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緩和治療薬の考え方,使い方 ver.2

  • ISBN : 9784498017979
  • ページ数 : 280頁
  • 書籍発行日 : 2017年9月
  • 電子版発売日 : 2017年12月15日
  • 判 : A5判
  • 種別 : eBook版 → 詳細はこちら
販売価格 (ダウンロード販売)
¥4,180 (税込)
ポイント : 76 pt (2%)

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商品情報

緩和ケア領域の頻用薬、新薬、そしてその使い方がよくわかる!

初版刊行から3年、待望の改訂版がついに登場!筆者の豊富な経験と実績を基に、最新のエビデンスも加味した緩和治療薬の「有用な使いこなしかた」を示しました。ガイドラインやマニュアルが整いだした現在だからこそ価値のある、バランスの良い一冊。

■ 序文

2版への序

当時ありきたりでない緩和治療の本にしようと思って筆をとり(パソコンに向かい),なんとか「緩和治療薬の考え方,使い方」初版の原稿を書き終わったのが2013年9月,あっという間に4年が経とうとしている.筆者の願いが通じたようでありがたいことに本書は多くの読者が受け入れてくれた.最初に,感謝を伝えたい.2版にむけて手入れをしていたところ,むむっと思うところや明らかな誤りもみつけたが,読者諸氏には寛容に大人の対応をしていただいていたことと思い,重ねて感謝をお伝えしたい.

わずか数年の間であるが,緩和治療の領域でも多くの新薬が上市され,既存薬もこれまた多くのエビデンスが明らかになった.

フェントスやオキファストの使用が一般的となり,アセリオが緩和治療のみならずいたるところで痛みの緩和に一役かっている.ロゼレム・ベルソムラが位置づけを模索しており,アブストラル/イーフェンはそれなりには使われるようになった.末梢性μ受容体拮抗薬のナルデメジンが上市され,ヒドロモルフォンとタペンタが位置づけをこれまた模索することとなる.

エビデンスとしては,WHOの弱オピオイドラダーはいらないと結論され,オピオイド開始時の制吐薬の予防投与も国内のプラセボ比較試験で見直された.消化管閉塞に対するソマトスタチンのプラセボ比較試験や,せん妄に対するセレネース・リスパダールのプラセボ比較試験ではいずれも効果がないとの結果が出された.治療薬そのものとは少し離れるが,苦痛緩和のための鎮静では国際的に概念そのものが問いなおされている.

本書は,そのような動き盛んな緩和治療業界を横目に見つつも,1つの新薬,1つのエビデンスに一喜一憂することなく,どっしりと「まあこの辺は妥当だろう」と筆者が信じる内容を記載した.全章にわたって加筆修正を行い,今きかれたら正直に答えるだろうという内容を記載した.本書がひきつづき,緩和治療に関わる多くの仲間たちにとって,ところどころクスッとしながら読めるものであればありがたい.

2版のさいごに,緩和治療薬に関する筆者の考えを少し書いておきたい.

緩和治療は,今,何かで苦しんでいる患者の「苦しみを和らげる」ための医学である.

したがって,緩和治療薬を投与し(ようと)したことで,(精神的にも)よけいに患者が苦しんだ,ことになることは避けなければならない.薬物療法は想定される有害事象の見込みとバランスよく行われるべきであり,害が起こる確率は小さければ小さいほどよい.複数の効果が同等な選択肢の中では,つねに,起こりうる害が少ない方法を選択するべきである.

一方で,「エビデンスがないから」といって,緩和治療薬をかたくなに投与しなかったことで,患者が何もしてもらえないと心から落胆することも許されない.例えとして抗がん治療と比べて緩和治療薬の特徴をいえば,一般的に毒性が低く,アウトカムが使用後にすぐわかり,状況によって毎日修正が可能なことである.臨床試験で「効果がなかった」結果でも,対象集団があまりに不均一だったり(=その薬剤の効果のある病態とない病態とが混じっていたり),重症度がばらばらだったり(=軽度な患者が多すぎたり),そもそも必要な患者数がなかったりすることがよくある.したがって,臨床試験で効果がなかったからといって,臨床試験の本当の意味を理解すればするほど,「目の前の苦しんでいる患者」に,何か「試みてもいい」妥当な方策がみつかることが多い.

