最新 アミロイドーシスのすべて 診療ガイドライン2017とQ&A

  • ページ数 : 264頁
  • 書籍発行日 : 2017年3月
  • 電子版発売日 : 2019年1月18日
¥10,340(税込)
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商品情報

内容

すべてのアミロイドロジストの「道しるべ」として!

2017年にアミロイドーシスの診断基準が大幅に改定されるのに合わせて,病型ごとの病態・診断・治療に関する総論およびQ&Aをまとめた,最新のガイドライン詳解本.
わが国の第一線のアミロイドロジストが実臨床の現場で必要と思われる知識,最新の知見についてわかりやすく解説.

序文

巻頭言 アミロイドロジストの「道しるべ」として

2016年7月,スウェーデン,ウプサラにおいて世界アミロイドーシス学会が開催されたが,前回2014年,インディアナポリスで行われた同学会の2倍の演題が集まった.私が初めて世界アミロイドーシス学会に参加した1987年の箱根の学会では,参加者はわずか200人弱であったと記憶しているが,今回の学会ではその3倍の600人を超える研究者,臨床医が世界から集まっている.かつては3~4年に一度開かれていたこの学会が,今は2年に一回になり,2019年からは試みに毎年開いてみようということになった.それだけこの分野の研究の進歩はすさまじく,かつて対症療法以外なかった本疾患にいくつもの根治療法を見据えた治療法が提示される時代になってきた.

一方でアミロイドーシスは,その発症,進展に老化との関連が明らかになっているが,超高齢化社会の到来とともに患者数は多くのタイプのアミロイドーシスで増えており,そうした面からも一段と関心の高い疾患になってきている.ひと昔前は「疑わなければ診断がつかない病気」として位置づけられていたこの病気も,次第に鑑別疾患の一つにリストアップされるようになってきている.

このたび,アミロイドーシス診療ガイドラインの解説書として,診断基準の改定と,Q&Aをまとめた書籍を出版することになった.前述のごとく本症の診断法・病態解析・治療研究の進歩は目覚ましく,少なくとも数年に一度最新版を出さなければ,アミロイドーシス患者を適切な診断・治療に導くことができない状況になってきた.

アミロイドーシスの診療に関するガイドライン解説書は,同じく医歯薬出版から2011年に出版(山田正仁編)されているが,本書では実際に診療・研究にあたるわが国の一線のアミロイドロジストが実臨床の現場で必要と思われる知識,最新の知見について,Q&Aの形でわかりやすく解説している.

本書を,アミロイドーシス診断・治療の「道しるべ」として活用していただけることを切に願っている.

&

22017年3月

熊本大学大学院生命科学研究部 神経内科学分野教授
安東 由喜雄

目次

第I章 アミロイドーシス診療の基礎知識

1 アミロイドーシスの分類

・全身性アミロイドーシス

・限局性アミロイドーシス

・動物におけるアミロイドーシス

・アミロイド類似の構造を示す細胞内封入体

2 アミロイドーシスの発症機構と病理

・アミロイド線維の構造

・重合核依存性重合モデルによるアミロイド線維形成機構

・アミロイド線維形成・沈着の分子機構

・アミロイド線維沈着による臓器障害機序

3 アミロイドーシスの診断

・アミロイドーシスを疑う

・アミロイドーシスを示唆する検査所見をチェックする

・生検でアミロイド沈着を確認する

・アミロイド前駆蛋白質およびアミロイドーシス病型を同定する

4 アミロイドーシスの最新治療

・ATTRアミロイドーシス

・ALアミロドーシス

・AAアミロイドーシス

第II章 アミロイドーシス最新診療ガイドラインとQ&A

1 遺伝性ATTRアミロイドーシス/トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチー

CQ1

【病態・診断関連】

CQ1-1 どのような症例で遺伝性ATTRアミロイドーシスを疑うべきか?

CQ1-2 遺伝性ATTRアミロイドーシスの診断に有用な検査は何か?

CQ1-3 生検部位はどこがよいか?

CQ1-4 遺伝性ATTRアミロイドーシスの発症年齢は出身地により異なるか?

CQ1-5 TTR変異型とFAPの症候に関連はあるか?

CQ1-6 遺伝性ATTRアミロイドーシスの臓器障害を評価するために必要な検査法は何か?

CQ1-7 at riskの患者家族に対する遺伝子検査はどのように行われるべきか?

CQ1-8 TTR遺伝子変異を有する未発症者に対する診療やケアはどのようにするべきか?

【治療関連】

CQ1-9 遺伝性ATTRアミロイドーシスの治療に肝移植は推奨されるか?

(1)V30M型遺伝性ATTRアミロイドーシスに対して肝移植は推奨されるか?

