• m3.com 電子書籍
  • ベストセラー
  • 子どもの風邪―新しい風邪診療を目指して―

子どもの風邪―新しい風邪診療を目指して―

  • ページ数 : 176頁
  • 書籍発行日 : 2015年9月
  • 電子版発売日 : 2019年5月31日
¥3,080(税込)
ポイント : 56 pt (2%)
今すぐ立ち読み
今すぐ立ち読み

商品情報

内容

子どもの風邪診療を変えていこう!現在の小児診療の問題点を見つめなおします。

いまの風邪診療は“だれのため”に行われているのでしょうか? 保護者の満足のため? 医師の防衛のため?? いちばん大切な“子ども”のことを,われわれオトナは忘れがちです.でも,それじゃいけない.本当に子どものための風邪診療を目指して,すべてのオトナにお読みいただきたい1冊です.

序文

はじめに

医療で"風邪"を診るということ

わが国の医療制度の特徴は,国民皆保険とフリーアクセスにある.こういった医療制度の最大の長所は,「誰もが,必要と思ったときに医療を受けられる」という安心感と平等性にある.日本は世界一医療機関へのアクセスがよい国であるといえる.

これはわが国の医療制度における最大の利点であるが,医療機関へのアクセスのよさは,軽症患者でも簡単に受診できるということにつながり,過剰診療に傾きやすいことに注意が必要である.実際に日本では,欧米の数倍から10倍もの小児患者が医療機関を受診しており,その大多数は風邪の子どもである.

そのような状況であるにもかかわらず,わが国の小児科医は"子どもの風邪にどのように対処するか?"という問題に,真摯に向き合ってこなかった.保護者が満足するように,"念のため"の投薬を行っておくという考えが支配的であった."風邪を引いて自然に治る"という経過に医療的介入が行われることが普通になっていたのである.また,風邪の診断はきわめてあいまいなため,医師がリスク回避のため投薬してしまうということも,その背景としてある."子どもの風邪"に対し,小児科医はリスク回避のため,保護者は満足と安心のため,さまざまな投薬が行われてきたといえる.しかし実際は,風邪に対するほとんどの投薬に効果はなく,逆に新たなリスクを生み出していることさえあると思われる.われわれ小児科医は,子どもの最大の利益のために行動すべきだが,現在の小児診療はそれができているのだろうか?

医療的介入の最大の問題は,保護者(主に母親)が「自分が治した」という経験をする機会を損なってしまうことである.その結果,母親は自然に治る風邪を,投薬のおかげで治ったと勘違いしてしまうことが多い.風邪の最大の治療は母親によるホームケアである.人は苦しいときに助けてもらえれば,ずっと覚えているものだ.子どもが風邪を引いたとき,愛情をもって看病された経験は母と子の絆を固いものにするだろう.風邪の子どもに対し,小児科医は投薬よりもホームケアのサポートをするべきなのである.

今後も多くの子どもたちが風邪で小児科外来を受診するだろう.小児科医の使命は"子どもたちの健やかな成長と発達をサポートする"ことであり,そこに大きな社会的意義があるのは疑いがない.真に子どもたちのためになる診療をしてこそ,小児科医が社会で存在感を示し,社会的地位を上げることができるのである.子どもの風邪診療を変えていこうではないか.それは小児科医自身のためでもある.


2015年7月

西村 龍夫

目次

Ⅰ 風邪ってなんだ?

1 なぜ食い違うのか

2 風邪の定義

3 風邪とリスク

4 風邪教育の必要性

Ⅱ 風邪の病態生理を考える

1 風邪の自然経過

2 ウイルスと細菌

3 発熱

4 鼻汁

5 咳嗽

6 喘鳴

Ⅲ 風邪の治療って?

1 風邪と抗菌薬

2 風邪薬の効果

3 医療制度の弊害

4 負のスパイラル

Ⅳ 風邪とリスクマネジメント

1 治療より診断

2 風邪のリスクマネジメント

3 見逃したくない病気

4 名医が子どもを苦しめる

Ⅴ 新しい風邪診療

1 風邪は治すもの?

2 子どもの視点でみてみよう

3 ダメ出しよりポジ出し医療へ

4 決定版!風邪の治療

5 それでも小児科医は素晴らしい


索引

便利機能

  • 対応
  • 一部対応
  • 未対応
便利機能アイコン説明
  • 全文・
    串刺検索
  • 目次・
    索引リンク
  • PCブラウザ閲覧
  • メモ・付箋
  • PubMed
    リンク
  • 動画再生
  • 音声再生
  • 今日の治療薬リンク
  • イヤーノートリンク
  • 南山堂医学
    大辞典
    リンク
  • 対応
  • 一部対応
  • 未対応

対応機種

  • ios icon

    iOS 10.0 以降

    外部メモリ:29.9MB以上(インストール時:62.6MB以上)

    ダウンロード時に必要なメモリ:119.6MB以上

  • android icon

    AndroidOS 5.0 以降

    外部メモリ:21.7MB以上(インストール時:45.7MB以上)

    ダウンロード時に必要なメモリ:86.8MB以上

  • コンテンツのインストールにあたり、無線LANへの接続環境が必要です(3G回線によるインストールも可能ですが、データ量の多い通信のため、通信料が高額となりますので、無線LANを推奨しております)。
  • コンテンツの使用にあたり、M2Plus Launcherが必要です。 導入方法の詳細はこちら
  • Appleロゴは、Apple Inc.の商標です。
  • Androidロゴは Google LLC の商標です。

書籍情報

  • ISBN:9784525280819
  • ページ数:176頁
  • 書籍発行日:2015年9月
  • 電子版発売日:2019年5月31日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

まだ投稿されていません

特記事項

※今日リンク、YNリンク、南山リンクについて、AndroidOSは今後一部製品から順次対応予定です。製品毎の対応/非対応は上の「便利機能」のアイコンをご確認下さいませ。


※ご入金確認後、メールにてご案内するダウンロード方法によりダウンロードしていただくとご使用いただけます。


※コンテンツの使用にあたり、M2Plus Launcher(iOS/iPhoneOS/AndroidOS)が必要です。


※書籍の体裁そのままで表示しますため、ディスプレイサイズが7インチ以上の端末でのご使用を推奨します。