臨床栄養145巻5号 がんサバイバーを支える―栄養・身体活動支援の充実に向けて

  • ページ数 : 128頁
  • 書籍発行日 : 2024年10月
  • 電子版発売日 : 2024年10月16日
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内容

※都合により,電子版では紙版と異なりp.625およびp.626の図は未収載となっております.
●治療技術の進歩により,がんの生命予後は改善し「がんとの共生」の時代が到来しました.他方,わが国特有の課題に,超高齢社会の到来により「がん治療を受けた高齢者をいかに支えるか」が課題となっています.
●がんサバイバーのうち,AYA世代・働く世代の割合は5%程度であり,9割以上は高齢者世代であると推測されます.高齢がんサバイバーの多くは低栄養のリスクを抱えており,医療者は,がん治療に関連した低栄養のリスクを認識し,予防・対応を進める必要があります.
●今回は,これら近年のがん医療の変化と取り巻く社会状況を踏まえ,高齢がんサバイバーへの栄養療法の必要性・重要性の高まりから,「がんサバイバーを支える―栄養・身体活動支援の充実に向けて」を特集として取り上げることとなりました.がんサバイバーの実態を確認し,求められる対応をともに検討していきたいと考えます.

序文

特集にあたって


栄養療法を通して,がんサバイバーを支援する

治療技術の進歩により,がんの生命予後は改善し,5年生存率は70%にまで上昇してきた.「がんの治療後」までを踏まえた計画が求められるようになり,サバイバーシップについても関心が高まってきた.まさに「がんとの共生」の時代が到来した.

他方,わが国特有の課題に,超高齢社会の到来がある.わが国では,がんの診断を受ける方の73%が,がんで亡くなる方の86%が高齢者でもある.このことから,わが国においてがんのサバイバーシップとは,「がん治療を受けた高齢者をいかに支えるか」という課題であることがみえてくる.

しかし,わが国のサバイバーの議題は,アピアランスと両立支援に留まりがちである.議論が展開しない背景には,サバイバーの実態が確認されていないまま,イメージで議論がされている問題もある.がんサバイバーのうち,AYA世代・働く世代の割合は5%程度であり,9割以上は高齢者世代ではないかと推測されている.実際,高齢化率がわが国ほど高くない米国でもサバイバーは“silver TSUNAMI”と呼ばれ,高齢者をいかに支えるかが議論されている.

高齢がんサバイバーの多くは低栄養のリスクを抱えており,避けて通れない課題である.低栄養は,身体機能の低下や介護負担の増大,予後の悪化と明確な関連がある.われわれがん診療に携わる医療者は,がん治療に関連した低栄養のリスクを認識し,予防・対応を進める必要がある.

これら近年のがん医療の変化と取り巻く社会状況を踏まえ,高齢がんサバイバーへの栄養療法の必要性・重要性の高まりから,「がんサバイバーを支える―栄養・身体活動支援の充実に向けて」を特集として取り上げることとなった.がんサバイバーの実態を確認し,求められる対応をともに検討していきたい.


国立がん研究センター東病院 精神腫瘍科 小川朝生

目次

特集 がんサバイバーを支える―栄養・身体活動支援の充実に向けて

特集にあたって(小川朝生)

サバイバーシップとは何か(小川朝生)

わが国のがんサバイバーの現状―統計データから(片野田耕太)

「がんサバイバーシップガイドライン 身体活動・運動編」の概要(街 勝憲)

高齢がんサバイバーに対する身体活動・運動・リハビリテーション治療(土方奈奈子・辻 哲也)

高齢がんサバイバーのサルコペニア,フレイルと低栄養への対策(松井亮太)

がん治療による腎機能障害(近藤千紘)

がんサバイバー支援者が知っておきたい循環器の晩期合併症について(小板橋紀通)

地域診療所におけるがんサバイバーへの支援の試み(山口 潔)

NSTスタッフのための画像診断セミナー(3)

脳のMRI【magnetic resonance imaging:磁気共鳴画像(法)】(黒川泰任)

病棟のプロフェッショナルたち

朝日大学病院 歯科・口腔外科,耳鼻科・頭頸部外科,消化器内科・外科混合病棟(淺野一信)

セキララ開業奮闘記(2)

存在しなかった栄養サービスを構築するまで(岡本匡代・佐々木可奈恵)

スポット

ポリファーマシー対策と連動した電解質やビタミン,微量元素の調整について(清水忠洋・他)

食物アレルギー表示制度の動向(宇野真麻)

連載

デンシエット(カロリー密度)が拓く 食事管理のミライ(3)〈最終回〉

カロリー密度のデータベース化によるフードテックへの活用(奥村仙示)

谷口先生と基礎から学び直す 体液・代謝管理(4)

日常的な水分補給を極める―飲水学の知識も取り入れながら(谷口英喜)

これだけは知っておこう 臨床栄養学ビギナー道場(5)

栄養輸液も理解しないと適切な栄養管理はできない!(井上善文)

カンファランスで学ぶ NST難症例ケーススタディ(5)〈隔月連載〉

II度熱傷で入院となり創傷治癒遅滞を呈した銅・亜鉛欠乏患者に補充方法を工夫した症例(横須賀市立うわまち病院微量元素チーム(TEST))

栄養指導・栄養管理に活かしたい 食物繊維学の新常識(10)

食物繊維の豊富な食材の活用,効果的な摂取法(青江誠一郎)

ORIGAMI ART―食に活かすおりがみ/食の教養

シイタケ(西田良子・上田浩史)

こんだてじまん

じまんの一品料理 広島県産レモンとクリームチーズのケーキ

県立広島病院(熊谷明子・髙野愛子)

研究・調査

栄養クイズ動画(精神疾患を有する患者が栄養指導にアクセスすることを支援する教育ツール)の有用性に関する満足度調査(下村裕見子・他)

News & Information

日本栄養士会医療職域 コンサルテーションデスク事業について(米原恭子)

自治体病院 公立羽咋病院リハビリテーション科の管理栄養士配置について(田中明子)

精神科病院 第65回全国精神科栄養士研修会の報告(窪田政成)

厚生労働省・消費者庁 令和5年度「ギャンブル障害及びギャンブル関連問題実態調査」の報告書(速報)の公表・他

おしらせ 女子栄養大学香友会主催 令和6年度 第2回《専門家講座》・他

REMARKS―編集委員のひとこと

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書籍情報

  • ISBN:9784006414505
  • ページ数:128頁
  • 書籍発行日:2024年10月
  • 電子版発売日:2024年10月16日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
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