• ページ数 : 340頁
  • 書籍発行日 : 2019年3月
  • 電子版発売日 : 2019年4月17日
¥9,680(税込)
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商品情報

内容

各年の神経学分野の進歩をいち早く伝える伝統の人気書籍、「Annual Review 神経」の最新刊!

毎年の最注目トピックを厳選し,第一人者が内外の文献を踏まえて最新の知見を解説している,伝統と好評の年度版.2019年版では「glymphatic system」「神経難病への核酸医療、など」に関するトピックや,臨床の現場で近年直面する問題としての「抗血栓療法中の頭部外傷」「高齢発症てんかん」など,神経学分野各領域の進歩や最新の話題をいち早く伝える内容である.

序文

本年も、ここにAnnual review神経2019を上梓することができました。冒頭にあたり、ご執筆いただいた先生方には編集者一同より、あらためまして御礼申し上げます。

本書の編集スタイルは、基礎から臨床にわたる多彩な領域から新しい学問的知見や治療法,臨床概念や診断基準の変化など,その時々に臨床医にとって必要なテーマを編集者が選び出し、この数年はこれをBasic Neuroscience、本年の動向、疾患各論の3つの章にわけて掲載する手法がとられています。Annual Reviewという名称からすれば,各テーマについて直近の1年間に出版された文献をレビューすることとなりますが、実際の編集作業は各編集委員が複数の項目を分担してテーマと執筆者を提案し,列挙された多くのテーマからその領域の研究の進捗や本誌への掲載履歴なども考慮して合議によってしぼり込まれています。各テーマの執筆者もその研究を直接推進している新進気鋭の研究者が選ばれており、未発表データや今後の展望など他書では得られない多くの情報が満載されています。本年版においても、「脳の老廃物排泄機構glymphatic system」、「MRIミエリンマップの脱髄疾患・神経再生への応用」、「αシヌクレイン選択的PETプローブ」、「神経難病への核酸医療」、など、まさに時宜を得た内容といえます。また、抗血栓療法中の頭部外傷、高齢発症てんかん、といった臨床現場で最近になり遭遇する頻度の増えた諸問題も紹介しています。

情報過多の時代における総説論文の位置づけは、当該領域の最先端にいる執筆者が多くの新知見を紹介・取捨選択し,現在の立ち位置や将来の方向性を示すことにあります。基礎・臨床にわたる神経学の邦文レビュー誌である本書の創刊は1986年に遡り、今年は34巻目となります。かつて他領域でも類似のレビュー誌が少なからず見られましたが、現在まで脈々と続いているものは本書のほかにありません。神経学の幅の広さ・奥行きの深さに由来しているのはもちろんのこと、取り上げてまいりましたテーマ・内容が神経領域に関わる多くの方々からご支援をいただけた賜物と拝察しております。重ねて感謝申し上げますとともに、今年のAnnual review神経2019も、従来にも増して鋭い切り口で斬新な、あるいは古くても新しいテーマを読者諸兄姉にご提供できているとすれば、編集者一同の望外の喜びとするところです。


2019年1月

編集者一同

目次

I. Basic Neuroscience

1.神経生理

1 係留伝達:新たな神経伝達の概念

配線伝達

ボリューム伝達

神経化学特性のパラダイムシフト海馬へのコリン作動性投射:ボリューム伝達

皮質領域の陥入型シナプス:配線伝達と係留伝達

線条体のドーパミンシナプス:係留伝達

係留伝達の機能的意義

2 動物での脊髄障害と歩行

動物の脊髄障害による歩行の評価

歩行練習の効果について

歩行練習の併用効果

2.神経病理

1 Glymphatic System とは

循環系の概要

リンパ管とは何か

脳のリンパ管に代わる血管周囲腔

glymphatic system

2 封入体筋炎は炎症か

封入体筋炎(sIBM)とはsIBMの臨床的特徴 sIBMの診断sIBMの病態

sIBMの治療戦略

3.生化学(分子生物学)

1 神経変性疾患の血清・血漿診断マーカー

アルツハイマー型認知症

パーキンソン病(孤発性)

パーキンソン病類縁疾患

予想される今後の流れ

2 神経幹細胞の形成・維持メカニズム

成体における神経新生

成体における神経新生の過程

成体神経幹細胞の分化運命制御

成体神経幹細胞の発生起源

細胞周期の抑制と成体神経幹細胞の形成との関係

4.画像

1 DAT イメージングにおける日本人正常データベースの構築

123I-FP-CITの適応

123I-FP-CIT SPECTの定量評価正常データベースの構築

臨床応用

今後の動向

2 MRI によるミエリンイメージング

q-Space imaging(QSI)

