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- これだけ!急性腹症 ~診療に直結する病歴聴取・身体診察・疾患のエッセンス~
商品情報
内容
急性腹症の適切な診断を導き最適な治療を行うために必須の“病歴聴取”“身体診察”“よくみる疾患の知識”.経験を積むなかで特に身につけていきたいこれらの診療の基礎を,この1冊でコンパクトに.ほどよい文量,わかりやすい解説で,まずはじめに手に取る1冊として最適.
序文
序
急性腹症の診断は,医師の力量が問われる領域の1 つです.腹痛を訴える患者さんに対し診断を確定するまでの道のりは,経験豊富な医師にとってもしばしば困難を伴います.画像診断や血液検査といった技術の進歩により,診断性能は飛躍的に向上しているものの,最終的に病歴や身体所見と検査結果を統合し,正確な診断を導き出し適切な治療を行うのは医師自身です.この過程こそが,急性腹症の診療における最も難解な部分と言えるでしょう.CT を撮影すれば答えが見つかるように思えますが,疾患を疑って見ないと映っている異常所見も見逃してしまうものです.
そこで本書では,病歴と身体所見から鑑別診断を考えるプロセスに焦点を当て,その解説に力を注ぎました.急性腹症の診断において,初療時にすべてを診断しようとするのは現実的ではありません.そのため,まず見逃すと致命的な転帰をたどる病態を念頭に置き,適切な行動をとるための指針を提示することを重視しています.
さらに,本書の身体診察に関する項目では,身体診察を愛し,後輩の教育に情熱を注がれている中野弘康先生に執筆をお願いしました.その熱意と深い知識が,多くの若手医師のみなさんに新たな学びを提供してくれることでしょう.
本書ではこのように,急性腹症の診療における基礎を築くことを目的としています.若い医師のみなさんが今後経験を積むなかで,この基礎をしっかりと身につけていただきたいと願っています.基礎が疎かであれば,どれほどの経験も十分に活かすことができません.本書が皆様の成長の一助となることを願っております.
最後に,本書の作成にあたり,産婦人科領域で監修いただいた淀川キリスト教病院の柴田綾子先生,そして企画段階から完成まで常にご支援くださった羊土社編集部の大家有紀子様,阿部壮岐様に心より感謝申し上げます.
本書が急性腹症の診療に携わるすべての医師の助けとなることを願って.
2024年12月
社会医療法人城西医療財団 城西病院 内科
小林健二
目次
第0章 急性腹症の初期対応
①急性腹症の初期対応【小林健二】
第1章 病歴聴取・身体診察のポイント
§1.病歴聴取のポイント【小林健二】
①患者さんの基本情報収集は欠かせない
②腹痛についてはOPQRSTを利用する
③その痛みは内臓痛,体性痛,それとも関連痛?
§2.身体診察のポイント【中野弘康】
①まずバイタルサイン
②「視る」から始める身体診察
③腹部診察の基本
④おなかを痛がっていてもおなか以外も診察する
⑤有名な徴候について
§3.病歴と身体所見から鑑別診断を考える【小林健二】
①要注意のハイリスク群
②鑑別診断をあげる工夫〜すべてを網羅しようとしない
③解剖学的アプローチ
④腹痛+αで絞り込む
第2章 救急・一般外来で遭遇するcommon diseaseの診かた
§1.腹部に関連する疾患【小林健二】
①急性虫垂炎
②大腸憩室炎
③腸閉塞・イレウス
④虚血性大腸炎
⑤胆石発作・急性胆嚢炎
⑥急性胆管炎
⑦急性膵炎
⑧消化管穿孔
⑨消化性潰瘍・急性胃粘膜病変(AGML)
⑩アニサキス
⑪腸間膜虚血
⑫腎梗塞
§2.腹部以外の疾患【小林健二】
①糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)
②急性冠症候群(ACS)とそのほかの胸部由来の腹痛
§3.女性の腹痛・高齢者の腹痛【小林健二】
①女性の下腹部痛
②高齢者の腹痛
§4.救急外来での実際:Case study【中野弘康】
①急な心窩部痛を自覚した症例
②感冒様症状が先行してから上腹部痛を自覚した症例
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書籍情報
- ISBN:9784758124270
- ページ数:184頁
- 書籍発行日:2025年1月
- 電子版発売日:2025年2月4日
- 判:A5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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