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- J. of Clinical Rehabilitation33巻12号 災害リハビリテーション ─能登半島地震での経験を経て
商品情報
内容
●高齢化が進む日本において,災害時には被災者の生活不活発や災害関連死が懸念される.災害リハビリテーションの重要性が増す中,JRAT(日本災害リハビリテーション支援協会)は災害に備え,各地域で支援チームを整備してきた.今回の地震でもJRATは迅速に対応したが,組織的対応の課題も浮き彫りとなった.
●本特集では,能登半島地震におけるJRATの災害リハビリテーション活動を振り返り,初期対応や地域リハビリテーションへの移行,R-スタッフの機能と課題について解説する.さらに,各地域からの支援活動や今後の課題に焦点を当て,平時の体制構築についても議論する.
序文
特集にあたって
2024年1月1日16時10分に石川県能登地方を震源としたマグニチュード7.6 の能登半島地震が発生した.石川県を中心に家屋倒壊が起き,全壊6,410 棟,半壊22,719 棟,一部損壊102,061 棟,そしてここに浸水被害を含めると住家被害は131,215 棟にまでのぼる土砂災害も生じ,死者376 名,重軽傷者1,335 名の甚大な被害が生じた(2024 年9 月現在).また電気,ガス,上下水道等のライフラインへの被害の他,道路,鉄道等の交通インフラにも甚大な被害が生じ,住民生活や中小企業,農林・漁業や観光業等の経済活動にも大きな支障が生じた.
災害リハビリテーションは,超高齢社会となるわが国において多発する災害時に起こる被災者・要配慮者等の生活不活発等や災害関連死を防ぐために,リハビリテーション医学・医療の視点から関連専門職が組織的に支援を展開し,被災者・要配慮者等の早期自立生活の再建・復興を目指す活動のすべてを指す.JRAT(日本災害リハビリテーション支援協会)は,東日本大震災リハビリテーション支援10 団体の活動経験を基に,大規模災害に備えて「大規模災害リハビリテーション支援関連団体協議会」として発足し,2015 年の関東・東北豪雨災害,2016 年の熊本地震,2018 年の西日本豪雨災害等に対してさまざまな活動を行ってきた.JRAT は平時から参加団体相互が連携し,各地域において地域住民とともに災害に立ち向かえるように災害リハビリテーション支援チームを準備している.近年は地域JRAT の充実を課題として,全都道府県の地域JRAT を2024 年1 月に達成し,災害時のスタッフ育成としてR-(Rapid Response Team)スタッフ,L-(Logistics)スタッフ,D-(Disaster Assistance)スタッフ等の養成を進めてきた.
今回の能登半島地震に対してJRAT は,即座にR-スタッフの派遣を決め,石川JRAT の現地災害対策本部が立ち上がり,全国の地域JRAT に派遣を依頼して,発災後早期から避難所支援を主体とした活動を行ってきた.北海道から沖縄県までの全国からの支援活動で,支援終結の4 月30 日までに総勢延べ6,000 人を超える活動を行った.JRAT が発足してから,組織的な対応が徐々に充実してきているが,この状況下でいかに対応することができたか,現状での課題は何かということが今回明らかになった.
そこで,今回災害リハビリテーションにどのような体制で臨むべきかということを,JRATの先生方に述べてもらうために本特集を企画した.栗原先生には発災時JRAT 活動として初期体制をいかに築き,他の地域からの地域JRAT の派遣をどのように行い,地域リハビリテーションにいかに移行すべきかについて,西村先生には石川JRAT の活動として,今回の地震に対する対応の特徴を,冨岡先生にはR-スタッフの機能と現状の課題について述べていただいた.菊地と山内先生,三上先生はそれぞれの地域JRAT からの派遣活動と今後の課題について担当した.船越先生にはJRAT の活動について紹介していただいた.
本特集を通じて,能登半島地震でのJRAT の災害リハビリテーション活動をみていただくことに加えて,今回の地震での対応における課題を今後のJRAT 活動にいかに生かしていくべきか,平時の体制はどうあるべきかについて学んでいただければ幸いである.
(編集委員会 企画担当:菊地尚久)
目次
特集 災害リハビリテーション─能登半島地震での経験を経て
特集にあたって(菊地尚久)
発災時のJRAT活動(栗原正紀)
石川JRATの活動(西村一志)
JRAT-RRTの機能とその活動(冨岡正雄)
地域JRATからの派遣活動(千葉県)(菊地尚久)
地域JRATからの派遣活動(静岡県)(山内克哉)
地域JRATからの派遣活動(広島県)(椿田悠馬 塩田繁人・他)
コラム:JRATへ参加するために―災害リハビリテーションに興味をもたれた方へ(船越政範)
連載
リハなひと
小児整形外科医/つくば公園前ファミリークリニック院長 中川将吾さん
巻頭カラーリハビリテーション科医が知っておくべき最新の義肢構成パーツ
6.最新のコンピューター制御膝継手「ALLUX2」(藤原健司)
“こんなときどうする?” リハビリテーション臨床現場のモヤモヤ解決! 令和版
リハビリテーション科運営編:(5)リハビリテーション医療における業務効率化(宮坂裕之 大高洋平)
ニューカマー リハ科専門医
(平沢伸広)
最新版! 摂食嚥下機能評価―スクリーニングから臨床研究まで
6.臨床的重症度分類(Dysphagia Severity Scale;DSS)(加賀谷 斉 尾崎健一・他)
おさえておきたい転倒・転落予防の基本知識と現場での応用
2.転倒・転落の主な原因と対策:(1)加齢とADL低下(吉村芳弘)
障害福祉サービスとリハビリテーション
3.療養介護(和田千鶴)
リハビリテーション科医師に必要な診察,評価手技
9.失語症の評価法(武原 格)
リハビリテーション科医に必要な消化器疾患の知識と近年の進歩
5.胆道癌治療における近年の進歩(志村充広 青木修一・他)
臨床経験
急性期病院における重症心身障害児のリハビリテーション:訓練介入初期の問題点について:症例報告(岡田真明)
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書籍情報
- ISBN:9784006203312
- ページ数:100頁
- 書籍発行日:2024年11月
- 電子版発売日:2024年11月2日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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