(2)非V30M型遺伝性ATTRアミロイドーシスに対して肝移植は推奨されるか?

(3)心臓型遺伝性ATTRアミロイドーシスに対して肝移植は推奨されるか?

(4)眼髄膜型遺伝性ATTRアミロイドーシスに対して肝移植は推奨されるか?

CQ1-10 肝移植後の遺伝性ATTRアミロイドーシスに対する診療はどのようにするべきか?

CQ1-11 遺伝性ATTRアミロイドーシスの治療にTTR四量体安定化剤は推奨されるか?

CQ1-12 遺伝性ATTRアミロイドーシスの心症候に対するペースメーカー植え込み術はどのタイミングで行うべきか?

CQ1-13 遺伝性ATTRアミロイドーシスによる心不全に対してどのような治療が推奨されるか?

CQ1-14 遺伝性ATTRアミロイドーシスの眼症候に対する手術療法は推奨されるか?

2 老人性全身性アミロイドーシス

CQ2

【病態・診断関連】

CQ2-1 野生型トランスサイレチンアミロイドーシスの病名表記はどのようにすべきか?

CQ2-2 どのような症例で野生型トランスサイレチンアミロイドーシスを疑うべきか?

CQ2-3 野生型トランスサイレチンアミロイドーシスの発症に年齢は関連があるか?

CQ2-4 野生型トランスサイレチンアミロイドーシスの診断に有用な検査は何か?

CQ2-5 心臓生検は推奨されるか?

CQ2-6 野生型トランスサイレチンアミロイドーシスの診断にトランスサイレチン遺伝子検査は必要か?

CQ2-7 野生型トランスサイレチンアミロイドーシスの発症に性差はあるか?

CQ2-8 野生型トランスサイレチンアミロイドーシスの病態に重要な臓器障害は何か?

CQ2-9 心臓と手根管症候群以外に注意すべき症候はあるか?

CQ2-10 野生型トランスサイレチンアミロイドーシスの臓器障害を評価するために必要な検査法は何か?

【治療関連】

CQ2-11 野生型トランスサイレチンアミロイドーシスの治療に利尿薬投与は推奨されるか?

CQ2-12 野生型トランスサイレチンアミロイドーシスの治療にβブロッカー投与は推奨されるか?

CQ2-13 野生型トランスサイレチンアミロイドーシスの治療にCa拮抗薬投与は推奨されるか?

CQ2-14 野生型トランスサイレチンアミロイドーシスの治療にRA系阻害薬投与は推奨されるか?

CQ2-15 野生型トランスサイレチンアミロイドーシスの治療にTTR四量体安定化剤は推奨されるか?

CQ2-16 野生型トランスサイレチンアミロイドーシスの心症候に対するペースメーカー植え込み術はどのタイミングで行うべきか?

CQ2-17 野生型トランスサイレチンアミロイドーシスの心症候に対する植え込み型徐細動器はどのタイミングで行うべきか?

CQ2-18 野生型トランスサイレチンアミロイドーシスの手根管症候群に対して,どのような治療法が推奨されるか?

CQ2-19 野生型トランスサイレチンアミロイドーシスの神経症候に対して,どのような治療法が推奨されるか?

CQ2-20 新たな治療法の開発はあるのか?

CQ2-21 患者・家族をサポートする制度・団体にはどのようなものがあるか?

3 ALアミロイドーシス

CQ3

【診断関連】

CQ3-1 AHアミロイドーシスとはどのような病気か?

CQ3-2 限局性ALアミロイドーシスと全身性ALアミロイドーシスはどう異なるか?

CQ3-3 心・肝・腎などの主要臓器のアミロイドーシス診断にはどのような検査が有効か?

CQ3-4 浸潤臓器以外で組織診断を行うにはどの部位がよいか?

CQ3-5 免疫組織学的診断はどのように行うか?

CQ3-6 質量分析とはどのような方法か?

CQ3-7 M蛋白の検出には血清遊離軽鎖の測定のみで十分か?

【予後因子関連】

CQ3-8 予後因子にはどのようなものがあるか?

CQ3-9 どのような病期分類があるか?

CQ3-10 腎アミロイドーシスの病期分類はあるか?

【治療関連】

CQ3-11 血液学的効果はどのように判定するか?

CQ3-12 臨床効果はどのように判定するか?

CQ3-13 ALアミロイドーシスの治療目標はどこにあるか?

CQ3-14 自家造血幹細胞移植は標準治療か?

CQ3-15 自家造血幹細胞移植はどのような患者が適応になるか?

CQ3-16 移植非適応患者ではどのような治療が推奨されるか?

CQ3-17 ALアミロイドーシスにおいて新規薬剤は有効か?

