麻酔科グリーンノート

  • ページ数 : 432頁
  • 書籍発行日 : 2018年4月
  • 電子版発売日 : 2018年9月28日
¥4,180(税込)
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商品情報

内容

シンプルなのに一網打尽。最小の分量で最大の知識が身に付く決定版!

人気の「 グリーンノート」シリーズに麻酔科編が登場!麻酔科において日本有数の実績と経験を誇り、研修・教育にも力を注いでいる旭川医科大学の医局員とその同門の精鋭がまとめる、研修医向けポケットマニュアル。術前・麻酔・術後に分けて記載することで周術期の管理も理解できるように工夫。臨床現場で本当に役立つ情報のみ凝縮した一冊です。

序文

監修の序

本書籍は,株式会社中外医学社企画部の鈴木様にお声がけいただいたところから企画立案が開始されました.「臨床現場で本当に必要な情報を凝縮したポケットマニュアル」というコンセプトに惹かれ,「内容に統一性を図るため,一施設で実施されている臨床内容で構成する」というシリーズの対象に本教室を選んでいただいたことが光栄であり,二つ返事で承諾いたしました.あれからたった一年で,監修の序を記載できるようになったスピード出版に,編集者・執筆者・出版社企画者の皆様には感服の至りです.

項立てを行う際に,麻酔科領域に存在する数多くの研修マニュアルを拝読し,全ての書籍が「非常に洗練されて,臨床に役立つ書籍」であることを再認識しました.そこで,どのような書籍を目指すかと考え,「シンプルなのに一網打尽」というキャッチフレーズを編集者と企画者にお伝えしました.麻酔を実施する場合には広い分野の知識が必要で,時に特殊疾患の概要を知っている必要もあります.麻酔科医には「バランスと調和」が必要であると常に思っています.ある一つの事象に捕らわれて全体を見られなくなっても困りますし,かと言って,理論に裏付けられた知識なしに,妥協からの選択をすることも許容されません.故に,今回目指した専攻医のためのマニュアルは,知りたいことがすぐわかる書籍でありながら,重要事項を網羅している必要がありますし,結果として,専門医でも手にしたくなるマニュアルにもなると感じております.

「マニュアル世代」と揶揄されることもありますが,マニュアルがない時代の医療は,「指導者からの教え」や「書籍・論文などの情報」を断片的につないで,個人が体系化することが多かったと思います.これは,時に,多様な臨床や秀でた手法に繋がるかも知れません.しかし,私を含めた指導者は,「同じ所」を強調し,時に,伝え忘れたり,誤った情報や古い概念を伝えたりする可能性もあります.マニュアルで標準化された医療を習得した上で,そこから発展させることに,確実な医療の進化があると感じています.

今回,編集作業を担当した岩崎 肇先生は,視野が広く,全体を把握した上で細部にまで気を配ることに長けているので,私の無茶なコンセプトを理解し,理想的な書籍に仕上げてくれました.この書を手にした皆様,周りの医療スタッフにとって,臨床に役立つことが一つでも多くありますこと,一人でも多くの患者様と御家族がその恩恵を受けられることを願いつつ,出版に関わられた全ての皆様に感謝申し上げ,監修の序といたします.


2018年3月

旭川医科大学 麻酔・蘇生学講座

国沢 卓之



編集の序

『麻酔科グリーンノート』は,麻酔学を学ぶ初期研修医や後期研修医向けの教科書を目指して編集を始めました.執筆は旭川医科大学 麻酔・蘇生学教室の医局員と同門の先生方のみで担当し,総論・各論共にそれぞれの分野のスペシャリストに依頼しました.結果として,麻酔科専門医を取得後も十分使える教科書になったと思います.総論では,一般的な内容に加え,経食道心エコーや脳代謝モニタリングなどの周術期モニタリングの内容を充実させました.近年話題の肺エコーや,今後注目されるかもしれない眼底血流など,まだ一般的な書籍には掲載されていないような内容も含めました.当教室が得意とする神経ブロックに関しても,手技だけではなく,実際に用いたらよい薬剤の濃度・量などの一例も記載しました.各論では,内容を術前・麻酔・術後に分けて記載することにより,手術中だけではなく,周術期の管理を理解できるようにしました.

