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- 心エコーを撮らない人のための心エコー読み方ガイド
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内容
序文
序文に
世の中には心エコーについての本が,初心者のための入門書からベテラン向きの高度な専門書まで満ち溢れています.この本はそれらと違ったユニークな本を目指しています.
心電図の本はどれも心電図の読み方を説明するもので,心電図をどう記録するかについてはごくわずかしか述べていません.読者のほとんどが自分で心電図を記録するのでなく,心電図を読む方ですので当然です.それに対し心エコーの本の多くは心エコーを撮る方を念頭に,心エコー画像をどのように判断するか,ある病気の心エコーではどのような点に注目するかなどについて書かれています.しかし,心エコーを必要とされる方の多くは実際にプローブを持つ方ではなく,検査結果だけをみられる方だと思います.
心エコーの検査所見には多くの数値や所見が記載されていますが,皆さんはこれらの数値をどのように読んで,活用されていますでしょうか.左室駆出率などはみられると思いますが,それ以外はサマリーを読んで終わりという方もいらっしゃるかと思います.でも,それではもったいないと思いませんか?
心エコーの検査所見にある数値や所見は宝の山です.しっかり読み込めば,心不全の病態,虚血性心疾患における病変部位,治療方針や手術適応,さらには今までの病気の経過までわかります.そのためには,検査所見に書かれている数値がそれぞれ何を意味しているかを理解し,それらを組み合わせて解釈することが求められます.本書はそのためのヒントを,プローブは持たないけれど検査所見をきちんと読みたい皆さんにお示しできればと思います.心エコーの画像も多く含んでいますが,あくまで心エコーではこんなものをみているのだと知ってもらうためのものですので,こんなものと眺めてさえもらえれば結構です.
看護師さんをはじめとするすべての医療従事者の方,循環器医以外の医師の方はもちろんのこと,臨床研修で循環器科の勉強をされる若い先生方にも読んでいただければと思っています.これからの医療を担う医学生,看護学生などの方にも参考になるかもしれません.あるいは循環器医でも心エコーの業務には携わっていない方にもお役に立てればと思います.本書が,心エコーの検査所見をよりよく読み,患者さんの病態をより理解できるための手助けになればと願っています.
2024年12月
岩倉克臣
目次
Part 1 心エコー これだけは知っておこう
01 本書の目的について
02 心エコーとはどのようなものなのか
03 どうして心エコーで圧力がわかるのか
04 心エコーの限界
Part 2 心エコーの指標 これだけは理解しよう
A 2D エコーの指標
01 心エコーの検査所見について
02 左室径( 拡張末期・収縮末期)
03 左室駆出率
04 新しい収縮能指標―左室長軸ストレイン
05 左室壁厚と左室肥大
06 左房の大きさ
07 右心系の評価
08 左室壁運動の評価①
09 左室壁運動の評価②
まとめ
B ドプラエコーの指標:左室機能
01 ドプラエコーで何をみるか
02 左室心拍出量の評価
03 左室拡張能とは何か①
04 左室拡張能とは何か②
05 心エコーで左室拡張能を評価する
06 左室流入血流のE/A 比
07 左室流入血流のその他の指標
08 組織ドプラ指標:eʼ,E/eʼ
09 心エコーによる左室拡張障害の診断
まとめ
C ドプラエコーの指標:弁膜疾患など
01 大動脈弁狭窄症の評価
02 大動脈弁閉鎖不全症の評価
03 僧帽弁狭窄症の評価
04 僧帽弁閉鎖不全症の評価
05 三尖弁,肺動脈弁の評価
06 先天性心疾患の見方
まとめ
Part 3 ケーススタディー 心エコーでここまで読もう
ケーススタディー01 下腿浮腫を訴える陳旧性心筋梗塞症例
ケーススタディー02 動悸,呼吸困難感で救急搬送された症例
ケーススタディー03 呼吸困難感で緊急入院した症例
ケーススタディー04 動悸,労作時の息切れを主訴とする症例
ケーススタディー05 動悸,不整脈にて受診した症例
ケーススタディー06 ふらつきを主訴とする高齢者の症例
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書籍情報
- ISBN:9784787882073
- ページ数:184頁
- 書籍発行日:2025年1月
- 電子版発売日:2025年1月18日
- 判:A5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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