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The GENECIALIST Manifesto ジェネシャリスト宣言

  • ISBN : 9784498048645
  • ページ数 : 228頁
  • 書籍発行日 : 2018年11月
  • 電子版発売日 : 2018年12月7日
  • 判 : A5判
  • 種別 : eBook版 → 詳細はこちら
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¥2,200 (税込)
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商品情報

抗菌薬の考え方,使い方 ver.4』など人気書籍多数執筆!岩田健太郎先生が“ジェネシャリスト”という新概念を提唱します。

医療の本質とうまくフィットしないにもかかわらず、「メジャー科/マイナー科」「基礎医学/臨床医学」「ジェネラリスト/スペシャリスト」のような二元論が多くの医療者に刷り込まれている現状に警鐘を鳴らし、「ジェネラリストか? スペシャリストか?」の二元論を乗り越えた“ジェネシャリスト”という新概念を提唱する意欲作、ついに書籍化!

■ 序文

はじめに

昔から,「なんとかとかんとかをいっしょにすんな」という言い方に不満だった.もちろん,あらゆる事象には違いがある.二つと同じものはあり得ないのであり,それは例えば一卵性双生児でもそうであるし,二つの水素原子であっても,もしかしたら異なる原子なのかもしれないのだ.

が,それは「たいした違いではない」ことも多い.

違いがあることはグループ化を禁止しない.ここがスタート地点である.

難しい話ではない.世の中に全く同じ疾患は二つとなく,全ての疾患には個別性がある.しかし,我々はそれを例えば「肺炎」とグループ化する.それだけのことだ.

それでも「いっしょにすんな」と強弁するとすれば,それはその人の「いっしょにされてたまるか」という思いが乗っかっているだけなのである.で,この「いっしょにされてたまるか」はいろいろな問題の遠因となる.例えば,差別とか.

もう10年以上前の話になるが,なにかの議論をしていた時,千葉大学の生坂政臣先生が,「これはプライマリケア医でないとわからない」というような意味の発言をされた.なんの話題だったかは思い出せない.で,ぼくが「いや,ぼくもそれについてはよく理解できますよ」と申し上げたら,生坂先生は「それは岩田先生が北京で家庭医をしていたからですよ」とおっしゃった.

そうかもしれない,と思った.でも,本当にそうなのかな,とも思った.このへんが「ジェネシャリ」のイメージをわりと明確に持ち,理論化しようと決意したときだと思う.

本書の骨子は論文化されている.一気呵成に書いた後,サンフランシスコでローレンス・ティアニー・Jr.(LT)に見てもらった(International Journal of General Medicine 2013; 6: 221-6).LTはとくに理路などについては意見しなかったが,いくつかの有用な助言をくださった.この場を借りて改めてお礼申し上げたい.

現在の日本医学界において,ジェネシャリストはごく少数派に属する(本書で述べたが,いないわけではない).よって,本書の内容はほとんどの読者の共感を得ないであろうことは覚悟している.しかし,日本の医療の未来において,これこそが,これだけが,おそらくは唯一のソリューションであろうことを予見している以上,そこは覚悟の上で申し上げねばならないのである.ご批判は甘んじて受ける.


2018年10月

岩田健太郎

■ 目次

1 医療において,全ての二元論は克服されねばならない

2 二元論の克服──ヘーゲルとマルクス

3 なぜ,二元論が問題なのか──その1 臨床医学と基礎医学

4 なぜ,二元論が問題なのか──その2 アメリカ医療と日本医療

5 なぜ,二元論が問題なのか──その3 大学病院と市中病院

6 なぜ,二元論が問題なのか──その4 男と女

7 なぜ,二元論が問題なのか──その5 ワークとライフ

8 医療の世界は「グレー」ディエント

9 アンチ・スペシャリスト・ルサンチマン

10 ジェネラリスト・パッシング

11 ジェネラリストの「無知の体系」

12 スペシャリストの「無知の体系」

13 ジェネシャリストとは何か──ウィトゲンシュタイン的に考える

14 知の総量と,無知の知

15 ジェネシャリストの三角形

16 ジェネシャリストは現前する

17 ジェネシャリストと人的効率

18 ジェネシャリストと地域医療,そして大学病院

19 ジェネシャリストの育成は,学生のときから始まっている

20 ジェネシャリストとコンサルテーション──その1 コンサルターとして

21 ジェネシャリストとコンサルテーション──その2 コンサルタントとして

22 三角形の表現形は多様であってよい

23 複数の「とげ」が飛び出るスーパー・ジェネシャリスト

24 ジェネシャリスト診断学──その1 ジェネラルに考える

25 ジェネシャリスト診断学──その2 スペシャルに考える

26 無知と配慮の診断学

27 情報集めの方法論──PubMedとハリソン

28 なぜ日本の内科教科書は"ダメ"なのか

29 ヘルシズムの呪縛から逃れる

30 ポリファーマシーという問題と,ジェネシャリスト

31 番外編:イギリスの感染症専門医後期研修カリキュラムのすごさ

32 評価について──その1 スペシャリストによるジェネラリスト評価の辛辣さ

33 評価について──その2 評価一般について

34 評価について──番外編 経歴詐称について

35 番外編:寿司の技術は1年で学べるか? 医者の技術は?

36 グランド・ラウンズのすすめ

37 専門医教育と専門医の在り方──ついでにやらないために

38 "ABIM論争"に見る専門医制度とジェネシャリストの生涯学習について

39 進歩の原理──生涯学習の態度と方法

40 日本の医者の"無敵感"──その1 反省のない文化

41 日本の医者の"無敵感"──その2 M&Mのすすめ

42 世界史と日本史──ジェネラルとスペシャル

43 知識と技術──ジェネシャリの"弱点"論

44 睡眠・休養と安全

45 多様性を認めるということ

46 「患者」と「患者以外」の二元論──患者にも"責任"がある

47 "ジェネラリスト"再考──実は"医療のスペシャリスト"

48 "スペシャリスト"再考──ハードルの低い"スペシャル"

49 エコノミカルなジェネシャリ

50 「グローバル化」の意味は何か

51 エリーティズムとボトムアップ──自己を肯定しつつ,否定する

52 "ジェネラルとスペシャル"再々考──フレームワークを壊せるか?

53 ジェネシャリストの三角形は「三歩進んで二歩下がる」で成長させよ

54 ジェネシャリの未来


固定の視座と流動の視座 ──「ジェネシャリスト宣言」解説── 尾藤誠司

■ 特記事項

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