降圧薬の考え方,使い方

  • ページ数 : 240頁
  • 書籍発行日 : 2013年3月
  • 電子版発売日 : 2013年6月29日
¥4,180(税込)
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商品情報

内容

私ならこのように考え、このように使う。
-自信を持って降圧薬を処方できていますか?

降圧薬を使いこなすために、専門医の思考過程をわかりやすく示しながら解説した新しいスタンダード。診療の注意点、主な降圧薬の特徴と使用法、そして合併症のある患者のみかたまでを実践的にまとめている。

日常臨床で降圧薬を使いこなすための知識を、この一冊でマスター・再確認いただけます。

序文

高血圧は生活習慣病のひとつであり,しかもわが国には4,000万人もいると推測されている最多のcommon diseaseです.高血圧の病因・病態を適切に理解し,治療を確実に進めるために,日本高血圧学会はエビデンスに基づいた治療ガイドラインを提示し,2014年当初には改訂し最新版が公表される予定となっています.また,日本高血圧学会では専門医制度を確立し,高血圧専門医を育成しています.しかし,そのような高血圧専門医が高血圧の臨床の核になるにしても,日常臨床では高血圧や循環器の専門医のみならず,また,内科医だけでなく非常に広い分野の医師がかかりつけ医として高血圧診療を担っています.

そのような現状で中外医学社から,私なりの降圧薬の考え方,使い方について著書にしてはとのお話を戴きました.その際,高血圧診療に対する考え方を共有する少数の著者の分担執筆で行うことで,考えが一致しました.分担執筆者は総て私が30年間在籍した札幌医科大学医学部,内科学第2講座の同僚であり,長きにわたって高血圧診療,高血圧の基礎・臨床研究,高血圧の教育にともに携わってきた同志ばかりです.

完成した本誌を見たときに,一貫性のある目論見通りの本が出来上がったと自負しています.このような優れた企画を立ててくれました中外医学社の小川孝志氏そして,臨床・教育・研究に大変多忙な毎日を過ごされている折に,快諾下さり素晴らしい原稿を下さいました同志に深謝いたします.そして,本書が多くのかかりつけ医の診察室の机の上に置かれ,日常高血圧診療の一助となることを期待しております.


2013年3月

浦 信行

目次

第1部 降圧薬療法の前に 治療の前におさえておきたいこと

第1章 診察の留意点

A.診 断

1.問 診

2.身体診察

3.血圧値の分類と危険因子の評価

B.治 療

第2章 二次性高血圧の鑑別診断

A.腎性高血圧

1.腎実質性高血圧

2.腎血管性高血圧

B.内分泌性高血圧

1.PA

2.Cushing症候群

3.褐色細胞腫

4.甲状腺機能亢進症

5.甲状腺機能低下症

C.その他の原因による高血圧

1.睡眠時無呼吸症候群

2.薬剤性高血圧

第3章 合併症のチェック

A.臓器障害

1.脳血管障害

2.心疾患

3.腎疾患

B.他の心血管疾患のリスクの合併

1.耐糖能異常

2.脂質異常症

3.高尿酸血症

第4章 生活習慣の修正

A.食塩などの食生活の修正

B.肥満是正

C.節 酒

D.運動不足,ストレス

E.喫 煙

第5章 大規模臨床試験の見方,考え方

A.試験の条件

B.クラスエフェクトなのかドラッグエフェクトなのか


第2部 高血圧の外来での薬物治療はどうする? 主な降圧薬の特徴と使用法

第1章 Ca拮抗薬

A.Ca拮抗薬の薬理作用

1.Ca拮抗薬の種類

2.Caチャネルサブタイプ

B.降圧効果

1.24時間血圧,早朝血圧

2.中心血圧

C.Ca拮抗薬の適応,注意点

基本的な投与法,注意点

第2章 ACE阻害薬

A.レニン・アンジオテンシン系とACE阻害薬の作用点

B.適 応

C.臓器保護と合併症に対する効果

1.心

2.腎

3.脳血管

4.糖尿病

5.高齢者高血圧(誤嚥性肺炎)

D.使用上の注意・禁忌・副作用

1.妊娠

2.両側性腎血管性高血圧

3.高K血症

4.アフェレーシス治療

5.血管性浮腫

第3章 ARB

A.レニン・アンジオテンシン系とARBの作用点

1.アルドステロンブレイクスルー

2.ACE2-Ang-(1-7)系

3.ARBの非劣性

4.咳 嗽

5.血管浮腫

B.適 応

C.臓器保護と合併症に対する効果(エビデンス)

