄脂肪腫

33 頭蓋縫合早期癒合症

34 頭蓋内嚢胞性病変

VI章 脊髄・脊椎・末梢神経

35 椎間板治療の現状(椎間板内酵素注入療法と椎間板再生)

36 脊髄・脊椎領域におけるロボット手術

37 骨粗鬆症性椎体骨折の治療戦略と現在の課題

38 FESS (full-endoscopic spine surgery)

39 脊髄・脊椎領域におけるexoscope

40 脊髄・脊椎の画像診断

VII章 水頭症

41 正常圧水頭症 診断と治療

42 小児の水頭症

VIII章 感染症

43 脳炎・髄膜炎

44 脳膿瘍

IX章 神経科学

45 多能性幹細胞を用いた神経再生医療

46 神経疾患に対する細胞療法

47 グリオーマに対する新規分子標的薬

48 鏡視下手術の展望

49 脳機能解析

50 遺伝子治療

Ⅹ章 手術・手技

51 神経内視鏡

52 定位放射線治療

53 手術用顕微鏡と3D外視鏡の進化

54 術中蛍光診断技術

55 ハイブリッド手術室と術中画像診断

56 術中ナビゲーション

57 術中モニタリング

XI章 画像診断

58 画像診断と人工知能

59 MRIの最新情報

60 血流と髄液動態のMRI

61 核医学検査の最新情報

62 術前シミュレーション画像

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書籍情報

  • ISBN:9784883784752
  • ページ数:448頁
  • 書籍発行日:2024年9月
  • 電子版発売日:2024年9月12日
  • 判:AB判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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