効果と害のバランス,科学と現場のバランス,すべてにバランスが必要である.

ガイドラインやマニュアルが整いだした現在だからこそ価値のある,バランスの良い一冊,経験知と科学がほどよくまじりあった1冊,薬物療法の背景にある哲学をもった1冊でありたいと願っている.


2017年7月

森田 達也

■ 目次

§1 痛みに対する薬

1.オピオイド総論

A.ものすごく単純化したオピオイドのイメージ

B.古典的WHOラダーと現代版ラダー

C.現実的な使用パターン

D.オピオイドの特性についてのエビデンスのまとめ

E.オピオイドの特性に従った使い分け

F.オピオイドの換算

G.オピオイドの副作用対策

H.EAPCの推奨と系統的レビューのまとめ

I.日本緩和医療学会の疼痛ガイドラインの推奨文

2.オピオイド各論

Overview

A.オキシコドン

B.フェンタニル

C.モルヒネ

D.トラマドール

E.メサドン

F.レペタン

G.その他のオピオイド:タペンタ,ヒドロモルフォン

§2 痛みの治療薬:鎮痛補助薬

Overview

A.リリカ

B.トリプタノール

C.ケタラール

D.サインバルタ

E.キシロカイン

F.テグレトール

§3 非オピオイド鎮痛薬

Overview

A.アセトアミノフェン

B.経口NSAIDs:ロキソニン,ナイキサン,モービック,セレコックス

C.非経口NSAIDs:ボルタレン坐薬,ロピオン

§4 呼吸困難の治療薬

Overview

A.モルヒネ

B.コデイン

C.抗コリン薬

§5 悪心嘔吐の治療薬

Overview

A.プリンペラン

B.ノバミン

C.抗ヒスタミン剤(ポララミン,トラベルミン)

D.多次元受容体拮抗薬(MARTA),ノルアドレナリン,セロトニン作動性抗うつ薬(NaSSA)

§6 食欲不振の治療薬

Overview

A.ナウゼリンと六君子湯

B.ステロイド製剤:リンデロン,ヒスロンH

C.いろいろな組み合わせとEPA製剤

§7 消化管閉塞の治療薬

Overview

A.サンドスタチン

B.ブスコパン

§8 便秘の治療薬

Overview

A.カマグ(マグミット)

B.プルゼニド(センノシド)

C.ラキソベロン(ピコスルファートナトリウム)

D.モニラック,ラクツロース

E.オピオイド開始時

F.便秘に有効な漢方薬

G.アミティーザ

H.ナルデメジン(スインプロイク)

§9 倦怠感・眠気の治療薬

Overview

A.精神賦活薬:リタリン,モダフィニル,ベタナミン

B.眠気に対するその他の薬

C.リンデロン

§10 不安・抑うつの治療薬

Overview

A.ベンゾジアゼピン系抗不安薬:ソラナックス,ワイパックス,リボトール

B.SSRIとSNRI

C.鎮静系抗うつ薬:トリプタノール,テトラミド,リフレックス

§11 不眠の治療薬

Overview

A.超短時間作用型睡眠薬:マイスリー,ルネスタ

B.短時間作用型睡眠薬:レンドルミン(ブロチゾラム)

C.中時間作用型睡眠薬:ロヒプノール

D.デジレル

E.ロゼレム

F.ベルソムラ

§12 せん妄の治療薬

Overview

A.セレネース

B.セロクエル

C.リスパダール

D.コントミン

E.ジプレキサ,ルーラン,エビリファイ

F.テトラミド

§13 鎮静の治療薬

Overview

A.ドルミカム

B.フェノバール

C.坐薬で使用する鎮静薬:セニラン,ダイアップ,ワコビタール



資料

A.聖隷三方原病院麻薬フォルダオーダーセット

B.緩和ケア病棟入院時指示の一覧

C.院内製材


column

NNTとNNH

緩和ケアにおける有効率の定義

テトラミド坐薬の調剤方法


索引

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