1.心

2.腎

3.脳血管

4.糖尿病

D.使用上の注意・禁忌・副作用

1.妊 娠

2.両側性腎血管性高血圧

3.高K血症

4.血管性浮腫

第4章 利尿薬

A.利尿薬の種類

B.高血圧の降圧薬治療における利尿薬

C.RA系抑制薬との併用

D.利尿薬製剤間の差

1.作用時間の差

2.サイアザイド系利尿薬とサイアザイド系類似薬

第5章 K保持性利尿薬

A.MR拮抗薬

1.スピロノラクトン

2.エプレレノン

B.MR拮抗薬による臓器保護作用

C.トリアムテレン

第6章 β遮断薬

A.β遮断薬の薬理作用と適応

B.基本的な使用法と注意点

第7章 α遮断薬

A.薬理作用

B.種類と適応

C.基本的な使用法

1.前立腺肥大症に伴う排尿障害

2.早朝高血圧に対する眠前投与

3.代謝異常を合併する高血圧

4.褐色細胞腫の手術前後の血圧コントロール

D.副作用・注意点

第8章 交感神経抑制薬

A.薬理作用

B.種類と適応

C.基本的な使用法

1.メチルドパ

2.クロニジン

3.グアナベンズ

4.グアンファシン

D.副作用・注意点

第9章 レニン阻害薬

A.作用機序

B.効 果


第3部 合併症のある高血圧の患者をどう診る?

A 高血圧に伴う臓器病変

第1章 脳血管障害を有する高血圧

A.脳血管障害の疫学

B.脳血管の解剖学的特徴と病型分類

C.病態の特徴

D.治療の方法と注意点

1.脳血管障害急性期

2.慢性期の治療

第2章 心不全・心肥大を有する高血圧

A.心不全を有する高血圧の特徴

1.左室収縮機能不全による心不全

2.左室拡張機能不全による心不全

B.心肥大

C.治療の実際

1.左室収縮機能低下の処方例

2.左室拡張機能障害・心肥大の処方例

第3章 心筋梗塞を有する高血圧

A.心筋梗塞を有する高血圧の特徴

B.治療の実際

第4章 狭心症を有する高血圧

A.狭心症を有する高血圧の特徴

B.治療の実際

第5章 大動脈瘤を有する高血圧

A.大動脈解離をきたした場合の高血圧の病態

B.大動脈解離をきたした場合の高血圧治療

1.Stanford A型

2.Stanford B型

C.大動脈瘤を有する高血圧の病態

D.大動脈瘤を有する高血圧の治療

第6章 閉塞性動脈硬化症を有する高血圧

A.閉塞性動脈硬化症を有する高血圧の病態

B.閉塞性動脈硬化症を有する高血圧の治療と注意点

1.β遮断薬

2.ACE阻害薬,angiotensin receptor blocker(ARB)

3.Ca拮抗薬

4.利尿薬


B 合併症を有する場合

第1章 糖尿病を有する高血圧

A.病態の特徴

1.頻度と予後

2.大血管障害と細小血管障害発症へのインパクト

B.診断と治療開始基準,降圧目標

C.治療の方法

1.生活習慣の修正

2.薬物療法

第2章 脂質異常症を有する高血圧

A.脂質異常症と高血圧の病態

1.高LDLコレステロール血症を合併した高血圧

2.低HDLコレステロール血症,高トリグリセライド血症を合併した高血圧

B.治療の実際

1.脂質異常症の治療

2.高血圧の治療

第3章 肥満・メタボリックシンドロームを有する高血圧

A.病態の特徴

1.頻度と予後

2.肥満と高血圧

3.アルドステロンと高血圧

B.メタボリックシンドロームの診断基準と降圧の目標

C.治療の方法

1.生活習慣の修正

2.薬物療法

第4章 腎不全・CKDを有する高血圧

A.CKD(慢性腎臓病)での高血圧の特徴と治療の要点

B.よくある質問

第5章 透析患者の高血圧

A.透析患者の高血圧の特徴

B.降圧目標値

C.ドライウエイト(DW)の調整

D.第1選択薬

E.第2選択薬

第6章 その他

a.高齢者高血圧

A.高齢者高血圧の特徴

 1.収縮期高血圧と脈圧の開大

 2.血圧の動揺性

 3.non-dipper型高血圧

 4.白衣高血圧と仮面高血圧

B.高齢者高血圧の疫学

C.降圧目標

D.降圧薬の選択と注意点

b.高血圧緊急症

特殊病態における高血圧緊急症

 1.高血圧性脳症と脳血管障害

 2.急性肺うっ血(高血圧性急性左心不全)

 3.狭心症あるいは心筋梗塞

 4.大動脈解離

 5.降圧薬の中止

 6.交感神経活性の急上昇

7.妊 娠

c.白衣高血圧

A.白衣高血圧の診断

B.白衣高血圧はなぜ問題となるのか?

C.治療の必要性,注意点

d.仮面高血圧

A.仮面高血圧の診断

B.仮面高血圧の病態

 1.早朝高血圧

 2.職場(ストレス下)高血圧

 3.夜間高血圧

C.治療の必要性,注意点

 1.早朝高血圧

 2.職場(ストレス下)高血圧

 3.夜間高血圧


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書籍情報

  • ISBN:9784498017900
  • ページ数:240頁
  • 書籍発行日:2013年3月
  • 電子版発売日:2013年6月29日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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