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  • ベッドサイドで使える腫瘍循環器入門 循環器医と腫瘍専門医が知っておくべき20の基本知識

ベッドサイドで使える腫瘍循環器入門 循環器医と腫瘍専門医が知っておくべき20の基本知識

  • ISBN : 9784498134386
  • ページ数 : 168頁
  • 書籍発行日 : 2019年10月
  • 電子版発売日 : 2019年10月24日
  • 判 : A5判
  • 種別 : eBook版 → 詳細はこちら
販売価格 (ダウンロード販売)
¥3,960 (税込)
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商品情報

がんと心血管疾患が合併した際にどちらを優先して治療するか.
両疾患が複雑に絡み合ったケースに対して,腫瘍学あるいは循環器学単独の知識では時に太刀打ちできない.
本書では,腫瘍循環器のエキスパートである筆者が,臨床現場での実践的知識を惜しげもなく披露している.
はじめて腫瘍循環器に取り組む医師・メディカルスタッフにとって,最新の腫瘍循環器領域のスタンダードにキャッチアップするのに最適な一冊である.

■ 序文

この本を心臓およびがんの治療に携わるすべての医師・医療スタッフに届けたい

私と腫瘍循環器との出会いはまだ私が研修医であったころに遡る.当時はまだ拡張型心筋症にも恐る恐る(1週間に1回以下の増量のペースで)β遮断薬を入れていた時代.そんな中でドキソルビシンによる心筋症の患者の担当になったが,それだけゆっくりのペースであってもβ遮断薬の増量には耐えられず,また心室性不整脈も頻発し,ついには退院できなかった.ドキソルビシンが用量依存性に心筋症を起こすことはわかっていたため,これは原因を取り除くしかないと考えたものの,多くの患者はとうの昔に化学療法を終えているため,循環器医からできることは少ないなと,無念さを禁じえなかった.当時すでに米国ではCardio--Oncology Unitが設立されはじめたという情報も,当然のことながら日本には入ってきておらず,以来抗がん剤と心疾患の関連は私の中でいつも小骨のように引っかかっていた.

日本でも腫瘍循環器の重要性ががんセンターを中心に注目され始めたころ,留学から帰国し国際医療福祉大学三田病院にお世話になっていた私は,故 北島政樹先生(慶應義塾大学名誉教授・国際医療福祉大学名誉学長)の薦めをいただき2017年の春に念願の腫瘍循環器外来を開設することができた.あえて循環器が主役ではないことから周囲からは不思議に思われたであろう腫瘍循環器外来を『がん心臓外来』と名付けた私は,患者さんと主治医の治療スケジュールを妨げることなくサポートできる外来とするため,3名の医師でチームを組み毎日腫瘍循環器外来を開催することにした.周囲からはとっつきにくいと思われることの多い循環器医が,できるだけコンサルテーションの敷居を下げてがん治療をサポートするというコンセプトを掲げたこともあってか,依頼件数は瞬く間に増え,さまざまな診療科の数多くの患者さんと接することができた.時には連携がうまくいかないこともあったり,時には診察室で患者さんから心臓ではなくがん治療に関する不安を伺ったりと,いろいろ試行錯誤を繰り返しながら積み上げてきた経験値を,本の形で他施設で困っている医療スタッフに還元できればと思い本書をしたためた.

はじめて腫瘍循環器に取り組む医師・メディカルスタッフがこれ一冊を読めば2019年における腫瘍循環器領域のスタンダードにキャッチアップできるように記載しているので,本書を使ってこの領域の扉を開けてほしいと願っている.

最後にいつも新たな知見を教えてくださる三田病院のさまざまな領域の専門医,快く検査をしてくださる検査技師,一緒に薬について調べてくれる薬剤師,一緒にがん心臓外来を立ち上げた同僚たちにこの場を借りてお礼を申し上げるとともに,この領域に関わるスタッフがさらに一人でも多く増えていくことを願う.


2019年9月吉日

国際医療福祉大学三田病院
田村 雄一



推薦のことば

本書を手に取った時,私自身がまず感じたのは「20の"基本"知識」ががん医療に携わる医療者にとっても必ずしも「常識」ではないことである.特にがんサバイバーの心血管疾患フォローや,がん患者の心臓リハビリテーションなど,がん治療に携わる医療者にとっても,循環器に携わる医療者にとっても,互いがオーバーラップしている分野の知見には未知の領域が多いのが現実である.

社会の高齢化がさらに進行し,さまざまな治療技術の進歩によってがん治療成績が向上するこれからの時代において腫瘍循環器学はますます重要な領域として認識されるものと考える.腫瘍学と循環器学が互いの理解なくして最適な診療を行えないケースもさらに増加するであろう.

一方で,まだまだエビデンスの蓄積が必要な腫瘍循環器学という分野を実臨床に直結させるにはどうすればよいのかを今後を担う若い世代に的確に伝える必要がある.本書は腫瘍循環器領域の第一線で活躍する筆者らの実践的経験の蓄積の上に構成されており,実用的であるだけでなく現時点で提示できるエビデンスもしっかりと示している点で秀逸である.

本書が今後大きな発展を遂げるこの領域の歴史の1ページを刻む1冊となり,多くの医療者がこの領域に興味を抱いてその未来を切り開いていただきたいと願っている.


2019年10月

慶應義塾大学医学部外科学教室教授
北川 雄光

■ 目次

総論

Q1 腫瘍循環器外来とはなんですか? またその意義はなんでしょうか?

Q2 腫瘍循環器外来を行うのに必要なリソースとうまく運営するコツはなんですか?

Q3 腫瘍循環器外来の検査ではどのような項目が重要でしょうか?

Q4 Type 1/Type 2の心毒性とはなんでしょうか?

Q5 がんサバイバーのフォローはどのように考えればよいでしょうか?

製剤別各論

Q6 HER2阻害薬による心毒性のフォロー方法はどのようにすればよいでしょうか?

Q7 アントラサイクリン系による心毒性のフォロー方法はどのようにすればよいでしょうか?

Q8 免疫チェックポイント阻害薬による心血管障害のフォロー方法はどのようにすればよいでしょうか?

Q9 チロシンキナーゼ阻害薬による心血管障害のフォロー方法はどのようにすればよいでしょうか?

Q10 VEGF阻害薬による高血圧症のフォロー方法はどのようにすればよいでしょうか?

症候別各論

Q11 心筋障害発生時の改善を期待して投与できる薬剤と,抗がん剤の中止・減量はどのように考えればよいでしょうか?

Q12 がんの患者さんの心房細動はどのようなことに注意してマネジメントすればよいでしょうか?

Q13 放射線治療関連の冠動脈疾患で意識すべきなのはどのような点でしょうか?

Q14 がん関連動脈血栓塞栓症の診断・治療はどのようにすればよいでしょうか?

Q15 がん関連静脈血栓塞栓症のリスク評価はどのようにすればよいでしょうか?

Q16 がん関連静脈血栓塞栓症の急性期・遠隔期の診断と治療はどのようにすればよいでしょうか?

Q17 がん患者さんの肺高血圧症はどのように診断・治療すればよいでしょうか?

Q18 PTTMとはどのような病態で診断・治療はどのようにすればよいでしょうか?

Q19 がん患者の心臓リハビリテーションはどのように考えますか?

Q20 がん患者さんの心囊液はどのタイミングでドレナージすればよいでしょうか?

付録 三田病院のフォロープロトコールとフローチャート一覧

索引

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