第2版の序

本書は2017年2月に第1版を発行しました．「皮膚の美容を初めて勉強しようとする時に使っていただく書籍」というコンセプトでした．それからわずか2年で改訂第2版を発行することができました．これも本書を多くの方々が支持してくださったものと思い，感謝申し上げます．

さて2年間という短い間にもかかわらず，美容皮膚科を取り巻く状況は大きく変わって来ました．まずさまざまな新しい薬剤，機器，治療方法が開発され使用できるようになりました．次に患者さんや厚労省の美容医療に対する関心がさらに高まってきました．

そのような状況の中で改訂第2版を出すにあたって次の2点に留意しました．まず同じ項目では最新の情報があればそれを盛り込んでいただきました．そして新規の項目を追加し，新たなエキスパートの先生に執筆していただきました．

美容皮膚科をすでに始めている方，これから始めようと考えている方，皆様にすこしでも本書が役立てれば幸いです．

2019年5月

近畿大学医学部皮膚科教授
川田 暁

I．美容皮膚科とは？

II．美容皮膚科診療に必要な皮膚科の知識とは？

III．美容皮膚科ではどんなことができるか？

IV．どのように始めたらよいか？

V．診察の実際

VI．「美容皮膚科診療」における医師賠償保険制度

I．皮膚の正常構造

II．皮膚の正常機能

III．紫外線と皮膚

IV．老化と皮膚

3-1　シミの種類と治療方法

I．日光黒子（老人性色素斑）

II．雀卵斑（ソバカス）

III．後天性真皮メラノサイトーシス

IV．肝斑

V．炎症後色素沈着症

VI．シミの種類に合わせたピコ秒レーザーの適応

3-2　シミのレーザー治療

I．表在性色素性疾患に対するレーザー治療

II．真皮メラノサイトーシス（両側遅発性太田母斑様皮疹）に対するレーザー治療

III．肝斑に対するレーザー治療

3-3　シミのIPL治療

I．IPLの特徴

II．治療法

III．副作用

IV．まとめ

4-1　シワの種類と治療方法

I．発症機序

II．シワの種類と分類

III．予防

IV．治療

4-2　シワのレーザー治療

I．シワについて

II．シワの治療方法

III．シワに対するレーザーなどの機器による治療

IV．シワ治療に有用な患者指導

4-3　シワの注射治療 ―ヒアルロン酸注入療法―

I．シワの病態と発生機序

II．ヒアルロン酸製剤の変遷

III．ヒアルロン酸注入療法の特徴

IV．ヒアルロン酸注入療法の実際

4-4　シワの注射治療 ―ボツリヌストキシン療法―

I．ボツリヌストキシン製剤の使用にあたって

II．中和抗体の産生について

III．治療の準備と留意点

IV．注射テクニックと適応

V．ボツリヌス治療の実際と施術手技

5-1　たるみの種類と治療法

I．たるみの病態

II．各層の変化

III．たるみの種類

IV．たるみの治療方法

5-2　たるみの近赤外線治療

I．近赤外線

II．適応

III．実際の近赤外線治療

IV．治療法の選択

V．臨床例

5-3　RFを用いたたるみ治療

I．Monopolar RF（サーマクール®）の皮膚に対する作用機序

II．Bipolar RF（Aurora SR^TM, SRA^TM, Polaris WR^TM, ST reFirm®:sublime, Motif IR, Endymed pro^TM）

III．RF以外の方法

6-1　部分痩せが有効な病態と治療法

I．部分痩せの概念，有効な病態

II．部分痩せ治療の評価について

III．治療法

6-2　非侵襲性医療機器を用いた部分痩せ治療

I．Cryolipolysis：冷却脂肪溶解（CoolSculpting®:クールスカルプティング®）

II．Monopolar RF治療

III．Bipolar RF

IV．非接触型RF

V．Ultrasound（超音波）とUnipolar RFとの複合機

VI．HIFU（high intensity focused ultrasound：高密度焦点式超音波）

VII．Focus shockwave（焦点式衝撃波）

VIII．Infrared laser（赤外線レーザー）

7-1　ニキビの病態とガイドライン

I．臨床症状

II．病態

III．診断のポイント

IV．治療方法全般

V．改訂された尋常性痤瘡治療ガイドライン

7-2　ニキビの外用治療

I．レチノイド

II．過酸化ベンゾイル（benzoyl peroxide：BPO）製剤

III．外用抗菌薬

IV．その他

7-3　ニキビの内服治療

I．抗菌薬

II．その他の内服薬

7-4　ニキビ（痤瘡）のケミカルピーリング

I．ケミカルピーリングの分類

II．ケミカルピーリングの適応

III．実際の方法

IV．副作用

7-5　ニキビの光治療 ―Blue Light Therapy，ダイオードレーザー―

I．痤瘡に対するBlue Light Therapy

II．痤瘡に対するダイオードレーザー

III．痤瘡，痤瘡後の紅斑・瘢痕に対する色素レーザー治療

8-1　スキンケアの基本

I．洗顔

II．保湿

III．化粧の仕方

8-2　サンスクリーン剤

I．サンスクリーン剤の定義

II．サンスクリーン剤の有効成分

III．サンスクリーン剤の剤型

IV．サンスクリーン剤の評価方法

V．サンスクリーン剤の使用方法

VI．サンスクリーン剤の副作用

8-3　美白剤

I．美白化粧品

II．美白主剤

8-4　抗シワ化粧品

I．シワとは

II．シワと化粧品

III．抗シワ化粧品とは

IV．レチノイン酸とレチノールについて

V．最近承認された主な抗シワ化粧品（医薬部外品）の種類と効果

8-5　ニキビ用化粧品

I．背景

II．化粧について

III．化粧品でニキビに有効な成分

IV．化粧品の副作用

8-6　ファンデーション

I．ファンデーションについて

II．メディカルメイク

III．ニキビ用メイクアップ

索引