紙面構成においては,すべての項目の冒頭にPOINTを配置し,特に重要なことが一目でわかるようにしました.また,memo,注意,Adviceなどで知っておくべきポイントを抽出しました.薬物名はなるべく一般名と商品名の両方を記載し,商品名を調べる手間を省きました.予期せぬ合併症が発生した場合も,本書でそれを調べ,すぐに対処できるはずです.

最後に,本書を編集する機会を与えて下さいました旭川医科大学 麻酔・蘇生学講座 国沢卓之教授をはじめ,分担執筆者の先生方,中外医学社社長 青木 滋様,企画部・編集部の皆様に深く感謝申し上げます.


2018年3月

旭川医科大学病院 麻酔科蘇生科

岩崎 肇

目次

I 総論

1 術前管理

1 説明と同意

2 術前診察,術前評価

3 術前絶飲食

4 麻酔前投薬

5 手術の中止・延期

6 術前の使用薬物

7 緊急手術の術前評価

2 モニタリング

1 循環モニタリング

 心電図

 非観血的動脈圧(NIBP)

 観血的動脈圧

 中心静脈圧(CVP)

 肺動脈圧,肺動脈楔入圧

 混合静脈血酸素飽和度

 心拍出量

 経食道心エコー(TEE)

2 脳代謝モニタリング

 NIRS,rSO2,SjO2

 運動誘発電位(MEP)

3 脳循環モニタリング

 経頭蓋超音波ドプラ(TCD)

 眼血流

4 筋弛緩モニタリング

5 麻酔モニタリング

 BIS(bispectral index)モニター

 薬物動態・薬力学モニタリング

6 肺エコー

7 凝固モニタリング

3 術中使用薬

1 吸入麻酔薬

2 静脈麻酔薬

3 麻薬性鎮痛薬・拮抗薬

4 筋弛緩薬

5 心血管系作動薬

 カテコラミン

 降圧薬,その他

6 局所麻酔薬

 局所麻酔薬

 局所麻酔薬中毒

7 輸液・輸血

 輸液製剤

 輸血製剤

4 全身麻酔の実際

1 麻酔器の構造・始業点検

2 マスク換気

3 声門上器具

4 気管挿管

 挿管器具・チューブの種類と選択

 気管挿管方法

 DAM(difficult airway management)

 抜管

5 ライン確保

6 呼吸器の設定

7 麻酔維持

 バランス麻酔

 TIVA

 VIMA(吸入麻酔による麻酔導入と維持)

8 鎮静

5 鎮痛法

1 脊髄くも膜下麻酔

2 硬膜外麻酔,仙骨硬膜外麻酔

3 神経ブロック

 上肢

 下肢

 体幹,その他

4 その他の鎮痛法: iv-PCA

II 各論

1 各科麻酔

1 外科

 胃切除

 食道全摘

 肝切除

 膵頭十二指腸切除

 イレウス・腸切除

 腹腔鏡下胆囊摘出・腹腔鏡下結腸切除

2 胸部外科

 肺切除

 漏斗胸手術

 縦隔腫瘍手術

3 血管外科

 腹部大動脈瘤手術

 胸部大動脈瘤手術

 内頚動脈内膜剥離

 上腕動脈表在化

4 心臓外科

 人工心肺下心臓手術

 CABG

 僧帽弁形成術・置換術

 大動脈解離手術

 TAVI

 小児心臓手術

5 脳外科

 未破裂脳動脈瘤手術(開頭クリッピング)

