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- レジデントノート増刊 Vol.26 No.17 救急・ICU頻用薬 いつ、何を、どう使う?
商品情報
内容
救急・ICUの緊迫した状況で,数ある薬剤から何をどのように投与すべきか?「敗血症性ショック」と「難治性心室細動」,2つの症例の救急搬送 ICU入室・管理の流れに沿って,初期蘇生や挿管など場面ごとの具体的な薬剤の使い方を解説!
序文
序文
まずは吉田山に登る
このたび,レジデントノート増刊「救急・ICU頻用薬 いつ、何を、どう使う?」が刊行された.個人的な話で恐縮だが,この雑誌に同系統(ER・ICUでのクスリ関連)の話題で編集・執筆に携わるのはこれが3回目である.初回は2017年だったから,もう7年前のことになる.形を変えながらではあるが,これほど長きにわたりこのテーマでの特集が組まれ続けるのは,それなりに重要な話題ということなのだろう.研修医の皆さんにとって薬剤処方は,必要不可欠な診療行為であるにもかかわらず,なかなか系統的に勉強しない(できない)領域ではないか.ともすれば,先輩の処方の模倣や,施設におけるルーチンの適応によりすまされてしまう(すんでしまう)ことも多い.しかし,若いうちにあまり適切でない“刷り込み”が入ると,年をとったり,ほかの施設に異動したり,後輩ができて指導側に立ったときに,困る.そうならないためには,初学者のうちから,単なる見聞きだけではなく,自らが適切な書籍を参照し,よく考える必要がある.
とはいえ分厚い成書や,数多くのガイドラインをいきなり参照するのはいささかハードルが高い.初学者にとってはいきなり富士山はおろか,愛宕山や大文字山にさえ登ることは容易でない.
レジデントノートは,研修医が医療という高い登山の第一歩をしっかりと踏み出すための手がかりとなる,医療界の吉田山である.この増刊号も,その観点から企画編集された.まずは敗血症と心原性心肺停止という,ER・ICUで頻繁に遭遇する重症病態を例示的にとりあげ,日常臨床の流れに沿う形で使用する薬剤に主眼を置いて提示と解説がなされている.
この増刊の企画と執筆をしてくれたのは,今まさに現場でこれら重症病態と日々対峙している,広島大学救急集中治療医学の若手コアメンバーだ.彼らは,“広大救急レジセミ”と銘打ったウェブベースの勉強会を,3年前から続けている.そのなかで得られたノウハウや疑問,課題などから,研修医が知っておくべきコアの情報を,今回ここにすっきりとまとめてくれた.
誌面には限りがあるし,内容にも不足があるかもしれない.しかし,まずはここからはじめるとよい.コナラの枯れ葉舞うよく整備されたトレイルを,「希望の轍」を口ずさみながら登るのだ.そして,正しく登れば疲労感とともにちゃんと頂に着くことを知る,それが大事なのだ.次の山は…各人が考えたらよい.
2024年12月
紅葉インバウンドの溢れる新幹線ホームにて
広島大学大学院 医系科学研究科 救急集中治療医学
志馬伸朗
目次
第1章 敗血症性ショック
場面1:初期蘇生
1.輸液製剤【松本丈雄】
2.昇圧薬【石井潤貴】
場面2:ICU入室
3.ノルアドレナリンの次の昇圧薬【島谷竜俊】
4.強心薬【島谷竜俊】
場面3:抗菌薬の選択
5.経験的治療【石井潤貴】
6.標的治療【北川浩樹】
場面4:気管挿管
7.鎮痛薬【岡﨑裕介】
8.鎮静薬【難波剛史】
9.筋弛緩薬【田邉優子】
場面5:抜管後,せん妄に
10.抗精神病薬【太田浩平】
第2章 難治性心室細動
場面1:ACLS
1.ACLSに必要な薬剤【錦見満暁】
場面2:ECPR〜補助循環装置を用いた集中治療管理
2.VA-ECMOやImpella®管理に必要な薬剤【内海 秀】
3.輸血製剤【菊谷知也】
場面3:挿管中の管理
4.持続鎮痛薬【細川康二】
5.持続鎮静薬【細川康二】
6.解熱鎮痛薬【升賀由規,松本丈雄】
場面4:栄養管理
7.経腸栄養【波多間浩輔,松本丈雄】
8.排便管理【芳野由弥】
9.インスリン製剤【服部 幸,松本丈雄】
場面5:予防に関わる薬
10.潰瘍予防【上原祐衣,松本丈雄】
11.VTE予防【倉田菜央,石井潤貴】
場面6:抜管へ
12.利尿薬【大木伸吾】
13.利尿のためのアルブミン製剤【京 道人】
14.電解質補正【三谷雄己】
場面7:ICU退室へ
15.ICU後ケア移行を見据えた薬剤管理【檜山洋子】
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書籍情報
- ISBN:9784758127295
- ページ数:192頁
- 書籍発行日:2025年1月
- 電子版発売日:2025年1月24日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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