臨床画像 2018年10月増刊号 救急放射線診断へのアプローチ

  • 書籍発行日 : 2018年10月
  • 電子版発売日 : 2019年9月25日
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商品情報

内容

画像医学,画像診断に携わる放射線科医や一般臨床医を対象に,画像診断の重要かつ最新のテーマ,話題のトピックスを取り上げて解説する総合画像医学雑誌。【特集】救急放射線診断へのアプローチ

■特集:救急放射線診断へのアプローチ
 序説
 Ⅰ. 脳神経・脊髄
 脳血管障害
 くも膜下出血
 脳出血
 ほか

序文

救急が他診療と異なるのは,生命維持を図りながら最速で治療に入らなくてはいけない点である。出血は言わずもがな,敗血症では1時間対応が遅れると死亡率が7%上昇するといわれている。従って,救急ではさまざまな診断法を試すことはできない。最適な診断法を1つ選んで診断,そして患者の一般状態・合併症・背景を把握しながら,もっとも効果的な治療に移行しなくてはならない。

救急の画像診断では症状,受傷機転などに合わせた適切なモダリティの選択がまず求められる。検査時間の短さ,循環動態が把握できること,再現性に優れることから,救急の画像診断の主役がCTであることは論を待たない。外傷では「外傷パンスキャン(外傷全身CT)」が基本のプロトコルになってきており,再構成画像の作成において施設間格差があり,目的臓器別の再構成画像作成プロトコルの統一が望まれる。

救急のCTで造影を行えない場合,その威力を十二分に発揮することは難しくなる。被検者が妊婦で被ばくを避けたい場合や,腎不全などで造影を行えない場合には,非造影CTに比べ密度分解能に優れるMRIも選択肢に入れるべきである。MRIは複数のシーケンスを用いても15分程度である程度の診断能を得ることができ,脳神経・脊椎領域,膵胆道領域,婦人科領域では非造影MRが最初に試みられるようになってきている。今回,これらを踏まえたうえで脳神経・頭頸部領域では外傷を除き,MRを主体に,大動脈解離,膵胆道領域,腎,婦人科領域ではMR,CT両方についての記載をお願いした。

画像検査施行後には速やかな診断が求められる。外傷パンスキャンの画像数は2000を超えるため,読影は横断像を中心に大きな臓器損傷をまず探すfocused assessment with CT for trauma(FACT)という概念が『外傷初期ガイドラインJATECTM』に取り上げられた。平日,日勤帯では救急症例の読影を優先させるなどで対応可能であるが,夜間休日の救急症例の読影をどのようにカバーするかも懸案事項であり,これらについては長年,救急画像診断に携わってこられた中島康雄先生と,その弟子である服部貴行先生に原稿をお願いした。

診断からinterventional radiology(IVR),open surgeryなどの治療まで,救急室にて一気に施行することを目的に,ハイブリッドER(hybridemergency room)が設置される施設も増えてきた。救命のための時間短縮に非常に有効と考えられるが,同時に複数症例を受け入れた場合や,医療保険における採算性についてはいまだ解決すべき課題が山積している。この増刊号では触れていないが,今後を見守っていきたい。

目次

序説

Ⅰ. 脳神経・脊髄

脳血管障害

くも膜下出血

脳出血

脳梗塞

可逆性血管痙攣症候群

Willis 動脈輪閉塞症(もやもや病)

静脈洞血栓症

椎骨動脈解離

下垂体卒中


急性脳症・脳炎など

髄膜炎

脳炎

脳膿瘍

硬膜下蓄膿

高血圧脳症・可逆性後頭葉白質脳症症候群(PRES)

そのほかの脳症

脊髄梗塞

多発性硬化症,視神経脊髄炎

亜急性連合性脊髄変性症

外傷

総論:頭部外傷のCTの適応と経過観察について

頭蓋骨骨折

脳(皮質)挫傷・外傷性くも膜下出血・大脳半球腫脹

急性硬膜下血腫

急性硬膜外血腫

外傷性軸索損傷

びまん性軸索損傷

深部灰白質損傷

脳幹部損傷

椎骨動脈疾患

外傷性内頸動脈損傷

慢性硬膜下血腫

脊髄損傷

脊髄引き抜き損傷

脊髄硬膜外血腫

Ⅱ.頭頸部

顔面骨骨折

眼窩骨折(吹き抜け骨折)

斜台骨折

鼻骨骨折

鼻骨眼窩篩骨洞骨折

前頭骨折

上顎骨折(Le Fort)

下顎骨折

眼窩軟部組織損傷

球後部血腫・気腫

外眼筋障害

眼球損傷

眼窩蜂窩織炎

副鼻腔炎

喉頭蓋炎

耳下腺炎・頸部膿瘍

Ⅲ.脊椎

外傷

頭蓋頸椎移行部(C1-2)

中下位頸椎損傷

胸腰椎損傷

椎間板ヘルニア

椎体椎間板炎・脊髄硬膜外膿瘍

Ⅳ.胸部

肺挫傷・裂傷および危険な肋骨骨折

肺梗塞・深部静脈血栓症

市中肺炎と日和見肺感染症

誤嚥性肺炎(Mendelson 症候群)

気道異物

閉塞性肺疾患と急性病態の合併

ARDS

特発性食道破裂

ICU radiology

Ⅴ.心・大血管

心臓・心嚢

心筋梗塞

心破裂・挫傷

心タンポナーデ

大動脈

大動脈損傷

大動脈解離

大動脈瘤(切迫破裂)

Ⅵ.腹部

急性腹症:診断の進め方

腸閉塞

内ヘルニア・子宮広間膜ヘルニア

外ヘルニア・大腿ヘルニア

腸重積症

異物

感染性腸炎

複雑性虫垂炎

急性腹膜炎

捻転

消化管穿孔

分節性動脈中膜融解

非閉塞性腸間膜虚血

腸管気腫症

消化管出血

腹膜垂炎・大網捻転(梗塞)

内臓動脈瘤破裂

閉塞性黄疸・胆道感染症

急性膵炎

婦人科救急疾患

骨盤内炎症性疾患(PID)

子宮筋腫赤色変性

異所性妊娠破裂

卵巣茎捻転

卵巣腫瘍破裂

卵巣出血

腎・泌尿器救急疾患

尿路結石症

腎盂腎炎

腎梗塞

尿膜管膿瘍

精巣捻転

術後合併症

経皮経肝胆道ドレナージ(PTBD)術後の胆道出血

外傷

外傷パンスキャン 見落とし防止および速やかなIVR 施行をサポートする再構成画像

腹部実質臓器損傷(肝・脾・腎・膵)

腸管・腸間膜損傷

胆道損傷

膀胱損傷

コラム

24時間,救急の画像診断を行うために

救急における適切な画像検査とは? 一般の画像診断と救急画像診断の違いについて

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書籍情報

  • ISBN:9784008003814
  • ページ数:0頁
  • 書籍発行日:2018年10月
  • 電子版発売日:2019年9月25日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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