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- 神田 知紀
- 頭部画像診断をもっとわかりやすく
商品情報
内容
「まず何から、どう読めばよいのか?」という読影のキホンを,Key症例のほか用語解説やふりかえりチェックシートとあわせて,しっかりマスターできる!
序文
序
昔「KEY BOOKシリーズを全部読め」.今は?
私を含め,放射線診断専門医(以下,専門医)の多くは「昔(研修医・専攻医の頃)はもっと勉強する時間があった」と思っています.専門医を取る頃になると,じっくりと教科書を読む時間は減りがちです.約10年前であっても,放射線診断医1人あたりの業務量が先進諸国と比較して2.78~4.17倍(2015年度)[Kumamaru K, et al. Jpn J Radiol 36: 273-281, 2018]もある中では,本1 冊読む時間を作るのもなかなか難しいのが実情です.逆に言うと,初学者の頃の勉強の質・量はその後の放射線診断医の能力と大きく相関します.私が専攻医になったばかりの頃,先輩に「どんな教科書を読んだら良いですか?」と尋ねたら,「とりあえずKEY BOOKシリーズを全部読んだら?」という答えが返ってきました.とても勉強になりましたが,内容の9割以上はもう頭から抜けています(これはKEY BOOKシリーズに限らず,すべての教科書に対してですが).一方で,医学の発展に伴う情報量の爆発的な増加は,改訂される度に分厚さを増す教科書にも表れています.最近の教科書は,垂直に置いて立たないものが少ないです.圧倒されて読む気力を失っている若手の先生も多いのではないかと懸念します.
そのような中,「もっと気軽に読めて,勉強になる本を作れないか?」という思想のもと,この本は生まれました.9 割以上が頭から抜けてしまわぬよう,エピソード記憶として残りやすいよう会話形式にし,日本を代表する教育者の神田知紀先生・原田太以佑先生を巻き込んで,楽に読めるのに本当に役立つものを目指しました.章のタイトルは一見,初学者向けのものが並んでいますが,中身には放射線診断医にとってずっと有用なtipsを散りばめています.
本書が次世代を担う先生方の新しい頭部画像診断の教科書として,お役に立つことができれば何よりです.最後になりますが,共著者の神田知紀先生,原田太以佑先生,および株式会社Gakkenの皆様に感謝申し上げます.
2024年8月
東京大学医学部放射線医学講座
黒川 遼
X(旧Twitter)アカウント @Rdiag2
ディープな中枢神経画像診断にようこそ!
本書は黒川遼先生に「脳神経の入門書の作成をお願いされたので,一緒にやってみませんか~」と声をかけていただき,僕と原田太以佑先生が共同企画して執筆されています.
「最近の本は疾患の網羅となって分厚すぎるので,初心者がじっくり勉強できるような教科書を」が最初のコンセプトで,「薄めの本で,よくわかる脳MRIを補完するような本で」と軽い気持ちで企画を開始しました.「三人寄れば文殊の知恵」というか「船頭多くして船山に登る」というか,皆で詰め込みたいものを詰め込みまくったら,ふと気づけば厚い本になり,内容もかなりディープなところに踏み込んでいました.
この本が製作されている最中,2024年の第44回神経放射線ワークショップ(神戸市立医療センター中央市民病院 安藤久美子先生主催)で著者3人が「神経放射線初心者のための講演」を1時間ずつ行ったのですが,関東(黒川先生)・関西(神田)・北海道(原田先生)と育ってきた環境を反映して三者三様の全く異なった講演となりました.本書もできあがってみると三者三様の特徴が強く出ており,アプローチは違いますが,中枢神経画像診断の奥深さ・難しさをやさしく解説する良書となっています.特に黒川先生の病変の分布,原田先生の脳梗塞,私の脳腫瘍はディープな中枢神経画像診断に突っ込んでいますので,ぜひお役に立てていただけたら幸いです.
最後に,忙しい中一緒に執筆を頑張ってくださった黒川先生と原田先生,我々のむちゃぶりに対応していただいた株式会社Gakken メディカル出版事業部の皆様,本当にありがとうございました!
2024年8月
神戸大学医学部附属病院放射線診断・IVR科
神田知紀
X(旧Twitter)アカウント @tkandarad
気軽に効率的に学ぶための1冊として
本書を手に取っていただき,誠にありがとうございます!
