コンパス顔面骨の整美と治療 アドバンス編

  • ページ数 : 296頁
  • 書籍発行日 : 2024年11月
  • 電子版発売日 : 2025年2月7日
¥33,000(税込)
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商品情報

内容

クラニオフェイシャルサージャリーと美容外科をつなぐ斯界初の本 全手技が、美しくわかりやすいイラストレーション(コマ送り)で説明され、「見えないところが見える!」 のが、本シリーズの最大の特長。ページをめくると内容はロールプレイングゲームテイストで展開されていきます…。
発行以来、大好評をいただいている『顔面骨骨折の治療』ベーシック編(2022年刊行)と対になりますが、アドバンス編では顔面骨骨折に留まらず “顔面骨そのもの” にアプローチする内容となっています。このため美容外科が含まれました。 第1章 複雑な骨折 / 第2章 顔面輪郭術(変形治癒から美容まで) / 第3章 先天異常 / 第4章 レジェンド対談集 今回のアドバンス編の新たな特長に、世界そして日本の形成外科の歴史が随所に、ちょっとずつ触れられることが挙げられます。歴史が動いたときの逸話や背景が語られるので、単なるHowTo本にはない、読み物としての奥行きも感じられます。過去と現在(未来への課題)が上手に編み込まれている、と言っていいでしょう。
《以下、編者 記す》 意外かもしれませんが、クラニオフェイシャルサージャリーと美容外科のシンクロ率は高く、「顔」を治療対象とし、体表からは見えない硬組織の形態を変えることで軟部組織を整えていきます。日々黙々と実践するクラニオフェイシャルサージャンで、かつ美容外科も行う気鋭の執筆陣に手技の極意を書いてもらいました。きっと何かが、明日の診療に役立つはずです。

「コンパス顔面骨の整美と治療 アドバンス編」は、こちらから

序文

はじめに

「クラニオの本は売れません。」

出鼻をくじく厳しい一言からこの本の企画は吹き消されようとしていました。それが今こうして多くの先生方の力を借りて形になりました。こんなに嬉しいことはありません。

当然ですが,売れない本を作るわけにはいきません。ただ手術手技書のニーズの高まりは肌で感じていました。VUCA の時代に生きる若い先生たちはインターネットで技術を学ぼうと検索しますが,学んだ気になっているだけということが少なくありません。タブレットの中ではなく,やはり手元に本という媒体が必要なのは今も昔も変わらないと思います。ぜひ,この本の厚み,重みを手に持って感じてください。そこには著者一人ひとりの術者としての情熱,そして臨床の醍醐味が詰まっています。

今回の執筆陣もベーシック編と同様,経験豊富な先輩方です。私のような若輩編集者からのお願いに,快く執筆を引き受けていただいたことに御礼申し上げます。

さて本書では,美容外科の手技では? と感じる術式を解説しています。美容外科に対して抵抗を持たれる方もいらっしゃるでしょう。実際私もその一人であり,意識改革になったのはパリ留学でした。Eric Arnaud 先生は頭蓋縫合早期癒合症の治療の傍ら,美容外科手術を行っておられました。当時の私には美容外科に対する偏見があり,思い描いていたクラニオフェイシャルサージャンではなくがっかりしました。ある日,思い切ってなぜ美容外科をやるのかを聞いたことがあります。その答えは「若い頃は私もそう思っていた。でもクラニオを本格的にやるようになってからその必要性を知ったよ。いつかこの道にくれば,なぜやるのかがわかる」と言われました。

いま,導かれた私なりの答えの一つは,クラニオフェイシャルサージャリーは単に骨切りして骨形態を正常にするのではなく,軟部組織に覆われた顔の形態を治す,ということです。現状よりも美しくすることが美容外科ならば,症候群性頭蓋縫合早期癒合症の治療は究極の美容外科と言えるのではないでしょうか。そこに保険か自費かということに差はないんです。かっこよく言いましたが別の理由もあります。それはまた機会があれば…。

最後に,アドバンス編は標準化することがなかなか困難な治療法ばかりです。いまだ術式は完成されておらず,改善の余地は多くあります。本書が,これまでの頭蓋顎顔面外科の歴史と信念を紡ぎ,いつの日か術式の完成につながる架け橋になれば幸いです。

The surgery must go on.