CQ3-18 Immunotherapyとはどのような治療法か?

CQ3-19 ALアミロイドーシスにおいて臓器移植は有効か?

【その他】

CQ3-20 ALアミロイドーシスの早期発見はどのようにすればよいか?

CQ3-21 ALアミロイドーシスの治療においてどのような点に注意すべきか?

【病理】

CQ3-22 コンゴーレッド染色液の作り置きは可能か?

CQ3-23 過マンガン酸カリウム法はアミロイドーシスの病型診断に有効か?

CQ3-24 市販の抗体はアミロイドーシスの免疫組織化学的病型診断に有効か?

CQ3-25 病型診断のコンサルテーションはどの施設に依頼すればよいか?

CQ3-26 質量分析を用いた最新の解析法はアミロイドーシスの病型診断に有効か?

4 AAアミロイドーシス

CQ4

【診断関連】

CQ4-1 AAアミロイドーシスの診断に消化管粘膜生検は推奨されるか?

CQ4-2 AAアミロイドーシスの病理診断にコンゴーレッド染色,抗AA抗体染色は推奨されるか?

【予防関連】

CQ4-3 AAアミロイドーシスの新規発症は減少しているのか?

CQ4-4 慢性炎症性疾患の経過中,AAアミロイドーシスの発症予防のために定期的な血中SAA,CRP濃度測定は推奨されるか?

CQ4-5 慢性炎症性疾患の治療中においてAAアミロイドーシス発症リスクを評価するために,SAA1遺伝子多型の解析は推奨されるか?

【治療関連】

CQ4-6 AAアミロイドーシス合併関節リウマチ患者の治療に副腎皮質ステロイド剤は推奨されるか?

CQ4-7 AAアミロイドーシス合併リウマチ性疾患の患者において生物学的製剤の治療は推奨できるか?

CQ4-8 AAアミロイドーシスによる高度腎機能障害を有するリウマチ性疾患患者および透析導入患者において,治療目的で生物学的製剤の導入は推奨されるか?

CQ4-9 AAアミロイドーシス合併関節リウマチ患者では血液透析と腹膜透析のどちらを選択すべきか?

CQ4-10 AAアミロイドーシスの腎移植は推奨されるか?

5 透析アミロイドーシス

CQ5

【診断関連】

CQ5-1 透析アミロイドーシスの診断に血中β2ミクログロブリン測定は推奨されるか?

CQ5-2 透析アミロイドーシスのスクリーニングに骨関節X線撮影は推奨されるか?

【予防関連】

CQ5-3 透析アミロイドーシスの発症予防にHDFは推奨されるか?

CQ5-4 透析アミロイドーシスの発症に血中β2MGクリアランスは関与するのか?

CQ5-5 透析アミロイドーシスの発症に慢性炎症は関与するのか?

【治療関連】

CQ5-6 透析アミロイドーシスの治療にβ2MG吸着カラムは推奨されるか?

CQ5-7 透析アミイロドーシス手根管症候群の治療に内視鏡的手根管開放術は推奨されるか?

CQ5-8 破壊性脊椎関節症の手術適応はどのように決定するのか?

6 脳アミロイドーシス(1) 脳アミロイドアンギオパチー

CQ6-1 脳アミロイドアンギオパチーの診断にMRIは推奨されるか?

CQ6-2 脳アミロイドアンギオパチーの診断にPETは推奨されるか?

CQ6-3 脳アミロイドアンギオパチーの診断に脳脊髄液バイオマーカーの測定は推奨されるか?

CQ6-4 脳アミロイドアンギオパチーに関連する脳出血では外科的治療が推奨されるか?

CQ6-5 脳アミロイドアンギオパチー関連炎症・血管炎ではどのような治療が推奨されるか?

7 脳アミロイドーシス(2) Alzheimer病

・疾患概念

・疫学

・臨床症候の特徴

・診断

・治療

8 プリオン病のアミロイドーシス

・プリオン病の定義と分類

・プリオン病の一般的臨床経過

・プリオン蛋白質の化学的特徴

・異常型プリオン蛋白質の試験管内増幅反応

・プリオン病におけるアミロイドーシス

・プリオン病治療の現状と国際的なネットワーク

・新たなるプリオン病と二次感染の懸念

9 動物のアミロイドーシス

・反応性アミロイドーシス

・マウス老化アミロイドーシス

・TTRその他のアミロイドーシス

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  • Appleロゴは、Apple Inc.の商標です。
  • Androidロゴは Google LLC の商標です。

書籍情報

  • ISBN:9784263731758
  • ページ数:264頁
  • 書籍発行日:2017年3月
  • 電子版発売日:2019年1月18日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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特記事項

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