エビデンスに基づく 美容皮膚科治療

  • 書籍発行日 : 2019年5月
  • 電子版発売日 : 2020年2月5日
¥13,200(税込)
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商品情報

内容

二重盲検が難しく,治療結果を客観的に評価しにくいためエビデンスにはほど遠いとされる美容皮膚科領域で,シワ,シミ,肝斑,座瘡,そばかす,たるみ,AGA,脱毛に対するフィラー,ボトックス,レーザー,ケミカルピーリング,美白剤,機能性化粧品など各治療法について,専門家がエビデンスをレベル1~5で明記した.トップジャーナルを渉猟・精査し,専門家の経験と工夫を凝らした施術法を具体的に紹介.

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序文

エビデンスという言葉が医療の世界に登場したときに,毎日患者の診断と治療のみに忙殺されている臨床家としては,ずいぶん戸惑ったものである.臨床というものは,先人たちから脈々と語り継がれてきた経験とノウハウの膨大な蓄積であって,あんなうすっぺらな数十例の臨床試験で有意差が出たか出ないかなんてことには関係ないし,そんなことで伝統の治療法が「ガイド」される「ライン」が引かれたのでは,たまったものじゃない,という思いが強かった.しかし,その後時は流れ,本当に価値のある治療というものは,しっかりした臨床試験を実施すれば必ず有意差をもって有効という結果が出るということがだんだん明らかになり,逆に有効という結果の出ない治療法は,どれほど伝統があって広く用いられている方法であっても,何らかの問題があるのだということが明白になってきた.「エビデンス」は,現在ではもはや,医学の世界においては「真理」・「真実」に近い意味を獲得しているといっても過言ではない.

ところが,エビデンスを測る尺度と美容治療はどうも相性が悪い.治療法が見えてしまうから二重盲検が設計しにくい.美容は客観的評価がされにくく,患者の主観的満足度が優先される傾向が強い.きれいになったかどうかは複数の要素から総合的に判断されるので,一つの介入の評価であっても,他要素の影響を否定できない.などの問題点が常に存在し,薬の有効性の評価などに比べて,良い臨床研究が進まないという根本的問題点がある.美容治療の現場にいる者としては悲しいことだが,美容治療に携わる臨床医の学術リテラシーのレベルが低いという現実も問題である.

宮地先生から本書の企画のお話があったとき,実は私はこのような事情をよく考えたうえで「この企画はちょっと無理だと思います」と,一度はお断りした.宮地先生は「ガイドラインを作るわけじゃないのだからもっと気楽に,一般皮膚科医が患者さんにその治療法のことを尋ねられたときに答えられる助けになればいいのです」とおっしゃったので,その意義に賛同して,やはり引き受けることにした.それにしても,執筆の先生方は大変だったと思う.自分も執筆にあたっては結構苦労した.治療法の極意を後輩に伝授する入門書なら何回も書いているが,その治療のエビデンスレベルを一般皮膚科医に知らせるというのは初めての経験で,どう書いたらよいのか悩ましいものであった.だから,逆に書く側こそ勉強になったといえるかもしれない.ともかく,本書の完成にあたり,難しい原稿をお書きくださった執筆の先生方,そして「レベルメーター」などの分かりやすいデザインで制作してくれた中山書店編集部の皆さん,さらに何よりも私にとって貴重な「考える機会」を与えてくださった宮地先生に深く感謝いたします.

編者としては,本書が多くの読者の役に立つことを願っています.

2019年3月

葛西健一郎
葛西形成外科 院長

目次

1章 フィラー注入

フィラー製剤の種類と選択

解剖学的老化プロセスとフィラーの奏効機序

シワの種類と注入法

フィラー注入のゴール

効果の持続

問題点と今後の課題

2章 ボトックス®注射

表情シワに対するボトックス®注射

多汗症に対するボトックス®注射

全般的エビデンスレベルと今後の展望

column 筋肉減量目的のボトックス®注射

column マイクロボトックス

3章 エネルギーデバイスによるシワ・たるみ治療

各種エネルギーデバイスによるシワ・たるみ治療総論

RF(radiofrequency)(宮田成章)

HIFU(high intensity focused ultrasound)(宮田成章)

IPL(近赤外線帯域)と複合機器

全般的エビデンスレベルと今後の展望

4章 シワ・たるみのレーザー治療

ロングパルスレーザー

フラクショナルレーザー

ピコ秒レーザー

全般的エビデンスレベルと今後の展望

5章 シミのレーザー治療

シミの分類と総論

SKのレーザー治療

ADMのレーザー治療

肝斑の保存的治療とレーザー治療

IPL・ロングパルスレーザー等によるノーダウンタイム治療

6章 ケミカルピーリングとその周辺

ケミカルピーリングの概要

ケミカルピーリングの適応,禁忌およびガイドラインでの位置づけ

各ピーリング剤の作製方法と保存

治療の実際-治療のコツと落とし穴

合併症と対策

ケミカルピーリングに併用する機器を用いた治療

問題点と全般的エビデンスレベル,今後の展望

7章 機能性化粧品

美白剤

機能性化粧品,抗シワ化粧品

8章 AGA

AGAの病態と基礎知識

奏効機序と臨床試験成績に基づくエビデンス

適応,副作用,問題点

QOLへの対応―ウィッグの使用を含めて

治療の全般的エビデンスレベルと今後の展望

9章 レーザー脱毛

臨床医としての基礎知識

専門医としての治療アプローチ

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書籍情報

  • ISBN:9784521747606
  • ページ数:0頁
  • 書籍発行日:2019年5月
  • 電子版発売日:2020年2月5日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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