私は元々,脳神経を専門にする気が全くなかったのですが,大学院の時の国内留学で脳神経に携わり,あれやこれやという間に脳神経を専門として現在に至っています.脳神経の読影は解剖の細かさと疾患の多さ,臨床症状や画像所見の多彩さ,MRIの基礎知識の重要さ,と難しいところを挙げ始めるとキリがなく,留学先で脳神経読影の必要に迫られたときには絶望しかありませんでした.それらの知識をきちんと学ぼうとすると,複数の教科書を横断して読まねばならず,(当時,私もやってみましたが)あまりにもお勧めできません.さらに最近では改訂の度に増大する本の厚さも勉強しようという精神をへし折る要因になります.そのため,効率的に学んでもらうために,本書では会話形式を採用し,私の普段の読影指導のやりとりを抜粋する形で記載しました.対面指導の良いところは,おいしいところだけをつまみ食いするような学習ができるところにあり,脳神経読影の要点をおさえて頭に入れられるように心がけて書きました.この序文を書きながら全体の原稿を読んでおりますが,各所に指導に関するノウハウがちりばめられており,初学者だけではなく,指導する側にとっても参考になるすばらしい内容になっていると自負しています.
若い先生方にとって脳神経領域は敷居が高く感じられると思いますが,本書を通して脳神経読影の奥深さ,興味深さの一端を感じていただき,ぜひ将来,どこかで一緒にディスカッションできるような機会が得られることを期待しています.
最後となりますが,全体をまとめていただいた黒川遼先生,要所要所を締めていただいた神田知紀先生,および株式会社Gakken メディカル出版事業部の皆様に感謝申し上げます.
2024年8月
北海道大学大学院医学研究院放射線科学分野画像診断学教室
原田太以佑
X(旧Twitter)アカウント @bjtai
目次
1章 読み方総論
Lesson 1-1 頭部単純CTって,どのような手順で読影したらよいですか?
Lesson 1-2~5 疾患のジャンルをどのように絞り込めばよいですか?
2章 脳出血
Lesson 2-1 脳出血の種類の見分け方は?
Lesson 2-2 脳出血の信号/吸収値の変化が覚えられません
Lesson 2-3 脳出血で気をつけるべきことは?
3章 脳梗塞
Lesson 3-1 脳梗塞の原因の見分け方は?
Lesson 3-2 脳梗塞の信号の経時的変化が覚えられません
Lesson 3-3 脳梗塞で気をつけるべきことは?
Lesson 3-4 慢性期の脳梗塞はどうやってみればよいのでしょうか?
4章 各シーケンスの特徴・役割
Lesson 4-1 T2強調像で低信号の病変をみたら何を考えたらよいですか?
Lesson 4-2 T1強調像で高信号の病変をみたら何を考えたらよいですか?
Lesson 4-3 拡散強調像で高信号の病変をみたら何を考えたらよいですか?
5章 脳腫瘍
Lesson 5-1 脳腫瘍とは?
Lesson 5-2 脳実質外腫瘍をみきわめる
Lesson 5-3 下垂体・鞍上部の腫瘍
6章 髄膜の異常
Lesson 6-1 髄膜病変はどう考えたらいいの?
Lesson 6-2 硬膜病変はどうやって診断するの?
Lesson 6-3 病態に応じた髄膜病変の鑑別を考えていこう
7章 脳実質外病変
Lesson 7-1 偶発病変を見逃すな!― 頭部MRIに写り込む頭頸部病変(1)
Lesson 7-2 偶発病変を見逃すな!― 頭部MRIに写り込む頭頸部病変(2)
8章 意識障害
Lesson 8-1 意識障害で考えること
9章 血管
Lesson 9-1 脳MRAはどのようにみたらいいの?
Lesson 9-2 血管がよくみえない時は,どう読んだらいいの?
Lesson 9-3 たくさんの血管がみえる場合は,どう考えたらいいの?
10章 病変の分布
Lesson 10-1 病変の分布を押さえる
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書籍情報
- ISBN:9784059888185
- ページ数:248頁
- 書籍発行日:2024年10月
- 電子版発売日:2024年12月24日
- 判:A5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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