 脳腫瘍手術

 下垂体腺腫手術

6 整形外科

 脊椎手術

 股関節手術(人工股関節置換術)

 膝関節手術(人工膝関節置換術,前十字靭帯再建術)

 上下肢骨折手術

 下肢切断術

7 泌尿器科

 経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR-Bt),経尿道的前立腺切除術(TUR-P)

 膀胱全摘術,前立腺全摘術

 経尿道的尿管砕石術(TUL),膀胱尿管新吻合

 褐色細胞腫摘出術

8 耳鼻科

 耳下腺腫瘍摘出,鼓室形成術

 声帯手術

 喉頭微細手術(ラリンゴマイクロ手術)

 甲状腺摘出術

 扁桃摘出,アデノイド切除

9 眼科

 硝子体手術,強膜内陥術,斜視手術

10 精神科

 電気痙攣療法

11 婦人科

 子宮鏡手術,子宮内膜掻爬術

 子宮全摘術(単純,広汎,腹腔鏡下,膣式)

 子宮外妊娠,卵巣腫瘍手術

12 産科

 総論

 帝王切開術

 妊婦の麻酔

13 小児科

 総論

 低出生体重児の麻酔

 鼠径ヘルニア,臍ヘルニア

 食道閉鎖,鎖肛

14 移植

 肝移植術

 腎移植術

15 ロボット支援手術

 ロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘術(RALP),他

2 合併症とその対策

1 呼吸器系

 低酸素

 気管支喘息

 喉頭痙攣

2 循環器系

 低血圧,高血圧

 不整脈

 心停止

 アナフィラキシー

 肺血栓塞栓症

3 消化器・代謝系

 悪性高熱

 術後悪心・嘔吐(PONV)

 シバリング

4 中枢・末梢神経系

 硬膜穿刺後頭痛(PDPH)

 術後嗄声

 術後神経障害

5 その他

 再手術,再挿管

3 合併症を有する患者の麻酔

1 腎機能障害

 腎不全・透析患者

2 肺機能障害

 肺気腫,巨大ブラ

3 上気道閉塞

 睡眠時無呼吸症候群(SAS),放射線照射後,咽頭腫瘍

4 肝機能障害

5 虚血性心疾患

6 低心機能患者

7 ペースメーカー

8 内分泌疾患

 糖尿病

 甲状腺機能亢進・低下症

9 関節リウマチ

10 統合失調症

11 抗凝固薬・抗血小板薬使用患者

12 ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)

13 重症筋無力症

14 輸血拒否患者

15 稀な疾患

 1.神経・筋疾患

 2.呼吸器疾患

 3.循環器疾患

 4.内分泌・代謝疾患

 5.皮膚・粘膜・結合織疾患

 6.血液疾患


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対応機種

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    iOS 10.0 以降

    外部メモリ:21.9MB以上(インストール時:52.8MB以上)

    ダウンロード時に必要なメモリ:87.6MB以上

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    AndroidOS 5.0 以降

    外部メモリ:21.9MB以上(インストール時:52.8MB以上)

    ダウンロード時に必要なメモリ:87.6MB以上

  • コンテンツのインストールにあたり、無線LANへの接続環境が必要です(3G回線によるインストールも可能ですが、データ量の多い通信のため、通信料が高額となりますので、無線LANを推奨しております)。
  • コンテンツの使用にあたり、M2Plus Launcherが必要です。 導入方法の詳細はこちら
  • Appleロゴは、Apple Inc.の商標です。
  • Androidロゴは Google LLC の商標です。

書籍情報

  • ISBN:9784498055360
  • ページ数:432頁
  • 書籍発行日:2018年4月
  • 電子版発売日:2018年9月28日
  • 判:B6変型
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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特記事項

※今日リンク、YNリンク、南山リンクについて、AndroidOSは今後一部製品から順次対応予定です。製品毎の対応/非対応は上の「便利機能」のアイコンをご確認下さいませ。


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