QSIを用いたミエリンマップの開発ミエリンマップの臨床応用

課題と展望

II. 本年の動向

1 筋萎縮性側索硬化症(ALS)の病態解析と新規の治療法の開発

ALS発症におけるRNA結合タンパク質の関与

iPS細胞技術を用いたALSの創薬研究

2 自己免疫性脳炎研究の進歩

抗原の局在からみた病態の違い

AE診断における新しい臨床的アプローチ

AEと鑑別すべき疾患群

AEと新規発症の難治性てんかん重積症候群

C-NORSEと抗NMDAR脳炎の鑑別抗NMDAR脳炎に関連する新しい知見

抗VGKC複合体抗体に関する新しい知見

抗NSA抗体の検出率

3 成人発症遺伝性白質脳症の医療基盤

難病法施行による指定難病の拡大

遺伝性脳小血管病

神経軸索スフェロイド形成を伴う遺伝性びまん性白質脳症

そのほかの遺伝性白質脳症

指定難病とされていない成人発症遺伝性白質脳症当施設における白質脳症遺伝子診断の取組み

4 エンテロウイルス等感染症を含む急性弛緩性麻痺

急性弛緩性脊髄炎の定義

AFMの臨床的特徴

非ポリオエンテロウイルスとAFMの関連性

5 プリオン病update

ヒトプリオン病VPSPrとFAP型プリオン病について

シカのプリオン病

6 脊髄性筋萎縮症に対する核酸医薬品治療と今後の展望

SMAの病態メカニズム

SMAにおける遺伝子診断

SMAにおけるASOによる治療

今後の展開

7 補体を標的とした神経免疫疾患の新規治療

補体を標的とした治療薬

多巣性運動ニューロパチー

重症筋無力症

視神経脊髄炎

ギラン・バレー症候群

抗補体療法における注意点

8 脳表ヘモジデリン沈着症

診断指針

疫学

臨床症候

発症機序

原因となる疾患,病態

画像診断

脳脊髄液検査

病理

治療

9 虚血コアのMR imaging

虚血脳組織の画像評価

DWI病変を虚血コアとしてよいか?

虚血コアとしてのDWI評価方法

Late window paradox

10 脳神経外科領域における先進医療機器開発の現状

外視鏡(Exoscope)Dual Image Videoangiography(DIVA)神経内視鏡下蛍光血管造影

光線力学的療法(Photodynamictherapy:PDT)集束超音波(Focused ultrasound)

