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- 医療的ケア児等コーディネーター実践テキスト
商品情報
内容
医療の発展により重症心身障害児とは支援内容が異なる多様な医療的ケア児たち。従来の福祉制度が使えない、成長に伴って適切な生活の場が見つからないなどといった多くの課題がある。それらに対しコーディネーターがまず知っておきたい基本の知識、そして、医ケア児本人と家族の抱える課題にどうアセスメントし、支援していくか事例やプラン例を用いて解説する。
序文
はじめに
医療的ケア児等コーディネーター養成は、2016(平成28)年から地域生活支援促進事業に位置づけられた「医療的ケア児等コーディネーター養成研修等事業」に伴いスタートし、2019(平成31)年3月に「医療的ケア児等総合支援事業」において、医療的ケア児等コーディネーター(以下、コーディネーター)の養成・配置が全国で一気に推進されてきました。2021(令和3)年9月には、「医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律」(以下、医療的ケア児支援法)も施行され、コーディネーターが支援すべき、医療的ケア児について「日常生活及び社会生活を営むために恒常的に医療的ケアを受けることが不可欠である児童(18歳以上の高校生などを含む)」と定義づけられました。そのなかで、コーディネーターの役割は、医療的ケア児とその家族が安心して地域で暮らしていけるよう、医療的ケア児に関わる医療・母子保健・保育・教育・福祉・就労等の支援者と連携をし、サービスなどのコーディネートを行っていくものとされました。
一方で、「コーディネーターにはなったけれど、どうしたら役割を果たせるのか?」「コーディネーターになったけれども、医療的ケア児とまだ出会ったことがないから自信がない」というご意見が、各都道府県で養成されたコーディネーターから当協会に多く寄せられてきました。さらに、各都道府県や研修を受託している医療的ケア児支援センターからは、「医療的ケア児等コーディネーター養成研修を、より良いものにしていくために、どのように組み立てていけばよいか?」といった、相談をいただくことも増えてきました。
これまで、医療的ケア児というと重症心身障害児というイメージが強くありましたが、昨今は、さまざまな発達の状態像を呈する子どもも一定数存在していることがわかってきました。「生きるために医療的ケアが必要な子ども」という概念に変化してきていると思います。そして、子どもと家族への支援は、必要な医療的ケアや主疾患、ライフステージ、家族背景等で個別性が高く、オーダーメイドで支援を作り上げる必要があります。医療的ケア児である前に「子ども」であると考えると、その支援は、インクルーシブな地域創りにつながっていくことと思います。私たちコーディネーターは、子どもたちが「大きくなったらもっといろいろチャレンジできるんだ」とか「大人ってかっこいい」と思えるような発達支援、家族が子育てを楽しめる家族支援、医療的ケア児者支援を通して、誰もが、地域の一員として、その存在を大切にされる地域創り等の支援を担っていくことが大きな役割となっていくでしょう。
このテキストでは、皆さんの「コーディネーターとして子どもたちのWellBeingのために、どのように活動していけばよいのか?」という問いのヒントになる視点を、たくさんの専門家の先生方にご執筆いただきました。皆さまが地域で活動するときに、迷ったり、悩んだりしたときに、ぜひページをめくってみてください。一つひとつの章が、子どもと家族と支援者の笑顔を紡いでいただくきっかけや気づきにつながればうれしく思います。
最後になりましたが、本書の出版に至るまで、執筆、編集に関わってくださいました皆さまに深謝申し上げます。
このテキストを手に取ってくださった皆さまが、医療的ケアが必要な子どもとその家族、そして地域の支援者の心強い味方になっていただけることを願っております。
2024年8月
一般社団法人医療的ケア児等コーディネーター支援協会
代表理事 遠山裕湖
目次
導入 あるあるケースから考える コーディネーターの仕事
ケース 1 医療的ケア児等コーディネーターとは?
ケース 2 子どもと家族と出会う大切な退院支援が…
ケース 3 子どもの育ちは無限大
ケース 4 多職種連携をあきらめない!
第 1 章 コーディネーターが知っておきたい基本の知識
1.医療的ケア児者等コーディネーターに期待される役割
2.医療的ケア児が増えた背景と対策の過程および、その介護特性
3.児の状態像
4.医療的ケア児の6類型とライフステージを見越した個別支援
5.家族の理解
1.マルトリートメントの視点から家族をとらえる
2.主たる養育者(母)のレジリエンスと関連要因
3.障害受容とは
4.社会的養護・要保護児童・要支援児童
6.成長を見通した支援チームの作りかた
7.市町村を含む地域支援体制の整備
8.都道府県等における小児等医療体制の基本的概念
第 2 章 アセスメントの基本と実践
1.医療的ケア児等コーディネーターのアセスメントの視点
2.事例から読み取るコーディネーターのアセスメント視点と実際
1. 退院時カンファレンスから家族のスケジュール作成まで
2. 本人を中心とした支援を考える
3.医療的ケア児と家族への実践プランを考えよう
子どもの発達から読み解く実践 〜保護者が就労している場合〜
第 3 章 よりよい実践に向けて知っておくべき知識
1.子どもの口腔内を早期から整える
2.医療的ケア児のコミュニケーションを支援する〜テクノロジーを活用した方法
3.医療的ケア児の働くと社会参加を支援する
4.子どもの発達を支援するリスクコミュニケーション
5.伴走型支援における家族支援の実際
付録
医療的ケアが必要な方の生活や支援で用いられる医療・福祉に関する用語集
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書籍情報
- ISBN:9784840484541
- ページ数:220頁
- 書籍発行日:2024年9月
- 電子版発売日:2024年9月20日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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