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- 「Medical Technology」別冊 超音波エキスパート 11 心エコー計測法のすべて
商品情報
内容
増加の一途を辿っている心エコーの計測項目について、検査時間に限りのある日常検査で計測すべき項目と、その指標の使い方について整理し、Mモードや断層法、ドプラ法のほか、3D法やスペックルトラッキング法の計測についてわかりやすく解説。さらに疾患別の計測やシャント法の実践例も提示した。
序文
序文
循環器領域で必須となっている心エコー図検査には実に多くの計測項目があります.このため,初心者はともすると報告書の計測欄を埋めることが担当者の役割だと誤解することも多いようで,計測に値しない画像を無理矢理に測定したり,計測部位が明らかに違っている,いわゆる我流の計測法なども一部にはみられるようです.事実,経験者でも,重症度評価や心機能評価などにおいて,どのパラメータをどのように計測し,どのように使い分けたらよいのか迷うことがあります.もちろん,計測値だけで診断できるわけではありませんが,その精度は心エコー図検査の信頼性に多大な影響を与えます.
心エコー図検査は,依頼目的を把握し「どの所見を検出するのか」,「否定できる疾患は何か」などを推測することから始まります.知らなければ重大な誤診を招くことになりますが,知っていても間違えることはあります.多くは「力量」すなわち経験不足です.教科書や文献は鑑別診断までは教えてくれません.他の検査との対比を繰り返しながら,心エコー図の読みを深めていく,これが経験です.計測も同様で,教科書を読んだからといって再現性の良い計測ができるわけではありません.まずは健常者で練習を行い,自身の計測精度(バラツキや再現性)を把握しておくことが重要です.とくに最近の2Dスペックルトラッキング法や三次元エコーなどは,検査担当者の技術や計測精度が十分担保されていることが前提となっているため,計測前のトレーニングは必須となります.
わかりやすく,ためになる」を目的とした超音波エキスパートが創刊されて7年が経過しました.この間,さまざまな新手法の登場により心エコーの計測項目は増加の一途を辿るばかりです.そこで,検査時間に限りのある日常検査で計測すべき項目と,その指標の使い方について整理する必要があると考え,今回の企画となりました.本誌のタイトルを「計測法のすべて」としましたが,実際に心エコーの計測項目をすべて網羅しているわけではありません.むしろルーチン検査で計測すべき項目とその計測法を解説した「日常計測の必読書」と理解していただければ幸いです.
今回は第一線で活躍されている素晴らしい先生方に,自身の経験をもとに計測法の注意点,計測に値する画像の記録法,および装置の設定法などをわかりやすく解説していただきました.この結果,より詳細な「計測法の超音波エキスパート」が完成しました.読者の皆さんの日々の心エコー図検査に,少しでも役立つことができれば幸いです.
2011年8月
遠田 栄一
目次
序(遠田栄一)
1 心エコーによる計測の意義と考慮すべき点(竹中 克)
1.計測の意義
2.真の値
3.再現性
4.時間分解能
5.空間分解能と画質
6.手間と時間
7.考える葦
8.総合判断
9.診断に寄与する責任感
2 Mモードによる計測法(勝木桂子)
1.Mモードの特性
2.左房径
3.大動脈径
4.左室径
5.僧帽弁の計測
6.大動脈弁の計測
7.Mモードの活かしどころ
3 断層法の計測法(渡邊伸吾・種村 正)
1.心腔内の計測法(距離計測)
2.心腔容積の計測法
3.左室心筋重量の計測法
4.弁口面積の計測法
5.下大静脈の計測法
4 ドプラ法による心機能評価の計測法(岡庭裕貴・戸出浩之)
1.ドプラ計測の基本事項
2.ドプラ法により得られる収縮能の指標
3.拡張能の計測法(左室流入血流の計測法)
4.心内圧の計測法
5 3D法の計測法(村田和也)
1.3D法計測の意義
2.3D計測の実際
3.3D心エコーによる計測の問題点
6-1 スペックルトラッキング法の計測 スペックルトラッキング法の意義と問題点(石津智子)
1.スペックルトラッキング,ストレインとはなにか
2.スペックルトラッキングは壁運動を数値で表す方法
3.ストレインの4つの要素は左室の3方向の変形と捻れ(ねじれ)である
4.測定の精度と再現性という問題
5.装置による差異という大問題
6.正常値
7.3方向ストレインとねじれは局所壁運動の何を反映しているのか
8.3方向ストレインから病変部位を推定する
9.心筋壁内ストレイン勾配
10.3Dスペックルトラッキング
6-2 スペックルトラッキング法の計測 スペックルトラッキング法計測の実際(梅田ひろみ)
1.装置の条件設定
2.検査の実際
3.3Dスペックルトラッキング
7 実践1 狭窄性弁膜症の計測法(川井順一)
1.大動脈弁狭窄症の重症度評価
2.僧帽弁狭窄症の重症度評価
3.三尖弁狭窄症の重症度評価
4.肺動脈弁狭窄症の重症度評価
8 実践2 逆流性弁膜症の計測法(水上尚子)
1.僧帽弁逆流の重症度評価
2.大動脈弁逆流の重症度評価
9 実践3 シャント法の計測法(心房中隔欠損症,動脈管開存症など)(平野 豊)
1.シャント率の計測の進め方
2.シャント率計測の実際
3.左室流出路径計測の注意点
4.右室流出路径計測の注意点
5.精度に影響を与える因子と限界
6.計測による再現性向上のためには
7.今後の展望
8.計測の意義
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書籍情報
- ISBN:9784263294610
- ページ数:108頁
- 書籍発行日:2011年9月
- 電子版発売日:2013年11月29日
- 判:A4変型
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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