パルスウォータージェットメススマート治療室

III. 各種疾患

1.感染症・炎症疾患

1 HTLV-1 関連脊髄症(HAM)に対する新規治療法

HAMとは

病態

経過の特徴

疾患活動性分類基準の策定HAMの治療の現状

感染細胞を標的とした新規の分子標的薬

2.脳血管障害

1 cnm 遺伝子陽性Streptococcus mutans と高血圧性脳出血

「脳腸連関」と「脳口連関」

S.mutans のコラーゲン結合タンパクCnm

cnm 陽性S.mutans と脳出血

病態・機序

2 脳血管障害のゲノムワイド関連解析

初期の脳血管障害GWASの失敗

脳梗塞関連遺伝子座HDAC9の発見

その他のGWAS座位:PHACTR1 , PMF1 , FOXF2 ,TPAN2

MEGASTROKE研究

MEGASTROKEとGWASの未来

3 急性期血栓回収療法の進歩

急性期脳梗塞に対する血栓回収デバイス

急性期脳梗塞に対するmechanical thrombectomyのエビデンス

Mechanical thrombectomyの適応のさらなる拡大

わが国におけるMechanical thrombectomy

4 日本の破裂・未破裂脳動脈瘤の動態解析

日本のクモ膜下出血の頻度と推移男女別年齢別,大きさの差異破裂脳動脈瘤の治療成績・経済効果

未破裂脳動脈瘤の保有率

未破裂脳動脈瘤の増大,新生,破裂危険因子

日本の未破裂脳動脈瘤の推移とSAH頻度の関連性

未破裂脳動脈瘤の治療成績・医療経済

今後の展望と課題

3.脳腫瘍

1 悪性脳腫瘍治療の未来

手術に関連した腫瘍の局所制御向上の試み

新たな治療機器NovoTTFの登場

分子標的療法: 脳腫瘍のprecision medicine実現をめざして

免疫療法:期待と現状

2 転移性脳腫瘍に対する治療

疫学と治療方針

WBRTのエビデンスSRSのエビデンス薬物療法のエビデンス

今後の展望

4.外傷

1 抗血栓療法中の高齢者頭部外傷診療の現状と展望

抗血栓療法中の高齢者頭部外傷の現状

抗血栓薬と外傷性頭蓋内出血のリスク

抗血栓薬と血腫拡大のリスク

抗血栓薬の中和

2 慢性硬膜下血腫:最近の動向

慢性硬膜下血腫の手術法に関するエビデンス

抗凝固血小板剤の内服と慢性硬膜下血腫

超高齢者の慢性硬膜下血腫

血管内塞栓術を用いた治療

内視鏡を用いた手術

低髄液圧症と慢性硬膜下血腫

薬物治療

5.変性疾患

1 小脳障害の定量評価法―SCD 治療開発を見据えた評価法開発の取組み―

神経症候学における小脳症候

小脳性運動失調の半定量評価法と問題点

小脳の機能と内部モデル仮説

小脳神経回路に基づいた小脳症候の理解

小脳機能の定量評価法:最近の取組み

2 シヌクレインPET イメージング

これまでに報告されたαシヌクレイン病変のPETプローブ

新たなイメージング剤の開発

6.中毒・代謝疾患

1 薬剤誘発性重症筋無力症

MGが悪化する薬剤

薬剤誘発性MG

スタチンと筋有害事象 ペニシラミンとMG

免疫チェックポイント阻害薬とMG抗PD-1ミオパチー

7.脱髄・免疫性疾患

1 腸内細菌叢と多発性硬化症

MS発症に関連する環境因子

食生活-腸内細菌-腸管免疫

動物モデルEAEと腸内細菌基礎研究

MS患者の腸内細菌叢解析MS患者腸内細菌叢偏倚の機能的意義

臨床への還元

2 抗MOG 抗体関連疾患

成人発症の脱髄疾患における抗MOG抗体

視神経炎における抗MOG抗体

小児中枢神経炎症性脱髄疾患における抗MOG抗体抗MOG抗体による病態への関与

抗MOG抗体陽性症例の治療法

8.末梢神経障害

1 糖尿病性ニューロパチーの現在

糖尿病性ニューロパチーの診断

重症度の判定

病態に基づく治療

対症療法

新しい神経障害の評価法

2 ジカウイルス感染症とギラン・バレー症候群

ジカウイルスとは

ジカウイルス感染症とGBSの関連

ジカウイルス関連GBSの特徴

ジカウイルス関連GBSの病態

治療・予後

9.神経筋疾患

1 免疫介在性壊死性ミオパチーと自己抗体スクリーニング

抗SRP抗体

抗HMGCR抗体

自己抗体スクリーニング

2 皮膚筋炎特異抗体の最近の知見

抗TIF1抗体

抗MDA5抗体

抗NXP2抗体

抗SAE抗体抗 ARS抗体と抗ARS抗体症候群

10.自律神経疾患

1 神経可塑性障害としての慢性痛―腕傍核扁桃体中心核路の役割―

痛みの経路からマトリクス〜ネットワークへ

慢性の痛みと脳内神経可塑性

痛みと扁桃体

腕傍核−扁桃体路

腕傍核−扁桃体路の痛み依存的シナプス可塑性

2 オレキシンと自律機能調節

オレキシンとは

オレキシンは睡眠覚醒状態の変化に伴う呼吸調節変化を仲介する

オレキシンはストレスによる覚醒状態の変化に伴う自律機能変化も仲介する

オレキシン受容体拮抗薬の特徴

3 特発性後天性全身性無汗症

疫学

所見

治療

病態仮説

11.機能性疾患

1 てんかん診療ガイドライン2018 の改訂点

てんかん分類

薬物治療

系統的レビュー(Systematic review)

抗NMDA受容体抗体脳炎

長時間ビデオ脳波モニタリング検査の意義

2 発作性ジストニアとてんかん―シナプトパチーとしての

発作性運動障害とジストニア小脳起原説―

PxMD-PRRT2

PxMD-PNKD

PxMD-SLC2A1

イオンチャネル変異と発作性運動障害

イオンポンプ変異とジストニアジストニア小脳起原説

3 難治性疼痛への包括的医療

集学的疼痛治療のスタッフ構成

集学的痛み治療の目的

集学的痛み治療の流れ

大阪大学での取組み

脳神経外科医の関わり


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  • Appleロゴは、Apple Inc.の商標です。
  • Androidロゴは Google LLC の商標です。

書籍情報

  • ISBN:9784498328303
  • ページ数:340頁
  • 書籍発行日:2019年3月
  • 電子版発売日:2019年4月17日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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特記事項

※今日リンク、YNリンク、南山リンクについて、AndroidOSは今後一部製品から順次対応予定です。製品毎の対応/非対応は上の「便利機能」のアイコンをご確認下さいませ。


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※コンテンツの使用にあたり、M2Plus Launcher(iOS/iPhoneOS/AndroidOS)が必要です。


※書籍の体裁そのままで表示しますため、ディスプレイサイズが7インチ以上の端末でのご使用を推奨します。