小児コモン60疾患実践的ガイドライン活用術

  • ページ数 : 375頁
  • 書籍発行日 : 2019年4月
  • 電子版発売日 : 2019年9月18日
¥9,350(税込)
ポイント : 170 pt (2%)
今すぐ立ち読み
今すぐ立ち読み

商品情報

内容

小児科領域の診療ガイドラインは約100にも及ぶ.定期的に改訂される内容を熟知し,診療で使いこなすのは容易なことでない.
小児科医の日常診療をサポートするため,ガイドラインを知悉した専門医により,臨床で遭遇するcommon diseaseへの活用術をダイジェスティブかつ実践的に紹介.典型例,非典型例,難治例,特異例,症例ごとに展開されるガイドラインの使い方は,まるでリアルな追体験.

序文

小児科は幅広く,かつ奥深い診療科である.内科領域のほとんどを含むうえ,未熟児・新生児医学,臨床遺伝学など成人診療科にない専門領域を持ち合わせる.さらに,関連診療科の小児疾患の知識も要求される.そればかりか子どもは成長・発達する存在であり,そのドラマチックな過程を理解する必要がある.古典的な診療技術が重視され,多くのcommon diseaseを診療する総合診療を基本とするが,遺伝子治療を含む先進的治療も続々と導入されている.加えて,小児科医は医療のみならず,保健,福祉,教育,政策など社会への参画も求められる.そして,子どもたちの笑顔は未来の象徴であるとともに,私たち小児科医のモチベーションの源泉である.小児科学,それは"Long and endless, butexciting journey"である.

EBMの概念の普及に伴い,過去10年ほどの間に診療ガイドラインや診療の手引きなどの診療ツールが次々に作成され,さらに日夜アップデートされている.医療者は常に最新知識を学び,それを意識した診療が要求されるようになった.大変な時代になったものだと痛感する.究極の総合診療医である小児科医は,目を通すべき診療ツールは他科と比較して自ずと多くなる.その数の多さは時に学習意欲を凌駕してしまう程である.皆さんのなかにも,診療ツールを購入あるいはダウンロードしたことですっかり安心してしまい,ほとんど目を通すこともなく書架で埃をかぶり,やがて新しい版を購入する羽目になったことはないだろうか.もっとも私もその口であるが.

一方,多くの診療ツールを作成した立場から言わせてもらえば,エビデンスが低くともぜひ伝えたい重要な項目もあれば,それが高くとも実臨床にそぐわない項目もある.専門家の合意とはしばし妥協の産物であったりもする.伝えたいことは解説文に込められていたりするが,門外漢に理解せよというのは酷な話である.また,専門外領域の診療ツールを,目の前の患者に落とし込むと作業は,誰にとってもハードルが高い作業であろう.

本書のユニークな点は,複数の患者例を用いて,小児科および関連領域のcommondiseaseの診療ツールの使い方を示した点である.典型例に加え,非典型例,重症例なども提示した.読者は患者の担当医の目線で,患者の問題を理解し,同時に診療ツールの用い方を体感することができる.各項目は診療経験の豊富な第一人者に執筆を依頼した.一流の専門家の患者の見立て,治療選択の道筋,さらに診療ツールの重要な点,行間に隠されたニュアンスなどを学習することができる.本書は無味乾燥になりがちな診療ツールと動き溢れる実臨床の架け橋になるものと確信している.肩に力を入れて本書を読む必要はないが,読んでいるうちに引き込まれること請け合いであり,読者には小児科学の魅力を再発見していただきたい.また,実際の診療ツールを手にとり熟読する契機となればなお幸いである.

最後になるが,執筆をご快諾いただいた第一人者の先生方に深謝いたします.


2019年1月15日

蝋梅と日本水仙の香り漂う早春の横浜にて
横浜市立大学大学院医学研究科発生成育小児医療学
伊藤 秀一

目次

1章 アレルギー疾患

食物アレルギー

新生児・乳児食物蛋白誘発胃腸症

アトピー性皮膚炎

気管支喘息

アレルギー性鼻炎

2章 川崎病

川崎病の急性期治療

川崎病の心臓血管後遺症

3章 感染症

パリビズマブの投与基準

敗血症

細菌性髄膜炎

MRSA感染症

4章 呼吸器疾患

呼吸器感染症

慢性咳嗽

5章 耳鼻咽喉科疾患

急性中耳炎

滲出性中耳炎

急性鼻副鼻腔炎

6章 循環器疾患

不整脈

高血圧

7章 消化器疾患

胃腸炎

便秘症

過敏性腸症候群

急性虫垂炎

腸重積症

鼠径部ヘルニア

8章 腎・泌尿器疾患

特発性ネフローゼ症候群

IgA腎症

停留精巣

夜尿症

膀胱尿管逆流

先天性水腎症

検尿

9章 神経疾患

熱性けいれん

けいれん重積

頭痛

10章 新生児疾患

発育性股関節形成不全(先天性股関節脱臼)

ビタミンK 欠乏性出血症

鉄欠乏性貧血

未熟児動脈管開存症

先天性高インスリン血症

11章 心身医学

不登校

起立性調節障害

摂食障害

12章 精神疾患

ADHD

自閉スペクトラム症

チック症

ディスレクシア

虐待

小児の強迫性障害

13章 先天異常

Down症

14章 内分泌疾患

肥満症

SGA性低身長症

Basedow病

糖尿病

くる病

15章 皮膚疾患

血管腫

蕁麻疹

熱傷

ざ瘡(にきび)

16章 その他の疾患

脊柱側弯症

熱中症

ガイドライン推奨グレード/エビデンスレベル,入手先一覧


索引

便利機能

  • 対応
  • 一部対応
  • 未対応
便利機能アイコン説明
  • 全文・
    串刺検索
  • 目次・
    索引リンク
  • PCブラウザ閲覧
  • メモ・付箋
  • PubMed
    リンク
  • 動画再生
  • 音声再生
  • 今日の治療薬リンク
  • イヤーノートリンク
  • 南山堂医学
    大辞典
    リンク
  • 対応
  • 一部対応
  • 未対応

対応機種

  • ios icon

    iOS 10.0 以降

    外部メモリ:24.6MB以上(インストール時:61.2MB以上)

    ダウンロード時に必要なメモリ:98.4MB以上

  • android icon

    AndroidOS 5.0 以降

    外部メモリ:84.6MB以上(インストール時:179.8MB以上)

    ダウンロード時に必要なメモリ:338.4MB以上

  • コンテンツのインストールにあたり、無線LANへの接続環境が必要です(3G回線によるインストールも可能ですが、データ量の多い通信のため、通信料が高額となりますので、無線LANを推奨しております)。
  • コンテンツの使用にあたり、M2Plus Launcherが必要です。 導入方法の詳細はこちら
  • Appleロゴは、Apple Inc.の商標です。
  • Androidロゴは Google LLC の商標です。

書籍情報

  • ISBN:9784521747576
  • ページ数:375頁
  • 書籍発行日:2019年4月
  • 電子版発売日:2019年9月18日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

まだ投稿されていません

特記事項

※今日リンク、YNリンク、南山リンクについて、AndroidOSは今後一部製品から順次対応予定です。製品毎の対応/非対応は上の「便利機能」のアイコンをご確認下さいませ。


※ご入金確認後、メールにてご案内するダウンロード方法によりダウンロードしていただくとご使用いただけます。


※コンテンツの使用にあたり、M2Plus Launcher(iOS/iPhoneOS/AndroidOS)が必要です。


※書籍の体裁そのままで表示しますため、ディスプレイサイズが7インチ以上の端末でのご使用を推奨します。