第1章 輸液の基本
どのコンパートメントにどの輸液製剤を入れるか?
1●どのコンパートメントに水を入れるのかを意識する
2●どの輸液製剤を入れるべきか,それが問題だ
1)輸液製剤の体内分布(前編 ~水の移動の法則)
2)輸液製剤の体内分布(後編 ~輸液製剤のキャラクター編)
3)永遠のライバル,晶質液と膠質液 ~晶質液編
4)永遠のライバル,晶質液と膠質液 ~膠質液編
3●侵襲時に体液動態はどう変わるのか?晶質液vs.膠質液
1)サードスペースとは?
2)輸液研究の金字塔 ~SAFE studyは従来の体液コンパートメントでは説明できない?
3)Revised Starling式とグリコカリックスモデルで紐解くContext sensitiveという概念
4)晶質液vs.膠質液の仁義なき戦い
第2章 循環管理の基本 1
輸液の「目標」は何か?
1●何のために輸液をするのか?
1)ショックとは何か?
2)酸素需給バランスとは?
3)血圧はなぜ重要なのか?
4)何のために輸液をするのか?
2●静脈系=右室前負荷 ~静脈系は血液の巨大な貯蔵庫
1)静脈系には循環に作用しない,ただ蓄えているだけのvolumeがある ~stressed volumeとunstressed volume
3●前負荷と動脈系 ~左室前負荷とCOのはなし
1)Frank-Starling曲線とは
2)右室の前負荷と左室の前負荷をイメージする
4●輸液反応性と輸液必要性を考える
1)輸液反応性とは?Frank-Starling曲線のどこにいる?
2)輸液反応性があれば輸液をするのか?輸液必要性
3)大量輸液の害
第3章 循環管理の基本 2
何を「指標」に輸液をするのか?
1●何を「指標」に輸液をするのか?
2●血行動態モニターを制すれば輸液を制す?
1)PAC ~血行動態モニター界のキング
2)FloTracモニター ~血行動態モニター界の若きエース
3)PiCCOモニター ~血行動態モニター界のクィーン
4)その他の非侵襲的モニター ~血行動態モニター界のニューウェーブ
5)エコー ~血行動態モニター界のジョーカー
3●静的指標と動的指標
1)静的指標とは何か.動的指標とは何か
2)静的指標と動的指標.どっちを使う?
4●"フェーズ"を意識する
1)急性期輸液の4つの"フェーズ"を知っていますか?
2)経験の積み重ねからクリニカルコースをイメージできるようになる
3)モニターに踊らされるな ~PACはなぜ消えた?
4)イメージしたコースと異なる ~なにかおかしいな?と思ったとき
5)維持輸液とボーラス輸液 ~輸液管理の実際とコツ
6)侵襲的モニターが使用できない環境下での輸液戦略
第4章 輸液管理の実際
実践編
1●敗血症性ショック
1)敗血症の定義の変遷
2)SSCG2016における輸液戦略
3)カテコラミンを使い分ける
4)敗血症のステロイド
5)AKIの輸液戦略
2●急性心不全
1)急性心不全の分類
2)PVループで循環管理を深める
3)右心というもの
4)弁膜症患者の循環管理
3●ARDS 急性呼吸窮迫症候群
1)ARDSとは
2)結局変わらないARDSの輸液管理のコンセプト
4●ACS 腹部コンパートメント症候群
1)もう一つのACSを知っていますか?
2)膀胱内圧とIAP
3)ACSのマネージメント
終章 輸液管理のプロトコール
1)急性期輸液療法のプロトコール
2)プロトコールを採用すべきか?
COLUMN
●総体内水分量はみんな同じ?
●生理食塩液は等張?生理的?
●高Na血症を伴うショック時には輸液は何を使う?
●ドナン効果はどんな効果?
●アルブミン製剤の有害事象
●輸血の血漿増量効果?
●投与した晶質液,膠質液はどれくらいの時間血管内にとどまるのか?
●血漿増量効果,膠質浸透圧維持以外のアルブミンの効果
●蘇生時に血中アルブミン濃度を目標にアルブミンを投与すべきか?
●蘇生輸液は等張アルブミン?高張アルブミン?
●VO2の求め方
●ScvO2とSvO2
●PCO2ギャップ
●非観血的か観血的か
●SBPとDBP
●後負荷とは?
●輸液のトリガー
●いろいろなCOの測定法
●PAWPで心原性肺水腫と非心原性肺水腫は区別できるか?
●microcirculationを評価するモニター
●PLRの測定に関してのちょっとマニアックな話
●ショックの分類
●敗血症性心筋症にご用心
●前負荷,後負荷,心収縮力の相互依存性の変化
●ラシアル?
●ARDSと右心
●ARDSとECMO ~VVとVA
索引