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- 悪性リンパ腫診療スキルアップ
- ページ数 : 198頁
- 書籍発行日 : 2012年9月
- 電子版発売日 : 2012年11月22日
商品情報
内容
これから悪性リンパ腫診療をはじめる研修医、若手医師のみならずベテランの血液内科医・病理医・腫瘍内科医まで、基礎からトピックスまでを気軽にお読みいただける一冊となれば幸いです。
序文
悪性リンパ腫には多くの疾患単位があるため,学生,研修医はもとよりエキスパート以外の病理医や血液内科医にとっても,診断および治療が難しく感じられることが多々あると思います.特に診断については病理組織標本だけでは限界があるため,臨床的特徴,細胞形質,染色体,遺伝子検査などを含めた包括的な診断が重要です.そのためには,臨床医と病理医の連携は不可欠であり,今や臨床医も最低限の病理組織学的知識が必要で,病理医にとっては細胞表面形質や染色体を熟知することが大切です.また,治療に関しても新薬の登場が相次ぎ,治療の選択肢が増え治療成績も改善していますが,特に再発例に対する標準治療は未だ確立されていません.
本書は,総論では悪性リンパ腫を診断および治療するために最低限必要な内容を記載し,特にリンパ節腫脹の鑑別,リンパ節生検時のポイント,細胞表面形質や染色体検査の基本,治療方針を決定するために必要な病期分類や予後因子などを中心にまとめました.各論ではWHO分類第4版に準じて,各疾患単位の疾患概念・臨床所見・形態学的所見・免疫学的表現型・治療戦略・予後について執筆しました.また,節外性リンパ腫については,発生部位により特異的な臨床的特徴・進展様式・治療戦略があるため対応の仕方が異なります.そのため本書では節外性リンパ腫にも力を入れて執筆しました.各項目のはじめに「これだけは知っておきたいPOINT」を記載し,本文中の重要な内容には下線を引き,重要な図表は「KEY SLIDE」としました.また「One Point Lesson」として用語の説明や必ず知っておきたいことなどを加えました.
これから悪性リンパ腫診療をはじめる研修医,若手医師のみならずベテランの血液内科医・病理医・腫瘍内科医が,基礎からトピックスまでを気軽にお読みいただける一冊となれば幸いです.
最後に,お忙しい中執筆をお引き受け下さいました先生方にこの場をお借りして御礼申し上げます.
2012年 7月
新津 望
目次
総論
A.悪性リンパ腫を診断するために
1.リンパ節腫脹をきたす疾患
1.リンパ節腫脹の病的意義について
2.リンパ節腫脹へのワークアップ
3.リンパ節が腫脹する代表的な非腫瘍性疾患について
2.リンパ節生検
1.リンパ節生検の目的・適応
2.リンパ節生検の方法・検体の取り扱い
3.生検リンパ節の提出検査内容
4.病理診断に必要な臨床情報
3.病理診断
1.概要
2.特性(他系統の腫瘍に比べたリンパ腫病理診断の特徴)
3.分類
4.形態学的所見/HE染色(主にリンパ節について)
5.免疫表現型/免疫組織染色
4.細胞表面形質(マーカー)
1.細胞表面形質とその検出法
2.細胞表面形質から推定する病理組織型
3.まとめ
5.染色体,遺伝子
1.はじめに─ヒト染色体の基本
2.染色体分析法
3.染色体異常
4.染色体分析結果の記載と解釈
5.リンパ腫の組織型に特異的な主な染色体異常
6.染色体分染法以外の染色体検査法
7.まとめ
B.悪性リンパ腫を治療するために
1.病期診断
1.リンパ腫の病期診断
2.病期決定のために行う検査
2.予後予測因子
1.Aggressiveリンパ腫:国際予後指標(IPI)
2.濾胞性リンパ腫:濾胞性リンパ腫国際予後指標(FLIPI)
3.末梢性T細胞性リンパ腫,非特異群:T細胞リンパ腫予後指標(PIT)
4.マントル細胞リンパ腫:マントル細胞リンパ腫国際予後指標(MIPI)
5.進行期Hodgkinリンパ腫:国際予後スコア(IPS)
3.薬物有害事象への対策
1.化学療法開始前に行う検査と抗悪性腫瘍薬による臓器障害
2.抗悪性腫瘍薬の有害事象に対する対策
4.治療効果判定
1.治療効果判定の実際
2.効果判定の注意点
各論
A.B細胞リンパ腫
1.Bリンパ芽球性白血病/リンパ腫(B-ALL/LBL)
2.濾胞性リンパ腫(FL)
A.消化管濾胞性リンパ腫
3.マントル細胞リンパ腫(MCL)
4.節性濾胞辺縁帯リンパ腫(NMZL)
A.胃粘膜関連リンパ腫(胃MALTリンパ腫)
B.眼付属器MALTリンパ腫
C.脾濾胞辺縁帯リンパ腫(SMZL)
5.びまん性大細胞型B細胞リンパ腫,非特異群(DLBCL, NOS)
A.血管内大細胞型B細胞リンパ腫(IVLBCL)
B.縦隔(胸腺)原発大細胞型B細胞リンパ腫(PMBL)
C.中枢神経系原発びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(CNS DLBCL)
D.Double translocation lymphoma(DTL)
6.Burkittリンパ腫(BL)
7.節外性リンパ腫
A.消化管
B.精巣
C.乳腺
D.甲状腺
B.T細胞およびNK細胞リンパ腫
1.末梢性T細胞リンパ腫,非特異群(PTCL-NOS)
2.未分化大細胞型リンパ腫(ALCL)
3.血管免疫芽球性T細胞リンパ腫(AITL)
4.成人T細胞白血病/リンパ腫(ATLL)
5.節外性NK/T細胞リンパ腫,鼻型(ENKL)
6.節外性リンパ腫
A.腸管症関連T細胞リンパ腫(EATL)
B.肝脾T細胞リンパ腫(HSTL)
C.Hodgkinリンパ腫(HL)
D.免疫不全症関連リンパ増殖性疾患(ID-LPD)
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書籍情報
- ISBN:9784498125742
- ページ数:198頁
- 書籍発行日:2012年9月
- 電子版発売日:2012年11月22日
- 判:A5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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