2024年10月

慶應義塾大学医学部形成外科
坂本 好昭

目次

準備 

01 パワーインストルメント…坂本好昭 

パワーインストルメントって?/揃えておきたい器具

02 医療安全とチーム医療 

はじめに/医療安全と航空安全/目指すチーム医療の形/おわりに…冨田健太朗

第1章 複雑な骨折

ミッション1 頭蓋底再建 

01 前頭洞の処理…力丸英明 

症状と手術適応/治療法の選択

02 ドレナージ…力丸英明 

本手技の適応/手技

03 頭蓋化と遮断…力丸英明 

本手技の適応/手技

ミッション2 前頭骨骨折 

01 総論…元村尚嗣 

治療ダイジェスト/症状と手術適応/治療法の選択

02 新鮮例…元村尚嗣 

本手技の適応/手技

03 陳旧例…元村尚嗣 

ミッション3 顔面多発骨折 

01 総論…坂原大亮・今井啓介 

治療ダイジェスト/症状と手術適応/治療法の選択

02 治療…坂原大亮・今井啓介 

本手技の適応/手技

Legacy 戦争と形成外科…坂本好昭 

Chat Time 01 チームワーク…成田真人×力丸英明×坂本好昭 

第2章 顔面輪郭手術 ―変形治癒から美容まで― 

ミッション4 眼窩変形 

01 総論…宮本純平 

治療ダイジェスト/症状と発生の機序

02 眼窩底変形治癒骨折…宮本純平 

本手技の適応/手技

03 頬骨骨切り術…宮本純平 

本手技の適応/手技

ミッション5 鼻骨変形治癒骨折 

01 鼻の解剖と基本アプローチ…今西宣晶 

解剖/基本アプローチ/オープンアプローチ

02 鼻骨骨切り術…大原博敏 

本手技の適応/手技

03 外鼻形成術…陳 建穎 

本手技の適応/手技

Chat Time 02 国際学会のハードル…山下昌信×奥本隆行×坂本好昭 

ミッション6 顔面の輪郭 

01 目標値について…山下昌信 

顔の一般的な全体のプロポーション/手術計画を立案するうえでのポイント

02 頬骨骨切り術…井上義一 

本手技の適応/手技

03 上顎骨骨切り術…成田真人 

本手技の適応/手技

04 下顎骨骨切り術(SSRO)…加持秀明 

本手技の適応/手技

05 オトガイ骨切り術…奥本隆行 

本手技の適応/手技

06 下顎輪郭手術…宇田宏一 

本手技の適応/デザインのポイント/手技

Chat Time 03 美容外科との付き合いかた…宇田宏一×井上義一×坂本好昭 

第3章 先天異常 

ミッション7 総論 頭蓋縫合早期癒合症 

01 手術のスケジュール…國廣誉世 

02 頭蓋形成術に必要な基礎知識

正常な頭蓋骨/検査で確認すべきこと―必要な術前検査―…赤井卓也 

03 手術体位…栗原 淳 

Legacy クラニオフェイシャルサージャリーのあゆみ…佐藤兼重 

ミッション8 頭部の頭蓋縫合早期癒合症 

01 Supraorbital bar の骨切り…坂本好昭 

本手技の適応/手技

02 舟状頭 ―縫合切除術 strip craniectomy…三輪 点 

変形の特徴/本手技の適応/手技

03 舟状頭 ――期的頭蓋形成術 parietal cranioplasty…宮川 正 

本手技の適応/手技

04 舟状頭 ―前頭眼窩リモデリング…坂本好昭 

subtotal fronto-orbital remodeling

本手技の適応/手技

Legacy クラニオフェイシャルサージャリーの存在意義…中嶋英雄 

05 三角頭…小室裕造 

変形の特徴と治療の適応/手技

06 斜頭…小山明彦 

変形の特徴と治療の適応/手技

07 短頭…彦坂 信 

変形の特徴/治療の適応/手技

08 後頭蓋形成術…玉田一敬 

後頭蓋形成術の適応/手技―片側ラムダ縫合癒合に対する後頭蓋形成―/ 後頭蓋延長術の適応/手技―後頭蓋延長―

Legacy ゲームチェンジャー ―骨延長法…菅原康志 

ミッション9 顔面の頭蓋縫合早期癒合症 

01 術前に行っておくべき検査…及川裕之・冨田健太朗 

術前検査の目的/評価項目とそのための検査

02 Le Fort III 型骨切り術…加持秀明 

本手技の適応/手技

Chat Time 04 合併症、どうしてますか?…加持秀明×三輪 点×坂本好昭 

ミッション10 顎裂 

顎裂骨移植術…坂本好昭 

本手技の適応と目的/手技

Chat Time 05 Craniofacial surgeonになるには…玉田一敬×小山明彦×坂本好昭 

第4章レジェンド座談会 -Link to the past and future-

中嶋英雄+平林慎一+佐藤兼重  司会:坂本好昭 

SHARE

若手の特権…元村尚嗣 

形成外科と解剖…今西宣晶 

一生モノの相棒…井上義一 

仮想手術室…加持秀明 

BUOY

フットペダル? ハンドスイッチ?…坂本好昭 

院内迅速対応システム(Rapid Response System:RRS)とは?…冨田健太朗 

SIMONとSYLVIA…大原博敏 

ノミは何を使えばいい?…大原博敏 

ガミースマイルと小顔化…山下昌信 

もし異常骨折を起こしてしまったらどうするか…加持秀明 

冒険の終わりに 

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書籍情報

  • ISBN:9784771905993
  • ページ数:296頁
  • 書籍発行日:2024年11月
  • 電子版発売日:2025年2月7日
  • 判:A4判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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